第4回: クレジット・スコア|カナダのお金について「なるほど納得!銀行のいろは」

第4回: クレジット・スコア|カナダのお金について「なるほど納得!銀行のいろは」

 今月の内容は、日々よく耳にする「クレジット・スコア」についてです。

クレジット・スコアとクレジット・レポート

 クレジット・スコアは、個人の与信記録を総合的に判断した上で出される点数のことです。900点を最高点とし、一般的には600点以下を低スコア、800点以上を高スコアとみなしています。住宅ローンを組んだり、個人の借り入れを申請したり、自動車ローンを組んだり、携帯電話を契約したり、賃貸契約を組んだり…と気づいてみれば、現代の生活はクレジット・スコアとは切り離せないものになってしまった、と言っても過言ではありません。

 では、このクレジット・スコアの良し悪しを決定する要素は一体何なのでしょうか?まずは、何と言っても延滞記録とその頻度。クレジット・レポートに載っている項目の内、期日までに支払いができなかった場合、言うまでもなくクレジット・スコアを下げる要因となってしまいます。また、延滞日数も点数の良し悪しに関わってきます。

一日のみ支払いが遅れたのか、それとも1カ月間支払いが遅れたのか。これらの記録は全て、過去7年間の記録としてクレジット・レポートに反映されます。延滞が続けば、スコアが下がり、信用度が落ちてしまいます。

クレジット・カードやLine of Creditの場合は、利用残高が限度額を超えているか、利用残高が常に限度額に近い金額になっていないかどうかも重要となってきます。それから、債権取立会社に回されてしまった債券もクレジット・レポートに記載されますし、著しく減点の対象となります。

クレジット・スコアが低くてもローンが下りるって本当?

 クレジット・スコアが悪いからといって個人の借入が全くできないという訳ではありません。銀行は何を見ているかというと、債務者の与信記録から過去の支払記録と支払習慣を重点的に見ています。例え過去一定期間において一時期的な延滞があったとしても、それを正当化できる理由があれば、大きな懸念にはなりません

しかし、延滞の頻度が高すぎると説明がつきにくくなってしまいます。また、破産記録や敗訴記録といった懸念度の高い記録が残っている場合、より慎重な与信審査の対象となるため、それらの事象と関連する書類の提出を求められるのが通常ですが、過去に破産したことがあったとしても、住宅ローンやクレジットカードを組むことは不可能ではないのです。

法人もクレジット・スコアがあるの?

 法人にもクレジット・スコアとクレジット・レポートがあります。クレジット・レポートには個人版と同じように債権の内容、支払記録、破産記録、敗訴記録等の情報が記載されます。特に知っておきたいのは、法人のクレジット・レポートは個人と違って、与信機関(EquifaxとTransUnion)に費用さえ支払えば誰でも他の会社の与信記録を入手することができるのです。

そのため、法人にとって重要なことは、良質な仕入れ先や顧客を引き付けるために良い与信記録を維持することのみでなく、今後の取引先の与信チェックを事前に行うこともビジネスを成功させる上で重要になります。