コロナ禍の中でも攻めるローカルビジネス「トロントの飲食店のチャレンジ」|カナダ・ニューノーマルの時代

 6月になり少しずつ経済活動の制限も緩和され始めて来たが、緊急事態宣言以降さまざまなビジネスが長い間、我慢を強いられている。パンデミックの最中にも関わらず、アイデアやニーズを先取りして攻めの一手を駆使し逆境にチャレンジしている飲食店の取り組みを紹介する。

シリーズ: ニューノーマル時代の・カナダ・ローカルビジネス
 カナダでもCOVID-19パンデミックによって人々のライフスタイルや働き方、価値観などが大きく変わってきている。ニューノーマル時代に合わせてローカルビジネスも大きな変革を求められている。本企画はシリーズとして様々なローカルビジネス・企業・業界に目を向けて彼らの取り組みや考えに迫っていく。

パンデミックの最中に2号店をリッチモンドヒルにオープン!
ノースヨーク店は行列のできるお店に!

 地場の旬で新鮮な魚にこだわり、豊富な種類を取り揃えているトロントの代表的な魚屋「Taro’s Fish」が、コロナ禍の影響をもろともせずリッチモンドヒルに新しく2号店をオープンした。オーナーの秋山さんは緊急事態宣言が出た3月の頃は少し暇になったが、今ではコロナ前の通常時の週末の賑わいが毎日のように続いていると言う。

 同店では新鮮な魚介類の刺身盛り合わせや手巻きセットのほか、寿司の盛り合わせなど種類豊富に取り揃えられており、パンデミックで高まったお家ご飯のニーズと、かねてからの寿司・刺身の高い人気にTaro’s Fishがまさにぴったり当てはまった形だ。

■Taro’s Fish
【NEW】リッチモンドヒル店
735 Markland St
ノースヨーク店
800 Sheppard Ave East
www.tarosfish.com

新しいラーメンビジネスの確立!
自宅でお店の味を楽しめる「冷凍ラーメン」を開発1ヶ月で2000食の売り上げ

 ラーメンが一番おいしいのは、経験を積んだラーメンシェフが作ったお店で食べる熱々のラーメン、だと語る「雷神」の共同オーナーシェフ・吉田さん。

 コロナ禍でデリバリーなど物理的な問題で味が落ちてしまう商品が諸経費を入れて15ドル程度になってしまう現実に対して、どのようにしたら顧客満足を最大限に近づけるかと考え抜いた末に「冷凍ラーメン」の開発に行き着いたという。

 新開発された「冷凍ラーメン」は、9割の状態までラーメンシェフがお店で調理し、真空パックをして急速冷凍で味を閉じ込め、仕上げ部分のみ自宅で調理することで、「雷神」の熱々のラーメンが楽しめるという。

 当初はエリアと数も限定の発売だったにもかかわらず、現在では週3日GTA全域でデリバリーされるほどの反響だという。吉田さんの逆境に立ち向かうチャレンジ思考は、連載コラムに書かれているのでそちらもご一読を!

■Ramen Raijin
24 Wellesley St W
zakkushi.com/raijin

日本食材と職人の味にこだわった「母の日」お持ち帰り特別御膳300ドル・限定20食が即完売!

 トロントを代表する寿司と会席料理で有名な「Zen Japanese Restaurant」が母の日に限定発売した特別御膳。日頃から日本の旬な魚介類にこだわった寿司と季節に合わせて和食職人が技術を注ぐコース料理は多くの食通たちを魅了している。

 数多くの常連客を抱えるZenのブランドを活かし、コロナ禍の中で用意した特別料理は素材や一品一品の料理にこだわり、味はもちろん見た目もお祝いの日にふさわしく華やかだ。風呂敷や木箱も日本から取り寄せ、細部にわたりこれまで培って来たZenらしさを注ぎ込んだという。

 なお、スカボローにある「さぬきうどん」店では、毎日製麺している自家製生麺やオリジナルのかりんとうなどほかでは購入できない「ここだけでしか味わえない商品」の販売も手がけている。

■Zen Japanese Restaurant
7634 Woodbine Ave, Markham
zenjapaneserestaurant.com

■Zen Sanuki Udon
3720 Midland Ave, Scarborough
zensanukiudon.com