第25回 「TFSAとRPSPのどちらがよいか」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

第25回 「TFSAとRPSPのどちらがよいか」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

TFSARPSPのどちらがよいかという質問をよく受け、過去にも説明させていただきました。投資や貯蓄に関するカナダのメディアでも、いつでも話題になります。先月のToronto Starでは、低所得層である年収$70,000以下(給与所得のみ、家賃収入、投資収入は含まない)の人は、RPSPはあまりメリットがないと記事にしていました。

Registered Retirement Savings Plan(RRSP)は、カナダ連邦政府に登録された貯蓄プランであり、退職目的で寄付することができます。 RRSPに資金を寄付すると、その資金は「税制優遇」されます。つまり、寄付を行った年の課税が免除されます。毎年決められた期日(3月の初め)に、年間の給与所得に応じた枠内の金額をRRSP口座に預金をすると、その預金額が税額控除となります。年間の給与所得に応じた額とは、給与所得の18パーセントか定められた一定額(2022年は$29,210のどちらかの少ない方が預金できる限度額となります。限度額までRRSP口座に預金をしなかった場合の空いている枠の金額は翌年以降へと持ち越しできます。限度額内であれば、配偶者のSpousal RRSPにも預金することができます。

RRSPはTFSAと違って、いずれは税金を払うこととなります。働いている間は収入が多いので、退職金のためのRRSPに預金をすることによって、税額控除を受け、給与所得を減らすことによって、税金を少なくします。働いている間は、RRSPから預金を引き出すこともなく、投資利益にも税金がかからないので、RRSP枠内で資金が投資利益によって増えていくことになります。そして、リタイアした後は年収が少なくなるので、RRSPから預金を引き出し、そのときに税金を支払うことになります。

カナダの生活を始める新移民にとって、RPSPはなぜか安定と成長を保証してくれるようなイメージを持つようです。銀行のアドバイザーは、カナダで、安定した仕事について、家を買って、リタイアするまで仕事を続けて、リタイアしたら、RRSPの口座には、死ぬまで十分と子供に多少残せるだけ貯まっているという説明をします。今日は、そんなに甘くないということをみなさんも既にご存じだと思います。RRSPに関しては、リタイアする前に資金を引きだすとペナルティーがかかります。不動産投資の方が率がいい、家の修繕費がかかるかもしれない、日本に帰国する、他国へ引っ越すかもしれない、病気の治療費がかかるかもしれない、RRSPより利益のある投資の機会を失いたくないなどの理由で、税額控除はないけれど、引き出し時のペナルティーのないTFSAの方が有利と思われる方もたくさんいます。