第16回 「ファイナンシャルアドバイザーを活かす」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

第16回 「ファイナンシャルアドバイザーを活かす」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

 私は金融機関で長い間仕事をしていますが、自分自身も投資をしています。いろいろな景気の波を経験してきたので、株式市場が低迷していても、不景気でも、すぐに回復すると楽観的でしたし、実際に相場は常に回復し、利益は出ていました。パンデミックが始まったころは、一部の産業が大打撃を受けたにも関わらず、他の業界が利益をあげていたため、全体としての景気は悪くありませんでした。そして、規制を解除した後の数か月は、不動産も株価も順調に上っていきました。が、この数か月のインフレーション、金利の引き上げ、不動産価格の下落を見ていると、世界は一体どういう方向に向かっているのだろう?と考え始めてしまいます。

 ファンドは基本的には売買をすることが目的でなく、長く保持して、資産価値を増やしていくという金融商品です。ファイナンシャルアドバイザーと年に一度ぐらい会って、ファンドの実績に満足していなければ、他のファンドに変更しますが、それすらしない人もたくさんいます。自分がいくら持っているかも把握せず、自分が持っているファンドすら知らない方がたくさんいらっしゃいます。それでも、ポートフォリオマネージャーがリスクを回避しているので、お客様は大きな損をしてこなかったというのが最近までのマーケットでした。しかし、このような相場が変わりやすい時期は、ファンドをお持ちの方は、3か月に一度くらい見直しをされ、ファイナンシャルアドバイザーに連絡をとられるといいと思います。特に債権のファンド(Bond)をお持ちの方は、金利が上がると、債権の価値が下がるので、金利が変わるごとに、ファイナンシャルアドバイザーに相談された方がいいです。今日の世界情勢からすると、価値の下がったファンドが、すぐに回復するかは疑問です。

 お客様のファンドの価値がさがっても、連絡をしないファイナンシャルアドバイザーはたくさんいます。彼らは、お客様から連絡がない限りは、ファンドの実績に満足していると解釈しています。ですから、お客様から「私のファンドはどうですか?」と不安な時は連絡されるといいと思います。また、ファイナンシャルアドバイザーと親しくなり、頻繁に連絡をとる間柄になり、お互いを知るようになれば、ファイナンシャルアドバイザーは、もっと的を得たアドバイスを、お客様に提供できると思います。

 また、株式市場を避けたい方は、比較的安定している不動産、保険、High Interest Savings Accountなどをお選びになるといいと思います。RRSPとTFSAはファンドのみならず、リスクのないGIC、High Interest Savings Accountでもお持ちになることができます。