第14回 「ファイナンシャルプラニング」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

第14回 「ファイナンシャルプラニング」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

 どこの国にも、他人がいくらお金を持っているか、またお金が足りるかどうかをいつも心配している人がいます。そのような人たちの多くは、自分の持っているお金の管理をしていなかったり、世の中のお金の流れを理解していなかったり、自分の支出を把握していなかったり、予算を上手く立てていません。

 お金に対する不安は、お金を多く持っているかどうかとは関係ありません。お金をたくさん持っていても、いつもお金の心配をしている人もいるし、お金をそれほど持っていなくても豊かに暮らすことのできる生活のセンスのある人もいます。

 自分が自分の持っているお金の価値を理解し、世の中の物価と自分の支出を把握して、それに応じたライフスタイルがあれば、他人がいくら持っているかは全く気にならないし、将来の経済に対する心配もしなくなります(Anxiety disorderのある方は別として)。

 ファイナンシャルプラニングは、若くから始めた方が有利であることは確かです。若い頃に、お金の管理の知識を身に着けることは一つの資産となると思います。例えば、25歳でRRSPに投資を始めた人と40歳でRRSPに投資を始めた人を比較します。初期投資額1000ドル、毎月投資額250ドル、金利5%で、65歳になったときには、237,474ドルの差があります(Manulife Solution)。

 一方、人生の後半から始めたファイナンシャルプラニングで成功する人はたくさんいます。遅すぎるということもなければ、若い頃に学んだ金融システムが永遠とも限りません。一世代前は、福利厚生のある会社で、働き続け、RRSPに投資をしていれば、老後に十分な資金を貯められると言われてきたようですが、今となっては自分の納めてきた年金と同じレベルの額が将来支払われるかどうかもわかりません。また、現在では、物価も上がり、人によっては、RRSPのような引出しのできない貯蓄型のプランが不利になることがあります。

 お金に関するメディアに例として挙げられるファイナンシャルプラニングに成功した例も、全体を語っていないので、誰もが真似できるものでもありません。何歳までにいくら持っていたらいいかという目安も単なる読み物です。住む場所、食べるものも違う万人に共通する老後の資金の貯蓄額のゴールは存在しません。こうした記事と自分を比較して、心配し始めたら、記事を読む意味もありません。不安になったら、ファイナンシャルアドバイザーに相談し、自分のライフスタイルと希望を伝え、それにはいくら必要かを個人的に話されるといいと思います。ライフスタイルも、お金の価値も、人によって千差万別です。