第7回 「負債について」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

第7回 「負債について」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

今年の春のManulife Bankの調査では、33パーセントのカナダ人は家を購入するのに親からの援助が必要になると認めています。61パーセントのカナダ人は、家計費が少々していると感じており、67パーセントが自分の住む地域の不動産価格が気になっていると答えています。家を購入したいと思っているカナダ人の75パーセントが、家を買う余裕がないと感じている一方で、家を所有しているカナダ人の10分の1がパンデミックの間に家を購入しています。

パンデミックにより、カナダ人の5人のうち4人が精神的な影響を受けていると答えていて、カナダ人の3分の1が、収入より支出の方が速いと感じています。そして、カナダ人の54パーセントが、パンデミック以来、家庭の経済について考えるようになったと答えています。その結果、税引き後の貯蓄額は増加傾向にあるようです。みなさんの中にも、同じように感じている方がおおくいらっしゃると思います。

 負債に関する調査を年代別に見ていきたいと思います。20代は、学生ローン、車のローン、モーゲージ、また自分でビジネスを始めるためのローンが主です。30代は平均を見ると、40代と50代と比較して、最も負債の多い年代です。学生ローン、モーゲージ、その他の家庭生活を始めるにあたってのローンを必要とします。40代は、失業、離婚、病気、家族の死などため経費がかかり、ローンの返済が遅れている傾向が見られます。50代の方の多くのローンは、若い頃からのローンの返済を終えていないという理由が主です。負債が否定的なイメージである時代は終わり、もはや生活の一部、または資産の一部と考えられていますが、負債がある方が有利な場合もありますが、やはり負債の管理は必要です。

 負債があった方が良いのか、悪いのかは個人の置かれている状況によると思いますが、金利が高すぎるのは問題です。複数のローンをまとめることによって、金利を下げ、管理を簡単にする方法を日本では「おまとめローン」と呼ぶようですが、カナダでは「Debt Consolidation」と呼びます。

支払う金利の合計額は同じですが、金利を下げ、返済期間を長くすることによって、使える家計費を増やすこともできます。また、借入をして投資をする場合には、借入に対する支払利息は税務上の控除となり、その分の利益率は高くなります。この支払利息の税務上の控除に対しては、利息の計上のタイミング、いくらまで控除できるかなどCRAの細かいルールがあるので、タックスリターンの際に、税理士に相談されることをお勧めします。