世界最大の淡水湖の島と、カナダ最南端の島マニトゥーリン島 ピーリー島 運河のある街スーセントマリー キングストン|特集「トロント発ローカルな旅」

世界最大の淡水湖の島と、カナダ最南端の島マニトゥーリン島 ピーリー島 運河のある街スーセントマリー キングストン|特集「トロント発ローカルな旅」
view of lighthouse on Manitoulin Island from a sea plane on a summer day in Canada

トロントから数時間。そこには、いつものオンタリオとは少し違う風景が広がっている。
世界最大の淡水島であるマニトゥーリン島では、アニシナベの歴史とヒューロン湖の雄大な自然に出会う。カナダ最南端のピーリー島では、渡り鳥が羽を休め、カナダワイン発祥の地として知られる穏やかな島時間が流れる。一方、北西部のスーセントマリーと東部のキングストンは、運河とともに発展してきた街だ。毛皮貿易や軍事、防衛、移民の歴史が刻まれたこれらの街には、カナダという国が形づくられてきた足跡が今も残されている。島が語る自然と文化の物語。運河がつないだ人と歴史の物語。この特集では、マニトゥーリン島、ピーリー島、スーセントマリー、キングストンの4つの地域を巡りながら、トロントから少し足を延ばした先にあるオンタリオの多彩な魅力を紹介する。

世界最大の淡水湖の島と、カナダ最南端の島マニトゥーリン島ピーリー島

世界最大の淡水島として知られるマニトゥーリン島。島の中に100以上の湖があり、その湖の中にもさらに島が存在する不思議な場所だ。一方、カナダ最南端のピーリー島は人口わずか235人。夏になると多くの観光客やバードウォッチャー、自転車旅を楽しむ人々でにぎわう。

マニトゥーリン島では、アニシナベの歴史が残る土地を訪ね、ナイアガラ断崖を望むカップ・アンド・ソーサー・トレイルを歩き、ヒューロン湖を望むビーチでのんびり過ごす。ピーリー島では、カナダ最古のワイン文化の足跡をたどりながら、島を吹き抜ける風とゆっくり流れる時間を味わう。

どちらの島にも共通しているのは、「急がない旅」が似合うことだ。フェリーに揺られ、地元の人と話し、景色を眺める。そんな何気ない時間が、この場所では旅そのものになる。

マニトゥーリン島
Manitoulin Island

ヒューロン湖に浮かぶマニトゥーリン島は世界最大の淡水島。島自体に100以上もの湖があり、その中にも小さな島が存在する、まるでマトリョーシカのような構造だ。マニトゥーリンとはアニシナベの言葉で「精霊の島(Manidoowaaling)」を意味する。

アニシナベの島

Sprawling farm land and farm houses is Manitoulin, ON, Canada

ヨーロッパからの入植者たちがカナダへ来る前、マニトゥーリン島を含む五大湖エリアはアニシナベの人々の土地だった。

1830年代に入ると、アッパー・カナダを率いていた政治家たちはファースト・ネーションズ先住民たちをキリスト教化するためマニトゥーリン島北東部にあるManitowaningを伝道拠点とし、彼らを半強制的に島へ移住させた。

アニシナベの人々が元々住んでいたマニトゥーリン東側の半島Wiikwemkoongにもカトリック教徒たちが住むようになった。

入植者たちは島でも本土でも農地が欲しかったため、先住民たちに島を譲渡するよう強制した。

農業の地から観光地へ

Wiikwemkoongを除いてマニトゥーリン島はアッパーカナダに譲渡された。キリスト教化の影響は今でも多数ある教会の数で感じ取ることができる。
譲渡後、島では農業が栄え、七面鳥や羊の飼育地として有名になった。漁業も栄えたが、どれも衰退してしまった。

1920年代からはアウトドアを楽しむ人や観光客に人気が増え、季節限定で来る客たちによって島の景気は支えられている。

圧倒的に夏の観光地として知られているが、冬の間はノールディックスキーやスノーモービル、スノーシュー、アイス・フィッシングなどが満喫できる。

トロントから行く方法

ChiCheemaun ©︎Destination Ontario – Barb Simkova

トロントからマニトゥーリン島までは車で6時間ほど。夏の間に訪れるならフェリーを含むルートがおすすめ。トロントから北西はブルース半島まで進み、トバモリーからChi-Cheemaunというフェリーに乗る。車で乗る人もそうでない人も、乗船最低4時間前には予約を入れておかなければいけないので要注意。

Chi-Cheemaun

冬の間はフェリーが運行していないのでHighway 6から続くLittle Current Swing Bridgeを通らなければいけない。ここは一方通行の旋回橋なのでだいぶ時間がかかる場合もある。幸いこの橋は現在建て替えが検討されている。車がない場合は「ShortTrips.ca」のようなツアー会社が提供するトロント出発のパッケージツアーが便利。

Little Current Swing Bridge ©︎Destination Ontario – Barb Simkova

South Baymouth

©︎Destination Ontario – Ryan Lee

トバモリーからChi-Cheemaunに乗ってマニトゥーリン島に着くと迎えてくれるのがSouth Baymouthというエリア。Wigwam Gift Shopでは島に住むファースト・ネーションズの人々の工芸品を買ったり、地元の名物であるHawberry Farmsのジャムを買ったりすることができる。

©︎Destination Ontario – Ryan Lee

ショップで手作りされているHomemade Fudgeも有名だ。すぐ近くにあるLittle Schoolhouse & Museumでは一室のみだった島の学校を見ることができる。小さな教室で1年生から8年生までの生徒が教えられていた。

©︎Destination Ontario – Ryan Lee

Cup and Saucer Trail

©︎Jeffrey Arnaud

カップアンドソーサートレイル(アニシナベの呼び方ではMichigiwadinong)という名前は地形に由来している。高い崖が低い台地の上に乗っかっているように見えるため、カップと受け皿(ソーサー)のように見える。ナイアガラ断崖の一部であるこの崖の高さは70メートル。ハイキングトレイルを歩けばマニトゥ湖を一望できるポイントに辿り着ける。トレイルの全距離は15kmほどあるが、5kmコース(White Trail)やさらに短い0.5kmコース(Adventure Trail)もある。Adventure Trailのほうが距離は短いが難易度は高いのでハイキング経験者向け。

Bridal Veil Falls

©︎Destination Ontario – Barb Simkova

高さ34メートルを誇るブライダル・ベール・フォールズの滝は名前のとおり花嫁のベールのように美しい。滝の上のピクニックエリアから眺めることもできるが、滝の下に降りれば泳ぐこともできる。滝の裏側も歩くことができるので、いろんな角度から楽しめるのがこのスポットの醍醐味。泳ぐ場合は足元の石が滑りやすいほか尖っているのでウォーターシューズを持っていくことがおすすめ。オフシーズンにBridal Veilsを訪れると見られる凍った滝の景色もとても有名だ。

Gore Bay

今年4月、Little Currentで12年間ビール作りを続けてきたManitoulin Brewingが残念ながら閉店することを発表した。そのため現在マニトゥーリン島にあるブルワリーはGore BayにあるSplit Rail Brewing Companyだけとなった。
2015年にオープンしたこのブルワリーでは地元の名産Hawberry(ホーベリー、またはサンザシの実)をフィーチャーしたビールやソーダが人気。店内では名物メニューのBlueberry BrisketやSmoked Mac and Cheeseを堪能することができる。
混んでいなければ醸造所内のツアーも頼めるので店員さんに聞いてみるといい。

Providence Bay

©︎Destination Ontario – Barb Simkova

マニトゥーリン島でビーチをエンジョイしたいならプロビデンス・ベイが素敵だ。2kmも白い砂浜が続き、ボードウォークもある。パーキングエリアの近くにはパドルボードやカヤックをレンタルできるサービスも。

©︎Destination Ontario – Ryan Lee

ビーチ沿いでピクニックをするならボードウォークのそばにあるLake Huron Fish & Chipsのフィッシュ・アンド・チップスをテイクアウトするのがおすすめ。このビーチは7月1日に祝われるカナダ・デー(建国記念日)に花火を眺められる絶景スポットなのでぜひタイミングが合えば来てみたい。

マニトゥーリン島に泊まるなら

マニトゥーリン島は島と言ってもだいぶ面積が広い。東西に160kmも続く距離なので1日で全ての観光スポットを周るのは難しいが、宿泊オプションは豊富。

代表的な宿を挙げると、Manitoulin Hotel and Conference Centreが一番大きいホテルで、カンファレンスルームもある。もう少しこじんまりしたホテルを探しているならビクトリア朝の家を改造したTwin Peaks Bed & Breakfastがちょうどいい。だが宿泊者は18歳以上に限られるのでファミリーには不向き。

アウトドアでキャンピングを体験したいならManitoulin Eco Park。テントを張る場所を予約できるほか、ティピーの中に宿泊できるオプションやベッド付きのキャビンのオプションがあるので、その場合は寝袋と枕を用意するだけでとても便利。

ピーリー島
Pelee Island

©︎Destination Ontario –
J. – F.Bergeron – ENVIRO PHOTO

カナダ最南端に位置するピーリー島の人口はわずか235人。しかし夏の間は1,500人にも上る。マニトゥーリン島の人口約1万4800人には全く及ばない数字だが農家や起業家、庭師、経理などこの島に住む人の職業はさまざま。人里離れた町の雰囲気を味わおうと年々夏になるとたくさんの観光客が訪れる。

トロントから行く方法

©︎Howard Walsh

トロントからはHighway 401 Westを使ってLeamingtonまたはKingsvilleまで行って、フェリーに乗らなければならない。フェリーは4月から6月の間Leamingtonから出発するが、8月から12月の間はKingsvilleから出発するシステムになっている。この違いは天候と風の向きによるもの。車で乗船する人も、そうでない人も必ずフェリー乗船の予約を入れてから向かおう。乗り物を持ち込む場合は乗車券とその費用を払う必要がある。

観光する方法

©︎Jeremy Hynes

ピーリー島の大きさは北から南への距離がおよそ12km、東西はおよそ6km。マニトゥーリン島に比べるとだいぶ小さな島だが、徒歩だけで全エリアを観光することは難しい。車か自転車でフェリーに乗るか、島でE-バイクかゴルフカー(ゴルフカートより少し大きめのもの)をレンタルすることもできる。島内にはタクシーやバスはない。

カナダの最南端

©︎Howard Walsh

カナダの最南端であるピーリー島ではめずらしい植物や野生動物がたくさん見られる。最南端ポイントであるビーチは歩くことができる。この島は渡り鳥や蝶々たちが旅する光景も目にすることができるので、バードウォッチングまたはバーディングが趣味の人がよく集まる。自転車で簡単にハイライトだけを一周するなら、かかる時間は1時間ほど。しかし端から端までじっくり時間をかけて外周をサイクリングするなら4時間以上はかかるそう。

ピーリー島はワイン作りが始まった場所

ピーリー島はカナダで初めてワインが作られた場所として有名。1861年にアメリカで始まった南北戦争が原因でワインが作れなくなってしまったD.J. Williamsというワイン醸造家は、1865年にケンタッキー州から当時イギリス領地だったウィンザーを目指し、ピーリー島に辿り着いた。彼は広い土地と暑い夏、長い秋と(カナダにしては)短い冬がワイン作りに適していると考え、ピーリーでのワイン作りを決意した。

ワイン作りはビジネスマンたちに支えられて広まった

ウィリアムズが立ち上げた「Vin Villa」という会社は多大な成功を収めたため名前が残っているが、実はカナダでワイン作りを始めた人たちは他にもいるという説がいくつかある。中には1600年代、宗教のために祭司や修道僧らがワイン作りをしていたという説も。

ウィリアムズと同じ時代にはイギリスのJustin McCarthy de Courtenayがトロントの近くでCanada Wine Growers Associationを立ち上げたことも重要な歴史の一部。ウィリアムズが作り上げたピーリーのワインを最も有名にしたのはビジネスマンのJoshua S. Hamiltonだった。ハミルトンは彼らのマーケティングを担当し、カナダ中にピーリー産のワインを広めた。

Pelee Island Winery

©︎Juraj Filipeje

カナダ最南端にあるピーリー島はアメリカでワインが有名な北カリフォルニア州と同じ緯度にある。それだけでなく、実はポルトガルやスペイン、イタリア、ドイツ、フランスなどさまざまなワイン大国と同じ緯度に位置する。Pelee Island Wineryは1878年のパリ万博で高い評価を得て以来、たくさんの国際的な賞を受賞してきた権威あるワイナリーなのだ。

©︎Juraj Filipeje

Pelee Island Wineryを楽しめる場所は2カ所。ピーリー島とKingsvilleに分かれている。ピーリー島にあるPelee Island Pavillionは春から秋にかけて開店している。ツアーに参加すればワイン作りやコルク作りについて学んだりすることができる。ツアーにはワインティスティングとグラスがついてくるのでお得。Kingsvilleのワイナリーでも同じようにツアーとティスティングが行われている。ピーリー島で行きそびれても本土にあるので帰り道の楽しみにもなる。

【マニトゥーリン島&ピーリー島】行くなら気をつけたいこと

現金とクレジットカードを持っていこう

普段全ての決済をスマートフォンで済ませている人は念のため電池がなくなった時のことを想定して現金とクレジットカードを持っておこう。ピーリー島もマニトゥーリン島も都会ではないので、簡単にコンセントを使えるところはない。そして自転車レンタルなどをするなら身分証明書とクレジットカードが必要。ピーリー島ではApple Payなどアプリでの支払いは出来ないのが注意点だ。島のお店もクレジットカードやデビットカードが使えないところも存在するので、現金を持っていこう。

ピーリー島には水を持参しよう

Female hands with bottles of water on color background

ピーリー島では井戸水か湖の水が直接使われている。大きなスーパーがあるわけでもないので、水は持参するのがベスト。

一ヶ所だけ有料の給水ステーションがフェリー乗り場の南にあるが、18リットルのボトル用なので水筒サイズには向かない。支払いはコインのみでお札やカードは使えないので注意。水筒用の給水ステーションはフェリー内またはフェリーのオフィスビル内にある。

運河のある街スーセントマリーキングストン

©︎Agawa Canyon Tour Train

オンタリオ州の西にあるスーセントマリーとトロントの東側にあるキングストンにはある共通点が存在する。それは街の歴史が運河に支えられていること。

©︎Agawa Canyon Tour Train

スーセントマリー運河は1798年に植民者たちの毛皮貿易を円滑にするために建てられたが、北英戦争(War of 1812)でアメリカによって崩壊された。運河が再建されたのは1890年代で、時間がかかったのにはアメリカとの摩擦が関係している。

キングストンにあるリドー運河は北英戦争中にアメリカからの侵攻を阻止するために提案され、軍事物資などを運ぶルートとして使われていた。戦後は木材や農業用肥料、長石、鉄鉱石が運ばれていた。今ではオンタリオ初の世界遺産を誇る観光名所として愛されている。

戦争と運河によって形成された二つの街の名所を紹介しよう。

スーセントマリーSault St. Marie

©︎Destination Ontario – Rami Accoumeh

ローカルたちに「Soo」の愛称で呼ばれているスーセントマリーはアメリカのミシガン州に面している。向かい側にも全く同じ名前のスーセントマリーがあり、二つは「Sister Cities」または「Twin Soos」と呼ばれている。先住民族オジブワが暮らしていたこのエリアにフランスの冒険家Étienne Brûlé(エティエンヌ・ブリュレ)が上陸したのは1623年のこと。1668年には移住者が押し寄せ、町には現在の名前がつけられた。スーセントマリーは聖母マリアに由来している。「Sault」は古いフランス語でジャンプすることを意味し、合わせて「聖母マリアの急流」という意味がある。

どうして二つの街に分かれたの?

スーセントマリーが2カ国に分かれてしまったのには1812年に起きたイギリスとアメリカの戦争が関係している。

終戦後、当時イギリスの領地だったカナダがスーセントマリーを占領することとなり、新しく国境が作られた。アメリカは国境を閉鎖し、イギリス人たちが貿易をできないようにした。海峡も自国で管理するために運河が造られ、のちにカナダ側も同じように運河を造った。

カナダ側の運河は当時世界初の電動式の閘門を用いていた。今では国定史跡に認定されている。

スーセントマリーの観光スポット

All Photos by ©︎Agawa Canyon Tour Train

Agawa Canyon Tour Train

北オンタリオを観光する上で外せないのがアガワ・キャニオン・ツアートレインだ。アガワ渓谷はカナダの大自然を追い続けた画家集団グループ・オブ・セブンにインスピレーションを与えた場所の一つ。この列車は朝8時に出発し、114マイル(183km)の距離を走行する。

4時間もの乗車時間、森や湖、滝など色鮮やかな風景が広がる。そしてアガワ渓谷に着くと2時間下車する時間が設けられているため、乗客はハイキングやピクニックを楽しんだりできる。ハイキング初心者でも散歩できるルートがあるので心配なし。

面白いことにこの場所にもマニトゥーリン島と同じ名前のBridal Veil Fallsという滝がある。列車内には売店もあり、食べ物や飲み物を買うことができる。Wi-Fiはなく、スマホの電波も届かない山奥なので目の前にある大自然にゆっくり入り浸ることができる。

2026年の運行シーズンは8月1日から10月18日まで。乗車チケットはhttps://agawatrain.comから。

Canadian Bushplane Heritage Centre

©︎Destination Ontario – Colin Field

Bushplaneとはインフラ未開拓地と都市部を結ぶ小型飛行機のこと。滑走路を必要としないのが特徴的だ。カナダの北部では道路が整備されていない大自然の中やフェリーが運行していない島に住む人々へ物資などを届けるため、または人を運ぶために使われている。2人がけのシートや乗客19人を乗せられるものまで、サイズは色々。Bushplaneは山火事などの消火活動に使われることでも有名で、あらゆる面から人々の暮らしを支えている。小型飛行機を必要とするカナダだからこそあるコレクションなのでぜひチェックしたい。敷地内には北オンタリオで唯一の昆虫館もある。

©︎Destination Ontario – Colin Field

Miss Marie Sault Lock Tours

2時間かけて観光するこのフェリーではカナダとアメリカのスーセントマリー両方を見ることができる。パスポートなしでも両国のスーセントマリーを見ることができるので珍しい体験ができる。船は100人を乗せることができるが、すぐに満員になってしまうので早めに乗船チケットを予約しておこう。

キングストン
Kingston

オタワとトロントの中間にあるキングストンのニックネームは「The Limestone City」。街ができた当初からある建物の多くがライムストーン(石灰岩)で造られているからだ。
カナダの他の都市とは違って、キングストンは先住民の土地に建てられた都市ではなかった。ヨーロッパ入植者たちが来てから彼らと交易をするために先住民らは現在のキングストンエリアに住居を移したと言われている。

オンタリオの軍事都市

©︎Destination Ontario -Natasha Gerschon

キングストンは軍事都市で、そのルーツはフランスが1673年より軍事要塞を構えたことに由来する。1812年の米英戦争ではアメリカから領土を守るためにフォート・ヘンリーが建てられた。1876年にはRoyal Military College of Canada(カナダ王立士官学校)が創立され、現在でも優秀な士官を育てている。

©︎Destination Ontario

様々な人々が新しいスタートを迎えてきた場所

©︎Destination Ontario – Natasha Gerschon

このエリアにはアメリカ独立戦争後、イギリスに忠誠を維持したロイヤリスト(王党派)たちが黒人奴隷を連れて移住してきた。1850年代ごろにはカナダの西海岸でカナディアン・パシフィック鉄道を建設するために雇われた中国人移民が急増。建設終了後なんとかカナダに居残ろうと、中国人移民たちが目指したのはトロントやキングストンなど東の都市だった。キングストンにはチャイナタウンが作られることはなかったが、たくさんの移民がダウンタウンに住み、互いに支え合っていたという歴史が残っている。その後にはニューヨーク経由で入ってきたドイツからのユダヤ人や第二次世界大戦後に移民してきたギリシャ人たちなどが街を賑わせた。

キングストンの観光スポット

©︎Destination Ontario –
Natasha Gerschon

Kingston Brewing Company

©︎Destination Ontario – Natasha Gerschon

キングストンにあるオンタリオ州最古のブルワリーパブ「Kingston Brewing Company」は今年で創業40周年を迎えた。このブルーパブはブルワリーで作られたビールをその場で飲むという当時では新しいビールの楽しみ方を定着させた。28種類以上のビールを楽しめるほか、食べ物のメニューも豊富。

Kingston Penitentiary

All Photos by ©︎Destination Ontario

Kingston Penitentiaryはカナダ最古の刑務所。1835年に創られたこの場所はおよそ180年もの間厳重警備刑務所として役割を果たし、2013年にその歴史に幕を閉じた。

ここではガイド付きツアーに参加して館内を歩くことができる。刑務所跡地は最近テレビドラマの撮影現場に選ばれることが多く、『Titans』や『Star Trek: Discovery』、『Reacher』、『Mayor of Kingstown』など数々の番組に使われている。

Kingston Trolley Tours

All Photos by ©︎Destination Ontario – Natasha Gerschon

キングストン全体を観光するならKingston Trolley ToursのHop-On Hop-Offオプションがおすすめ。トロリーに乗って観光名所を周るツアーだが、乗り降り自由なので興味のあるところに時間をかけることができる。停車地点はカナダ国定史跡である美しい市庁舎やキングストン刑務所、クイーンズ大学、マーケット・スクエア、フォート・ヘンリーなどなど。カナダの軍事史が学べるフォート・ヘンリーのミュージアムには幽霊がいることで有名。幽霊話が好きな人にはThe Haunted Walkが展開しているゴースト・ツアーがおすすめだ。

All Photos by ©︎Destination Ontario – Natasha Gerschon

おわりに

アウトドアでリラックスムードを味わえるマニトゥーリン島とピーリー島、そしてカナダの歴史を深く学べるスーセントマリーとキングストン。どれもトロントから少し足を伸ばして冒険してみるのにぴったりな場所だ。普段行かないところに行ってみると、カナダの魅力をより一層知ることができるはず。