今年もトロント国際映画祭(TIFF)が9月5日から15日までの11日間にわたり開催される。日本関連作品では、菅田将暉主演の『Cloud クラウド』で黒沢清監督が再びTIFFに選出されたほか、ミッドナイト・マッドネス部門で『ザ・ゲスイドウズ』がワールドプレミアとなる宇賀那健一監督、『ぼくのお日さま』の奥山大史監督、『HAPPYEND』の空音央監督など、TIFFに初登場となる新たな面々が選出されている。そんな今年のTIFFについて、注目作品を紹介する。
さらには今年も、カンヌやヴェネチアなどの映画祭で話題になった作品から、世界各国からの多種多様なワールドプレミア作品まで、300本近い作品が上映される豪華なラインナップとなっている。そんな今年の上映作品の中から、注目の作品を紹介する。
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TIFF注目の日本関連作品
#01 Centerpiece
『Cloud』 原題『Cloud クラウド』
主演: 菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝
転売ヤーを仕事にする男性が、匿名のネット社会で知らぬ間にエスカレートし暴走を始めた憎悪に飲み込まれ、狩りの標的となって狙われていく。『CURE』(1997)、『回路』(2001)、『ダゲレオタイプの女』(2016)、『旅のおわり世界のはじまり』(2019)などの監督作がたびたびTIFFで上映されてきた黒沢清監督が、最新作の主演に菅田将暉を迎え、ヴェネチア国際映画祭でワールドプレミアとなった。日本では9月27日公開予定。北米プレミア。
#02 Midnight Madness
『The Gesuidouz』 原題『ザ・ゲスイドウズ』
主演: 夏子、今村怜央、喜矢武豊、ロコ・ゼヴェンベルゲン、遠藤雄弥
売れないパンクバンドのメンバー4人が、田舎に移住して売れる曲を作れとマネージャーから言い渡される。田舎暮らしを始め、農家の畑仕事を手伝いながら曲作りに励むが、農作業は失敗続きで、新曲は一向に生まれない。苦悩しながら4人で共同生活を続けるが……。『黒い暴動』(2016)で長編デビュー後、『異物-完全版-』(2021)や『悪魔がはらわたでいけにえで私』(2023)などのSF・ホラー系作品が世界各国の映画祭で上映され、注目されてきた宇賀那監督の最新作で、音楽バンドものの青春コメディ。日本では2025年春公開予定。ワールドプレミア。
#03 Centerpiece
『My Sunshine』 原題『ぼくのお日さま』
主演: 越山敬逹、中西希亜良、山田真歩、潤浩、若葉竜也、池松壮亮
冬は学校でアイスホッケーをするのが通例の島で暮らす少年が、東京からやってきたフィギュアスケート選手の少女に惹かれ始める。少年に才能を見出したフィギュアスケートのコーチが、少女とペアで競技大会に出場させようと少年を教え始め、2人の子どもの間に絆が芽生えていくが……。長編デビュー作『僕はイエス様が嫌い』(2018)でサンセバスチャン国際映画祭最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史監督の商業映画デビュー作。今年5月のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でワールドプレミアとなった。日本では9月13日全国公開予定。北米プレミア。
#04 Centerpiece
『Happyend』 原題『HAPPYEND』
主演:栗原颯人、日高由起刀、林裕太、シナ・ペン、ARAZI、佐野史郎
近未来の日本。幼馴染で大親友の男子高校生2人が、ある晩、学校に侵入していたずらを仕掛ける。これに激怒した校長が学校にAI監視システムを導入。この出来事をきっかけに、2人の関係が変化していく。坂本龍一のコンサートドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』で知られる空音央監督の長編劇映画デビュー作。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門でワールドプレミアとなった。日本では10月4日公開予定。北米プレミア。
#05 Platform
『Winter in Sokcho』 原題『Hiver à Sokcho』
主演:ロシュディ・ゼム、ベラ・キム、パク・ミヒョン
韓国北部の日本海に面した観光地ソクチョで厳冬期を憂鬱に過ごす女性が、職場のロッジを訪れた風変わりなフランス人アーティストの中年男性と出会う。妊娠中の母親のもとから去ったフランス人の父親を持つ彼女に、彼との交流が影響を与えていく。福島の立入禁止区域を描いた短編『望郷 Homesick』(2019)で劇映画監督デビューした、パリ生まれでフランスと日本をルーツに持つ嘉村荒野監督の長編監督デビュー作。ワールドプレミア。
TIFF今年の注目作品
今年も、カンヌやヴェネチアなどの映画祭で話題になった作品から、世界各国からの多種多様なワールドプレミア作品まで、300本近い作品が上映される豪華なラインナップとなっている。そんな今年の上映作品の中から、注目の作品を紹介する。
#01 Special Presentations
『We Live in Time』
主演:フローレンス・ピュー、アンドリュー・ガーフィールド
2人の男女が出会って恋に落ちてからの長年にわたる関係性が、3つの年代にわたって描かれる恋愛映画。『レディ・マクベス』(2016)や『ブラック・ウィドウ』(2021)などに出演するフローレンス・ピューと、『アメイジング・スパイダーマン』(2012)や『ハクソー・リッジ』(2016)などに出演するアンドリュー・ガーフィールドの若手人気俳優2人が共演する。『ブルックリン』(2015)や『ザ・ゴールドフィンチ』(2019)のジョン・クローリー監督の最新作。ワールドプレミア。
#02 Gala Presentations
『Megalopolis』
主演:アダム・ドライバー、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル
妻の死に打ちひしがれ、時間と空間を制御できる革新的な建築資材の発明に全精力を注ぐ男。彼が構想する巨大建築を実現するための再開発事業に政府は出資するが、現状維持を望む市長の逆鱗に触れる。他の出演者に、シャイア・ラブーフ、ジョン・ボイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンら豪華俳優が脇を固める。『ゴッドファーザー』(1972)、『地獄の黙示録』(1979)、『アウトサイダー』(1983)などの巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が私財を投じて製作したSF最新作。北米プレミア。
#03 Special Presentations
『Anora』
主演:マイキー・マディソン、マーク・エイデルスタイン、カレン・カラグリアン
ブルックリンに暮らすセックスワーカーの女性が、ロシアの新興富豪の御曹司と恋に落ちるが、権力を持つ彼の家族に2人の仲が脅かされる。『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017)や『レッド・ロケット』(2021)のショーン・ベイカー監督の最新作で、今年のカンヌ映画祭のパルムドール受賞作品。カナダプレミア。
#04 Special Presentations
『Bird』
主演:バリー・キオガン、フランツ・ロゴウスキ、ニキヤ・アダムス
父親と2人で暮らす12歳の少女が、ある日、父親からもうすぐ再婚するつもりだと告げられる。母親は暴力男と暮らしており、父親は少女を愛しているけれども、これから彼女はどうなるのかと怒り傷つくが……。『フィッシュ・タンク』(2009)や『アメリカン・ハニー』(2016)のアンドレア・アーノルド監督の最新作に、『イニシェリン島の精霊』(2022)や『Saltburn』(2023)で注目される俳優バリー・キオガンが主演。今年のカンヌ映画祭コンペ部門の上映作品。カナダプレミア。
#05 Special Presentations
『SATURDAY NIGHT』
主演:ガブリエル・ラベル、レイチェル・セノット、コーリー・マイケル・スミス
1970年代半ばのニューヨークで始まった90分の生放送番組「Saturday Night Live」。ジョン・ベル―シ、ダン・エイクロイド、エディ・マーフィーら、のちに映画で活躍する数多くの若手コメディアンを一躍有名にし、TV界の歴史を変えたこの番組の、初回放送前の舞台裏で繰り広げられていた狂騒を描く。『マイレージ、マイライフ』(2009)、『フロントランナー』(2019)、『ゴーストバスターズ アフターライフ』(2022)などのジェイソン・ライトマン監督の最新作。カナダプレミア。
#06 Special Presentations
『Queer』
主演:ダニエル・クレイグ、レスリー・マンヴィル、ジェイソン・シュワルツマン
メキシコシティで、外国人留学生に交じって退廃的に暮らし、ドラッグを入手しようと街をうろつきゲイバーに出入りしている男性が、年下の青年に溺れていく。米国の作家ウィリアム・S・バロウズが1950年代前半に書いた自伝的長編である同名小説の映画化。『君の名前で僕を呼んで』(2017)、『サスペリア』(2018)、『チャレンジャーズ』(2024)などのルカ・グァダニーノ監督の最新作。北米プレミア。
#07 Special Presentations
『Millers in Marriage』』
主演:モリーナ・バッカリン、ベンジャミン・ブラット、エドワード・バーンズ
音楽に情熱を注ぎ酒に溺れる夫の傍ら、音楽を諦め家庭に入った妻。小説家夫婦で、長年書けない夫に我慢ならない人気作家の妻。彼女らの兄弟で、新たな恋愛関係に悩む男。人生に迷う中年3人のきょうだいを取り巻く群像劇で、他にミニー・ドライバー、ジュリアナ・マルグリーズ、グレチェン・モル、パトリック・ウィルソンなど豪華キャスト。『彼女は最高』(1996)、『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』(2001)、『The Fitzgerald Family Christmas』(2012)などのエドワード・バーンズ監督の最新作。ワールドプレミア。
#08 Centerpiece
『Presence』
主演:ルーシー・リュー、クリス・サリヴァン、カリーナ・リャン
4人家族が新居に引っ越してから、問題が起こり始める。妻は仕事でトラブルを抱え、夫は友人を薬物中毒で亡くして悲嘆に暮れる。家に存在する何かが、一家を脅かしていく。『トラフィック』(2000)、『オーシャンズ11』(2001)、『ザ・ランドロマット パナマ文書流出』(2019)などのスティーヴン・ソダーバーグ監督によるホラー。『ジュラシック・パーク』(1993)を手がけた脚本家デヴィッド・コープが脚本を務める。インターナショナルプレミア。
#09 Gala Presentations
『Nutcrackers』
主演:ベン・スティラー、リンダ・カーデリニ、エディ・パターソン
都会で仕事ばかりの生活だった男性が、田舎暮らしの姉夫婦が事故死したことで、里親が見つかるまで甥っ子たち四兄弟の面倒を見る羽目になる。『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』(2017)や『ハロウィン』(2018)のデヴィッド・ゴードン・グリーン監督によるコメディ。『ズーランダー』(2001)、『ナイト ミュージアム』(2006)、『47歳 人生のステータス』(2017)などのベン・スティラー主演。今年のオープニング作品。ワールドプレミア。
#10 Gala Presentations
『Eden』
主演:シドニー・スウィーニー、アナ・デ・アルマス、ヴァネッサ・カービー
無人島だったガラパゴス諸島のフロレアナ島に、1929年にドイツから夫婦がやってくる。さらにもう1組の夫婦と、豪華ホテルを建設しようとする男爵夫人が愛人や使用人を引き連れて入植してくる。悪天候で物資に窮し、自然の脅威にさらされたとき、自然よりも互いに困窮する隣人が脅威となり始める。史実に基づく物語。『アポロ13』(1995)、『ビューティフル・マインド』(2001)、『シンデレラマン』(2005)、『13人の命』(2022)などのロン・ハワード監督の最新作。他の出演者にジュード・ロウ。ワールドプレミア。
#11 Primetime
『Disclaimer』
主演:ケイト・ブランシェット、ケヴィン・クライン、サシャ・バロン・コーエン
他人の罪を暴く記事で有名になった女性記者のもとに、謎の本が送られてくる。その小説の主人公は若い頃の彼女で、過去の後ろ暗い秘密も描かれていた。誰が何の目的で送ってきたのか。この本が世に出れば、彼女の家族や記者としての名声はどうなるのか……。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)、『ゼロ・グラビティ』(2013)、『ROMA ローマ』(2018)などのアルフォンソ・キュアロン監督によるTVシリーズ。カナダプレミア。
#12 Gala Presentations
『Oh, Canada』
主演:リチャード・ギア、ユマ・サーマン、ジェイコブ・エロルディ
ベトナム戦争の徴兵逃れで米国からカナダに渡った作家が、モントリオールでドキュメンタリー映画監督として名声を得る。今や死の床に伏せる彼のもとに、かつての教え子が取材にやってきて、彼の過去が暴かれていく。『アメリカン・ジゴロ』(1980)、『ドッグ・イート・ドッグ』(2016)、『魂のゆくえ』(2017)などのポール・シュレイダー監督の最新作。米国の作家ラッセル・バンクスの小説「Foregone」(2021)の映画化で、リチャード・ギアが『アメリカン・ジゴロ』以来44年ぶりにポール・シュレイダー監督と組んだ。北米プレミア。
#13 Special Presentations
『K-Pops』
主演:アンダーソン・パーク、ジー・ヨン・ハン、ジョニー・パーク
ミュージシャンでドラマーの主人公が、ポップアイドルとの仕事のため韓国へ渡航し、そこで次世代スター候補の若者に出会う。彼の母親は10年以上前に少しだけ交際していた女性で、その若者は、存在を知らされていなかった彼の子どもだった。グラミー賞受賞ミュージシャンとして知られるアンダーソン・パークの監督デビュー作で、韓国にルーツを持つ彼自身の過去をもとにした物語。実の息子であるソウル・ラシードと共演している。ワールドプレミア。
#14 Gala Presentations
『The Shrouds』
主演:ヴァンサン・カッセル、ダイアン・クルーガー、ガイ・ピアース
4年前に妻を亡くした哀しみから立ち直れずにいる技術者が、仕事に打ち込み、埋葬した遺体が朽ちていく過程を見ることができる装置を開発するが、次第に亡き妻と瓜二つの妹や彼女の元夫なども巻き込んで、危機的な状況に陥っていく。『クラッシュ』(1996)、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)、『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』(2022)などのデヴィッド・クローネンバーグ監督が、2017年に長年連れ添った妻を亡くした経験をきっかけに完成させたSF。北米プレミア。
#15 Special Presentations
『Shell』
主演:エリザベス・モス、ケイト・ハドソン、カイア・ガーバー
歳を重ねて容姿が衰え、仕事が減ってきた女優が、シェルという会社が提供する謎めいた若返りの美容術を受ける。施術は成功して輝きを取り戻し、美貌を保つシェル代表者の女性とも懇意になるが、シェルの研究所では一体何が行われているのか、次第に疑念を抱き始める。『ソーシャル・ネットワーク』(2011)や『バビロン』(2022)などに出演し、『ティーンスピリット』(2018)で監督デビューしたマックス・ミンゲラの監督第2作。ワールドプレミア。
#16 Gala Presentations
『Will & Harper』
主演:ウィル・フェレル、ハーパー・スティール
1995年にサタデー・ナイト・ライブで共演して以来の親友、ウィル・フェレルとハーパー・スティール。ハーパーがトランスジェンダーであることを公表した後、それにより従来の人間関係から疎外されることを心配する彼女に、ウィルは変わらぬサポートを表明しつつ、無自覚に傷つけてしまうことを危惧する。2人は友情を再構築するため、旅に出ることにする。『バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く』(2021)や『スラムドッグス』(2023)のジョシュ・グリーンバウム監督によるドキュメンタリー。インターナショナルプレミア。
#17 Gala Presentations
『The Deb』
主演:レベル・ウィルソン、シェイン・ジェイコブソン、タラ・モリス
オーストラリアの田舎町に暮らす女子高生のところに、都会の高校で人気者だった従姉妹がやってくる。町で催されるダンスパーティーをめぐり、正反対の性格の2人が衝突しながら互いに理解を深めていく。『ピッチ・パーフェクト』(2012)シリーズや『ロマンティックじゃない?』(2019)などに出演するレベル・ウィルソンの監督デビュー作で、オーストラリアのミュージカルコメディの映画化。今年のクロージング作品。ワールドプレミア。
#18 Special Presentations
『Nightbitch』
主演: エイミー・アダムス、スクート・マクネイリー
都会暮らしのアーティストだった女性が、息子を育てるため郊外で専業主婦となる。息子を愛してはいるものの、夫は不在がちで孤独の中、絶え間なく続く育児に疲れ果て、夜になると何かが聞こえたり見えたりし始める。米国の作家レイチェル・ヨーダーによる2021年発表の同名ベストセラー小説の映画化で、『アメリカン・ハッスル』(2013)や『ディア・エヴァン・ハンセン』(2021)のエイミー・アダムスが母親を演じる。『ある女流作家の罪と罰』(2018)や『幸せへのまわり道』(2019)のマリエル・ヘラー監督の最新作。ワールドプレミア。
#19 Special Presentations
『The Room Next Door』
主演: ジュリアン・ムーア、ティルダ・スウィントン、ジョン・タトゥーロ
ベストセラー作家の女性が、かつて記者をしていた頃の友人である戦場特派員の女性が病気で入院したことを知り、見舞いに訪れる。かつての友情が蘇るにつれ、2人の秘密や後悔があらわになっていく。『オール・アバウト・マイ・マザー』(1998)、『ペイン・アンド・グローリー』(2019)、『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』(2023)などのペドロ・アルモドバル監督初の英語作品。北米プレミア。
#20 Gala Presentations
『The Wild Robot』邦題『野生の島のロズ』
主演(声): ルピタ・ニョンゴ、ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ
人間を補助するロボットのロズが、野生動物ばかりが生息する島に取り残されてしまう。指令を受けて動くロボットだが、島には指令を下す人間はいない。そんな中、卵が孵化したときにロズを親と認識したガチョウの子どもを育てることになる。ピーター・ブラウンのベストセラー絵本「野生のロボット」のアニメ映画化。『リロ&スティッチ』(2002)や『ヒックとドラゴン』(2010)などのクリス・サンダース監督によるドリームワークスのSF冒険アニメーション。ワールドプレミア。
#21 Special Presentations
『The Life of Chuck』
主演: トム・ヒドルストン、キウェテル・イジョフォー、カレン・ギラン
チャールズ・クランツという名のどこにでもいそうな普通の会計士の男の人生を描く、スティーヴン・キングの小説集「If It Bleeds」に収録された同名中編小説の映画化。他の出演者に、ジェイコブ・トレンブリー、マーク・ハミルなど。『ジェラルドのゲーム』(2017)や『ドクター・スリープ』(2019)などスティーヴン・キング原作の映画化に携わってきたマイク・フラナガン監督が、再びキング原作の映画化に挑む。ワールドプレミア。
#22 TIFF Docs
『Your Tomorrow』
1971年にオープンしたオンタリオ・プレイスが建物の老朽化による大規模な改修工事に入る直前の姿をとらえたドキュメンタリー。再開発への抗議活動を行う地域住民、以前と変わらず散歩する人、湖で遊ぶ人、湖岸で栽培するトマトの様子を見に来る人など、ありし日のオンタリオ・プレイスの姿を後世に残すドキュメンタリーとなっている。トロント出身のドキュメンタリー映画監督アリ・ワインスタインの最新作。ワールドプレミア。
#23 Gala Presentations
『Harbin』 原題『하얼빈』
主演:ヒョンビン、パク・ジョンミン、チョン・ヨビン、イ・ドンウク
1905年に日本との条約で外交権を奪われ、植民地化された韓国。1909年には、日本人に抵抗する反乱軍を組織しつつあり、ハルビンで初代韓国統監の伊藤博文の暗殺計画を企てる。大ヒットTVシリーズ『愛の不時着』(2019)のヒョンビンや、『密輸1970』(2023)のパク・ジョンミンらが出演している。『インサイダーズ 内部者たち』(2015)や『KCIA 南山の部長たち』(2020)のウ・ミンホ監督の最新作。ワールドプレミア。
#24 Gala Presentations
『Meet the Barbarians』 原題『Les Barbares』
主演:ジュリー・デルピー、サンドリーヌ・キベルラン、ローラン・ラフィット
ウクライナ難民の受け入れ準備をしていたフランスの小さな町に、ウクライナ難民ではなくシリア難民の家族がやってくる。町の人々と移住者がともに暮らすうち、互いに先入観を見直さざるを得なくなる。『トリコロール 白の愛』(1994)や『恋人までの距離』(1995)をはじめ数多くの作品に出演し、『ニューヨーク、恋人たちの2日間』(2012)や『My Zoe』(2019)などで監督・脚本・主演を務めるジュリー・デルピーの監督最新作。インターナショナルプレミア。
#25 Special Presentations
『The Order』
主演:ジュード・ロウ、ニコラス・ホルト、タイ・シェリダン
1983年に太平洋岸北西部で銀行強盗や車強盗が頻発。FBI捜査官は、白人至上主義集団による犯行と見て、熱心な地元保安官の協力のもと、捜査を開始する。ケヴィン・フリンとゲイリー・ゲアハードによるベストセラーノンフィクション「The Silent Brotherhood」の映画化で、FBI史上最大規模の捜査活動を描く。『マクベス』(2015)、『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』(2019)、『ニトラム NITRAM』(2021)などのジャスティン・カーゼル監督の最新作。北米プレミア。
#26 Special Presentations
『Without Blood』
主演:サルマ・ハエック・ピノー、デミアン・ビチル、フアン・ミヌヒン
20世紀初頭、人里離れた農場に息子と娘と3人だけで暮らす医師に復讐するため、武装集団がやってくる。銃弾が飛び交う中、医師は必死で子どもたちを守ろうとする。何年ものち、宝くじ売り場の男のもとに女性がやってくる。イタリアの作家アレッサンドロ・バリッコによる同名小説の映画化。『トゥーム・レイダー』(2001)、『チェンジリング』(2008)、『エターナルズ』(2021)などに出演し、『最愛の大地』(2011)や『最初に父が殺された』(2017)を監督しているアンジェリーナ・ジョリーの監督最新作。ワールドプレミア。
#27 Special Presentations
『Hard Truths』
主演:マリアンヌ・ジャン=バプティスト、ミシェール・オースティン
カンヌ映画祭でパルムドールに輝いた『秘密と嘘』(1996)や、『ターナー、光に愛を求めて』(2014)、『ピータールー マンチェスターの悲劇』(2018)などで知られるマイク・リー監督が、『秘密と嘘』でアカデミー助演女優賞にノミネートされたマリアンヌ・ジャン=バプティストやミシェール・オースティンと再び組み、ロンドンに暮らす黒人家族を描く。ワールドプレミア。