新たな挑戦 鶏と野菜のラーメン屋|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第28回

新たな挑戦 鶏と野菜のラーメン屋|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第28回

バンクーバーで新たなチャレンジ

 前回のコラムでは、ニューノーマルを再認識し、コロナの第二波やDine-inのクローズも含めて、これが「日常」と改めて腹をくくった話をしました。自分にとっての日常とは、日々変わらない単調な毎日というよりも、どちらかと言うと変化の連続で、どうしても刺激を求めてしまう習性のようです。そもそも、後先かんがえずに「ラーメン王になる」とか、ノリでぶち上げてしまう性格なので、一度きりの人生、どこまでやれるか試してみたいと常日頃おもっています。成功の裏には成長があり、成長の裏には失敗があり、失敗の裏にはチャレンジあり、という事で、今日はコロナという日常の中での新たなチャレンジのお話です。

濃厚なトリパイタンスープ+野菜のポタージュを合わせた「トリポタ」ジャンル「TORIZO ramen bar」をオープン

 10月某日、バンクーバーにて「TORIZO ramen bar」がオープンいたしました。何もこんな時にとお思いになるかもしれませんが、僕もそう思います。しかし、コロナ前に物件を契約していたので、やるしかない状況でした。ただ、やるからには本気です。カナダにはないラーメンを、カナダで一番のラーメン激戦区・バンクーバーのダウンタウンで勝負します。

 どのあたりがカナダにないラーメンなのかと言いますと、濃厚なトリパイタンスープに、野菜のポタージュを合わせた「トリポタ」というジャンルで、見た目も鮮やかなビーツや芽キャベツにライム、パプリカにパクチーなどを使用した違うスタイルのラーメンを提供いたします。この鶏と野菜のラーメンを通して、毎日食べられる、飽きの来ない、健康なラーメンというものを世の中に問うてみたいと思っています。

ラーメン=不健康というイメージの一新を目指す

 このコラムでもおなじみの、日清食品の創業者にしてチキンラーメンとカップヌードルの産みの親・安藤百福氏は、50年間、昼は毎日チキンラーメンを食べていましたが、96歳まで元気に過ごしたといいます。また、最近では「毎日ラーメン健康生活」という、その名の通り毎日ラーメンを食べ歩くYouTuberのSUSURUくんが、毎日ラーメンを食べて1800日を超えるなど、ラーメンが不健康というイメージをひっくり返す機運が高まってきているように感じます。

 有名店の店主やラーメン評論家がお亡くなりになると、「ラーメンが死因ではない」というような生前のメッセージが発せられるのがお決まりで、年間300~400杯のラーメンを食べるラヲタ(ラーメンオタク)もざらにいる世界で、そういったラーメン関係者の涙ぐましい努力や活動とは裏腹に、ラーメン=不健康のイメージが一向に拭えないのはなぜなのか。それなら、そんなラーメン屋を作ってしまおう。といった具合で出来上がった「TORIZO ramen bar」です。
 
 ラーメン以外のおつまみも豊富で、ハウスメイドのフルーツビネガーを使用したオリジナルカクテルなども用意しております。まだまだうんちくはいくらでも語れるのですが、それでは世間のイメージは拭えないのは承知です。ということで、機会がありましたら、是非一度お試しいただければと思います。