ジェイソン・ライトマンのライブリード|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第39回】

ジェイソン・ライトマンのライブリード|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第39回】

 お正月休みの個人的恒例行事として前年に観た映画を振り返り、それを紹介するこのコーナーも、いつのまにやら4回目。これって、みなさん興味あるんだろうかと疑問に思いつつ、今年もやりますマイベスト披露。

 毎回言い訳してるような気がしますけど、こういう映画を好むヤツが書くからこんな連載になるんだってことを理解してもらう良い機会かと思います。そんなわけで今年も懲りずにいきます、2022年に観た新作316本からマイベスト10作品。

 昨年観た中で、文句なしに大好きなのが『ロスバンド』です。ノルウェーの田舎町に住む少年が親友とバンドを結成し、ロック大会への出場を目指して会場へ向かうロードムービー。少年少女のかわいらしくも真剣な悩みを追いながら、遭遇する道中のハプニングに笑みがこぼれ、最後は清々しい気分になる、楽しい青春映画でした。

『秘密の森の、その向こう』は、映像が脳裏に焼き付くようで忘れがたく、選ばずにはいられませんでした。『RRR』『トップガン マーヴェリック』『NOPE ノープ』『The Fablemans』は、どれも映画を観る楽しさを思う存分味わわせてくれる作品で、スクリーンで観た後の満足感が格別でした。

『マイスモールランド』『ファイブ・デビルズ』『オートクチュール』は、それぞれ主人公が置かれた状況や社会問題の中で語られる青春物語が印象に残りました。最後の『荒野に希望の灯をともす』は、アフガニスタンで長年にわたり用水路建設に尽力しながらも2019年に凶弾に倒れた中村哲医師のドキュメンタリーで、その功績に敬服するばかりでした。

 今年も順位付けしましたが、これは映画の良し悪しとは関係なく、あくまでも私の好みの順番です。今後もまた、こんな好み全開で連載を書いていきますので、お付き合いいただければと思います。