ドラえもんのいない春|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第21回】

ドラえもんのいない春|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第21回】

 2年前の3月に『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の話題から始まったこの連載も、早いもので3年目に突入しました。トロントで発行されている雑誌の連載なのに、日本で上映される映画ドラえもんの話題からスタートしたのかよ?とか、月イチ連載が3年目に突入なら今回は25回目のはずなのに、まだ21回目ってことはサボりすぎじゃないか?とか、ツッコミどころ満載ですが、とにかく3年目です。

 この節目を機に初心にかえり、再び今年の映画ドラえもんの話を…(なんでやねん)、と思ったら、今年の3月5日(金)に日本で公開が予定されていた『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』は公開延期になってしまいました。新型コロナウイルスの感染状況を鑑みた決定です。

 実は昨年の『映画ドラえもん のび太の新恐竜』も、当初は2020年3月6日(金)に公開予定だったところが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大を受けて公開が延期されました。日本ではちょうどこの頃から学校が休校になり、少しずつ世界が変わり始めていました。そして4月上旬の緊急事態宣言を受け、日本の映画館は全国的に約2ヶ月間休館。公開が延期されていた『のび太の新恐竜』は、感染状況が少し落ち着きを見せていた8月7日(金)に公開されました。その後、年末からの感染の急拡大を受け、今年の1月上旬に再び緊急事態宣言が出されます。これは当初2月7日までとされていましたが、1月末でも一向に収束の兆しは見えず、『のび太の宇宙小戦争2021』も延期が決まった、というのが日本での1月末までの経過です。

 世界を見渡すと、北米をはじめ映画館での映画鑑賞が当たり前だった地域で、この1年は映画館がほぼ休館したまま、といったところもあります。それに比べると日本の映画館は、まだ影響が小さかったと言えるのかもしれません。それでも、毎年春になると目にするのが当たり前だった映画ドラえもんが、2年にわたって春の映画館から消えてしまうなんて、やはりとんでもない異常事態です。来春こそ、ドラえもんが映画館に戻ってくることを祈るばかりです。