新年明けましておめでとうございます。本年もTORJAの読者の方々が「お、なになに」と手を止めて読んで下さるような、興味深い内容の記事を書けるように尽力致します。宜しくお願い致します。
さて今年の3月でパンデミックが発生してから早3年が経ちます。その間、移民・ビザに関することも沢山の変化が見られました。今月号ではこれまでの経緯を振り返ってみると共に、現状についてもお話します。
パンデミック中にみられた移民局の変化
移民局(IRCC)はパンデミックに陥ってから、様々な影響をカナダ滞在者にもたらしました。その具体例としては:
● パンデミックの被害を受けた人たち(PR申請済みの方々や特定のビザ保持者など)向けのPublic Policyが沢山臨時発足し、特別な恩恵を受けた。
● パンデミック中に臨時オープンした、TR to PRプログラムにおいて、(通常Express Entryでは移民申請ができない職種も含めた)沢山の移民申請を受け入れた。
● カナダ国内から移民・ビザ申請をされる人たちのBiometrics取得が免除になった。
● Citizenship申請における知識テスト、宣誓式がオンラインで行われるようになった。
● Express Entryにおける審査の遅延が深刻化し、一時的にProvincial Nominee Program以外のプログラムのSelectionが行われなくなってしまった(現在は再開済み)。
● PRカードを発行しているSydney, Nova ScotiaにあるIRCCオフィスにおける人員不足が深刻化しており、カード発行まで4〜6ヶ月を要することも度々あった。
● Work Permitカナダ国内申請の審査が大幅に遅延となり、通常では2ヶ月程度で発行されるビザの発行が6、7ヶ月を要することも多々あった。
このように、良い結果もあれば、悪い結果もありました。いずれにせよ、これらの事実は移民局が如何にパンデミックの影響を受けたかを表していると感じています。これらの移民局の変化に何らかの影響を受けた方もTORJAの読者でいらっしゃるかもしれません。
パンデミック中にみられたお客様からのご相談の変化
弊社宛にお客様から寄せられるご相談内容も、パンデミックに陥ってから大きな変化が見られるようになりました。その具体例としては:
● PRカードを更新するにあたり、申請日から遡って過去5年間の間に最低でも合計730日はカナダに滞在する、というResidency Obligationを満たしていないのでどうすれば良いですか、というご相談の数が劇的に増加した。
● パンデミックを期に日本に帰国し、規制中につき日本へ渡航できないカナダ人配偶者との仲が悪化し、これからどうしてから良いか分からない、というご相談を頂くようになった。
● 日本のパンデミックに対する政策、カナダのパンデミックに対する政策を比較し、このまま日本に住んでいてもいいのか、或いはこのままずっとカナダで暮らした方が良いのではないかと考え始めた方々からの移民のご相談を頂くようになった。
● 駐在員の方々から個々に移民申請のご相談を頻繁に頂くようになった。特にお子様を日本の教育方法で育てたくない、と感じる方がその主たる理由であった。
● いつまたパンデミックに陥っても不思議ではないので、可能な限り早く両親をカナダに呼び寄せたいと考える人が増えた。
● PRカードを更新し続けるよりも、カナダ国籍を取得した方が良いのではないか、というご相談を頂くようになった。
● Express Entryを通して個人移民申請をしたいが、パンデミックの影響により不況のためスキルを要する仕事に就けず、申請条件を満たすことが難しかったというご相談を受けた。
● 現在日本に家族(配偶者・子供)と共に暮らしており、キャリアも夫婦共にあるが、セカンドキャリアとしてカナダに家族で引っ越したい。パンデミックなので色々と制限がある中、どこからどのようにしてプランを立てたら良いか(カナダにおける求職も含め)というご相談を頻繁に受けるようになった。
● カナダは現在医療関係のスタッフが不足していることもあり、研究員を含む医療留学を志望される方が増加した。
などが挙げられます。特にSponsorship申請や、PRカードのご相談は本当に多く、昨年は驚きました。恐らくパンデミックで同居中・遠距離恋愛中のカップルの絆が強まった、或いはそれとは正反対で長期間離れたことでカップルの溝が深まってしまったことが原因なのではないかと思います。
2023年は移民局に関わること全てが穏やかで安定したな一年になるよう、願ってやみません。重要なことが起きた場合には、記事にてご案内致します。改めまして、今年も一年宜しくお願い申し上げます。