【一度は食べたいアルバータ牛】恵まれた土地が生む最高品質|特集「そうだ、カルガリーに行こう」

【一度は食べたいアルバータ牛】恵まれた土地が生む最高品質|特集「そうだ、カルガリーに行こう」

広大な土地に肉牛専業生産者を多く有するのがアルバータ州だ。Statistics Canadaによると、2023年上半期のアルバータ州における牛の供給量は675万7000頭。2022年同時期よりも微減したが、それでもカナダの牛の供給量約44%を占めており、カナダの牛と言えばアルバータ牛であると言っても過言ではないほどその存在感は大きい。

1874年に最初の牛が州に持ち込まれ、優れた品質のヨーロッパ種から大半が交配して生まれた。それ以降、最高品質の牛肉をカナダ国内、そして国際市場へと届け続けている。アルバータ牛を〝最高〟だと言わしめるのは、気候、最新テクノロジー、そして厳しい管理方法にある。

アルバータ州は気候と地理的条件に恵まれている。乾燥していると空気中の水分が少なく、病気のリスクが軽減されるために牛の健康が保たれる。また、最高品質を保つために放牧が必須だとされているが、草地の栄養が豊富で牛の食事には最適だ。牛肉の品質をより良いものにするため、健康や食事のチェックが必要だ。定期的な確認に最新技術が欠かせない。

また、牛肉の飼育、加工、流通に厳格なガイドラインを設けているアルバータ州では、最終的にマーケットに流れる牛肉の品質を固く保証する流れが出来上がっている。霜降りや食感、色などを評価する厳格なシステムによって肉が格付けされ、これにより高い水準の牛肉を消費者の元へ届けているのだ。

さらにアルバータ牛を他の牛肉と異なるものにしているのが、飼料だ。アルバータ州の畜産農家たちは、一般的な牛の飼育で使われるトウモロコシではなく大麦やライ麦のような弾力性のある穀物を飼料にしている。ビタミンやミネラル、タンパク質を多く含んだ穀物が牛をより健康にさせ、脂肪が均等に分布されたり風味を濃厚にさせたりなど安定した品質づくりを可能にするのだ。

畜産農家によって丁寧に飼育されたアルバータ牛は鉄分、亜鉛、タンパク質、ビタミンBなどの栄養素を豊富に含んでいるという特徴もある。

脂身が少なく赤身が多い牛肉は、火を通しても硬くなりにくいというほど肉質が柔らかい。じっくり焼いてステーキにし、ジューシーな肉とグレイビーソースを一緒に食べるのはもちろんおいしい。

プライムリブで肉の塊をじっくりオーブンで調理して、じわっとあふれ出す肉汁と一緒に口に運ぶのもたまらない。

食べる人たちに幸せを運ぶかのような最高レベルの牛肉、アルバータ牛。国際的にも高く評価されているのは、生産者たちの長年の努力や政府のサポートがあってのこと。アルバータ州に足を運ぶ際は、ぜひ一度食べてみたい。