未知なる世界は想像力と 面白さに溢れている!宇宙とカナダ・トピック23|見えざる世界に今年大注目!宇宙特集

未知なる世界は想像力と 面白さに溢れている!宇宙とカナダ・トピック23|見えざる世界に今年大注目!宇宙特集
 2021年大注目の一つが「宇宙」だ。見えざる宇宙を眺めているとその神秘に吸い込まれそうになる。今年3月9日は惑星群がカナダ上空でみれるかもしれないし、夏にはペルセウス流星群を目撃できるかもしれないという。

 また「宇宙」と言えばその分野で世界のリーダーであるのがカナダだ。カナダと「宇宙」は関係が深い。NASAと宇宙庁の合同プロジェクトではカナダ人宇宙飛行士が月を目指すアルテミス計画が進んでいる。火星との縁もあればトロント大学やゲルフ大学も宇宙に大きく貢献している。さらにはカナダの農業の技術が宇宙で役立つ日も来るかもしれないとされる。カナダアームやデクスターで知られるロボットは宇宙産業で大きく活用されている、などなど「宇宙」とカナダにまつわる23のストーリーをお楽しみください。

01
アルテミス計画で、カナダ人の宇宙飛行士が月へ!?

 近い将来、ついにカナダ人の宇宙飛行士が月へ向かうということが注目を集めている。アメリカのNASAが計画する「Artemis II(アルテミス2号)」と呼ばれるプロジェクトに、カナダから宇宙飛行士が一名参加するというのだ。NASAとカナダのCSA(宇宙庁)がタッグを組んだ今回のプロジェクト。「Gateway Treaty」と呼ばれる契約のもと、カナダが月へのミッションに参加することが決定したのだそうだ。

 このアルテミス2号は、より大規模なNASAの「Artemis Program(アルテミス計画)」の一環として遂行される。アルテミス計画は、1972年以来初めての有人月面着陸を目指すと同時に、「2024年までに女性宇宙飛行士を月面に」という目標も掲げているという。アルテミス計画のもと、「アルテミス1号」「アルテミス2号」「アルテミス3号」の三つのロケットが宇宙を目指し、最初の「アルテミス1号」は2021年後半に発射される予定。「アルテミス1号」は無人で、このミッションが成功すれば有人の「2号」と「3号」が続く、ということだ。2023年に宇宙に向け出発することが予定されている「アルテミス2号」。「アルテミス2号」が月の周りを飛行した後、「アルテミス3号」が1972年以来となる有人月面着陸を目指す。

 カナダといえば、1980年代より9名のカナダ人宇宙飛行士が合計17回も宇宙へと旅立っている。しかし、月面を目指すのは今回が初めて。「アルテミス計画」が成功すれば、人の月面着陸を成功させた国としてお隣アメリカに次いで二カ国目となるため、世界中より大いに期待が寄せられている。

02
上空に見える惑星群!?

 2021年にはカナダ上空に「惑星」の集まりが見えるかもしれない。報道によると、その日は今年の3月9日ごろの早朝に惑星群が見えるのだとか。このように三つの惑星が揃って目撃できるのは2015年に金星、木星、火星が揃った時以来のことだそうだ。日の出直前の東方の空に左から水星、木星、土星、月の順に並ぶという。比較的大きい木星や土星は目にすることが簡単であるものの、水星まで見るのは難しいそう。また、双眼鏡や望遠鏡などを使えば木星の「月」に当たるガニメデなども目にすることが出来るかもしれないとのことだ。

03
2021年は流星群に期待!?

 今年はペルセウス座流星群にも期待が高まっている。その理由として、天気が例年よりも良いことなど好条件が揃っていることが挙げられるそうだ。こちらは惑星群とは違い、夏の間に目撃することが可能。中でも、7月中旬から8月下旬までが特に期待できる時期だという。2016年にもカナダ上空に大規模な流星群が目撃されたことがあり、今回も好条件の下似たような光景が見られることが期待されている。その日の天気や雲の量など、好条件が揃えば1時間におよそ100もの流星が見られるのだとか。

04
カナダから来た「宇宙飛行士」であり「音楽家」!?

 クリス・ハドフィールドと呼ばれる、カナダ人宇宙飛行士をご存知だろうか。現在は既に引退しているものの、かつて国を代表する宇宙飛行士として大いに活躍していたハドフィールド氏。そんなハドフィールド氏は異色の経歴の持ち主で、宇宙飛行士でありながら音楽家でもある。彼がキャリアの間に宇宙へと向かったのは3回。その都度、自身のギターを持ってロケットに乗り込んだそうだ。さらに驚きなのが、宇宙での滞在期間中にも音楽制作に取り組んでいたということ。国際宇宙ステーションに滞在していた最中に録音した曲もリリースしているという。

05
トロント大学とブラックホール

 人工知能をはじめ、様々な技術の研究開発で有名なトロント大学。「宇宙」もまた、トロント大学が大いに貢献している分野の一つだ。中でも、キャンパス内にある展望台「David Dunlap Observatory」にある望遠鏡が世界で初めてブラックホールの証拠を掴んだのだとか。そんな歴史的イベントがあったのは1972年のこと。X線の源であるCygnus(はくちょう座)X-1と呼ばれるものがこの展望台にて観測された。このX線は星がブラックホールに吸い込まれる際に出される「屑」の集まりだと言われていて、この出来事がブラックホールの存在を確かにするために重要な役割を果たしたという。

06
火星にある「カナダ」

 火星にある様々な「くぼみ」。クレーターとも呼ばれる無数の「くぼみ」には、様々な名前が付けられている。しかし、これらにはカナダにまつわる名前や地名が多く付けられていることはあまり知られていないのではないか。国立公園で有名なアルバータ州の「バンフ」をはじめ、カナダのほとんどの州から地域の名前が取られているという。また、2012年にはノースウェスト準州の「イエローナイフ」の名前が付けられたクレーターも。2017年にはウェスタン大学の学生が火星のクレーターに名前を付けたこともあり、火星にはカナダと様々なゆかりがあることが明らかだ。

07
カナダの「腕」?

 「カナダの腕」とも訳すことができる「Canadarm(カナダアーム)」。その名の通り、カナダの研究者たちにより開発された機械の「腕」であり、1981年より宇宙の舞台で活躍している。開発された当時は、カナダとNASAの宇宙研究における強力な関係の第一歩とも言えたのだとか。開発されてから30年、なんと90もの宇宙旅行に携わり、宇宙飛行士を自身の「腕」でサポートしたという。衛星などの飛行体を捕まえるだけでなく、なんと国際宇宙ステーション(ISS)の建築にも携わったのだとか。地球上の重力だと30トンもの物を持ち上げることが可能だというカナダアーム。これから数多く予定されているミッションにおける、カナダの「腕」のさらなる活躍が期待されている。

08
ゲルフ大学と宇宙と農業

 カナダにおける農業の技術が宇宙で役に立つ日が来るかもしれない。ゲルフ大学は、将来宇宙における農業を実現させるべく研究を進めている。具体的には、土を必要としない「水耕栽培(Hydroponics)」と呼ばれる技術だ。宇宙では不可能とされていた「農業」だが、将来的はこの方法を用いて宇宙に滞在している宇宙飛行士の食料確保に役立てる計画だという。

 さらに、「カナダ」という極寒の地ならではの研究らしく、「宇宙の環境に似ている」とも言われている極寒のヌナブト準州にて宇宙に見立てた環境における栽培の実験が行われている。現在はレタス、トマト、きゅうりなど比較的小さい野菜の栽培を行っているらしく、これからこの技術がさらに発展することが期待されている。

09
マニトバにあるロケット発射台

 ロケットの「発射台」と言うとアメリカのイメージが強いのではないか。しかし、発射台はかつてカナダにも存在していた。マニトバ州のチャーチルには「フォート・チャーチル」の名前で親しまれているロケット発射台があった。1954年にオーロラに関連する研究のために建設されたフォート・チャーチル射場。使用されていた当時は、大気圏における研究に活用されていたという。しかし、1998年を最後に使用はされていない。現在では既に「引退」しているものの、観光地として訪れることは可能。カナダにおける「宇宙」の歴史に触れるのにはうってつけの場所だ。

10
「オーロラマックス」プロジェクト

 カナダの名物とも言える「オーロラ」。その映像を撮影したり、宇宙におけるその他様々の研究にも一役買っているプロジェクトが「オーロラ・マックス(AuroraMAX)」だ。オーロラに関する写真やデータを収集している、オーロラ・マックス。ただ、これらだけにとどまらず、太陽の写真や、宇宙における天気の観測なども行っているそうだ。

 カナダの宇宙庁(CSA)のみならず、カルガリー大学、イエローナイフ市などが連携して進めているこのプロジェクト。ネット上では、オーロラ・マックスが撮影したオーロラの中継映像をリアルタイムで見ることも可能だそうだ。旅行が出来ない今だからこそ、「オーロラ・マックス」の力を借りてオーロラを楽しんでみては?

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