未知なる世界は想像力と 面白さに溢れている!宇宙とカナダ・トピック23|見えざる世界に今年大注目!宇宙特集

未知なる世界は想像力と 面白さに溢れている!宇宙とカナダ・トピック23|見えざる世界に今年大注目!宇宙特集

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「タイムゾーン」が標準化された場所はカナダだった!?

 トロント大学が貢献しているのはブラックホールの発見だけにとどまらない。トロント大学にある天文台は1839年に設立され、カナダにおける最古の科学機関と言われている。地球の磁気や磁場を観測する重要な役割を担ったこの天文台。ここで集計された観測やそれに基づいた計算が功を奏し、1876年には「時間帯」が標準化されたのだとか。今では「タイムゾーン」の名前で知られている「時間帯」。現代では当たり前のように使われている「タイムゾーン」だが、それが作られる過程においてカナダが重要な役割を果たしたとは驚きだ。

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カナダ出身の「Dextre」

 国際宇宙ステーションにおいて重要な役割を担っているロボット「Dextre(デクスター)」。カナダで生まれたこのロボットは、まるで人間のように二本の腕を有し、地球から遠隔操作されている。デクスターは、宇宙という過酷な環境において宇宙飛行士や研究者の負担を減らすべく、宇宙船の外での活動を担当。機械の修理や設置、実験など、重要であると同時に過酷でもある任務を果たしているという。また、デクスターには「腕」の他にも「鼻」のようなセンサーもついていて、アンモニアなどの漏洩も感知。このように多方面から宇宙飛行士の安全を確保しているという。カナダアーム(Canadarm)と共に様々な作業を行なっているそうだ。全長は4mほどで、重さはなんと1700kgにも及ぶのだとか。

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モントリオールのベンチャー企業が惑星の発見に貢献?

 モントリオールのベンチャー企業が開発した高性能カメラがNASAの活動に貢献している。モントリオールに拠点を置く「Nüvü Cameras」は全く光がないようなところでも画像を記録することが可能。今まで困難とされていた太陽系の外に位置する惑星の発見に役立っているのだとか。また、同企業が開発したこのカメラは、2025年に出発が計画されている宇宙船に搭乗する予定だそうだ。

 地球以外に生命体を保有する惑星を発見すべく、その活躍が大いに期待されていることは明白。しかし、関係者によると、この「高性能カメラ」は未だ開発途中で、これからも画質など技術がさらに進歩することが期待されている。

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密かにカナダも参戦していた「宇宙開発競争」

 「スペース・レース(The Space Race)」とも呼ばれる宇宙開発競争といえば、アメリカとロシアの印象が強いのではないか。しかし、カナダはこの宇宙開発競争に参加した第三の国とも言えるそうだ。1962年に衛星「アルエット1号」を打ち上げたカナダ。この「アルエット1号」は、アメリカと当時のソ連以外の国家が手掛けた世界初の衛星だったそうだ。

 カナダの宇宙における進歩はそれだけに止まらない。1972年には、通信衛星の「アニク」も打ち上げた。以来、ロボットの開発を中心に「宇宙開発」には意欲的であり続けているカナダ。これらの「トリビア」からもわかるように、宇宙におけるカナダの活躍にはこれからも目が離せない。

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イヌイットの名前で宇宙へと

 カナダにおける「宇宙開発競争」において大きな役割を果たしたのが、1972年に打ち上げられた通信衛星の「アニク(Anik)」だ。「アニク」は1972年に打ち上げられた物をはじめ、一連の通信衛星を指している。2020年現在もまだ、いくつかの「アニク」が大気圏の周りを飛び回っていて、カナダ国内におけるテレビ、音声、データの通信に重要な役割を担っているのだとか。中でも、オタワに拠点を置く「Telesat Canada」の通信を可能にしている「アニク」。名前の「アニク」はイヌイットの言葉で「弟」を意味するのだそうだ。

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カナダ上空の出現した「UFO」の謎に迫る

 現れる度にテレビやニュースに取り上げられ、話題になる「UFO」。その話題性はカナダも例外ではない。1967年にはノバ・スコシア州のシャグ・ハーバー上空に多数の光が目撃され、多くの人が飛行体を目にしたのだとか。その後、目撃されたとされる「飛行体」は水に墜落。しかし、調査するも墜落したとされる「機体」は発見されることなく、「UFO」として処理されたのだとか。現在、シャグ・ハーバーにはこの「UFO事件」を記念した場所があり、未だにカナダの歴史上に残る「UFO・ミステリー」として知られている。

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ベインズ氏の後任やいかに?

 カナダに「宇宙庁」があることは有名だ。しかし今回、2021年1月12日まで「Minister of Innovation, Science and Industry(訳:革新、科学と産業の大臣)」として役割を果たしたナブディープ・ベインズ氏が政治家として引退する旨を発表。

 ベインズ氏のもとで、カナダは宇宙における開発やさらなる技術進歩を支援すべく多額の資金を投じている。「カナダ・スペース・ストラテジー(Canada Space Strategy)」と呼ばれる政策を発表したのもベインズ氏自身だ。

 ベインズ氏は中でも、カナダの工学や人工知能などの卓越した技術を強調。この政策を通じ、カナダ全国民への発展についても言及している。後任を務めるのは今まで外務大臣を務めてきたフランソワ・フィリップ・シャンパーニュ氏。シャンパーニュ氏のもと、カナダの「宇宙」分野におけるさらなる活躍が期待されている。

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宇宙の「ゴミ」問題を解決すべく

 「NorthStar Earth & Space(ノーススター・アース・アンド・スペース)」という名のベンチャー企業が注目を集めている。カナダを拠点に、事業を展開しているこの企業。この企業が取り組んでいるのは、宇宙において問題になっている「デブリ」の課題。「デブリ」とは「ゴミ」のような物で、地球の周りや宇宙を飛び回る衛星やロケットの残骸が「デブリ」として無重力空間に浮遊しているのが現状だ。

 この課題に立ち向かうべく、この企業は衛星に搭載する独自のセンサーを開発。12の衛星が連携しながら宇宙空間に浮遊する「デブリ」を感知。2022年までに打ち上げを開始し、2024年までに全ての衛星の打ち上げを完了させる予定だ。他の衛星などの軌道に危険を晒しかねないデブリを感知し、地球上にある機器に情報を発することで衛星などが衝突する危機を防ぐことが
期待されている。

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宇宙における「食」の問題に立ち向かう

 カナダの宇宙庁(CSA)が宇宙における「食」の問題に立ち向かうべく、コンペが開催される。2021年1月に発表されたばかりのこのコンペ。コンペは「Deep Space Food Challenge」と呼ばれ、アメリカのNASAと協力しつつ、企業や個人から革新的な解決策を募るという。アイデアの提出期限は、2021年7月30日まで。コンペは三つのフェーズに分かれていて、それぞれのフェーズにて合格・不合格が決まるのだとか。また、合格したアイデアには投資もされるというので、宇宙における課題に対するアイデアを持っている人は是非チャレンジしたいコンペだ。最終的に選ばれた企業や団体には、38万カナダドルが与えられるという。

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衛星からの映像

 「北のシリコンバレー」としても知られるウォータールー。ここを拠点にするベンチャー企業が注目を浴びている。「SkyWatch Space Applications」と呼ばれるこの企業。衛星により収集された地球の映像やデータを、アプリやソフトなどのデベロッパーが取り込める機能を開発した。EarthCacheと呼ばれるこの機能。API(Application Programming Interface)の一つで、ユーザーよりはデベロッパーに向けたソフトのような物なのだとか。様々な企業と協力して、データが一箇所に収集された「EarthCache」。より包括的な、そして標準化されたデータを供給するのが目的だという。

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