【インタビュー】日本人女子プロサッカー木﨑あおい選手「AFCトロント」で挑む “今しかない”海外挑戦

【インタビュー】日本人女子プロサッカー木﨑あおい選手「AFCトロント」で挑む “今しかない”海外挑戦

浦和レッズレディースユースからなでしこリーグ、WEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)、そしてマレーシアを経て、今はカナダ・トロントへ。「AFCトロント」の一員としてプレーする木﨑あおい選手は、サッカーを通じて国境を越え、自分の「いま」を生きている。
「勝てないときこそ、信じたことをやり抜く」─ その姿勢は、異国のピッチでも変わらない。環境も文化も異なる土地でチャレンジを続ける彼女に話を聞いた。

浦和から世界へ。
「文句じゃ変わらない」 逆境との向き合い方

ーサッカーと出会ったきっかけを教えてください。子どもの頃、何があなたを夢中にさせましたか?

父と兄がサッカーをしていたのがきっかけです。昔から負けず嫌いな性格で兄にもついていっていました。サッカーを始めてからも、周りの男の子に負けたくない気持ちが強く何よりボールを蹴る楽しさが私を夢中にさせてくれていました。

ー浦和レッズレディースユースに進むまでの道のりで、今も心に残っている言葉や体験はありますか?

「良い行いをしていれば神様は見ているよ」と両親がよく言っていた言葉はとても心に残っています。サッカーでも普段の生活でも良い行いをしていることで後でいつか帰ってくると信じて行動してきました。

ーなでしこリーグやWEリーグでの経験の中で、特に自分の転機となったクラブや試合について教えてください。

「ちふれASエルフェン埼玉」に所属していた時の経験です。何より当時の監督だった菅澤大我さんに出会えたことが大きな転機となりました。今までのサッカーに対する考え方や取り組み方、サッカー選手としてどのような振る舞いをするべきかさまざまなことを教えていただきました。

ー勝てなかった時期や悔しさを、どう乗り越えてきましたか?自分なりの向き合い方があれば教えてください。

自分の信念や決めたことを信じ続けることです。一度決めたことはやり続ける。やはり勝てない時は人のせいや環境のせいにしたくなる時もあります。時に文句などを吐き出すことも大事ですが、文句を言ったところでなにも変わらないのは事実です。とにかく自分のメンタルを変えず、今やるべきことを最大限やることが大事だと思います。

マレーシアからカナダへ。迷いなき海外挑戦の舞台裏

©TOKYO VERDY

ー2024年のマレーシア、そして今年2025年はカナダでプレーされています。なぜ「海外」を選んだのでしょうか?その決断に迷いはなかったですか?

©AFC Toronto

今まで「なでしこリーグ」、「WEリーグ」とさまざまなチームに移籍してきました。いつかは海外でプレーしてみたいという気持ちがずっと心に残っており、年齢や所属クラブでのポジションなど色々なことを考えた時に「今しかない」と思い、チャレンジしました。迷いはなかったです。移籍はタイミングと運もありますし、よく両親が言っていた、「なるようになる」という言葉を信じてトレーニングに励んでいました。

ー海外クラブでの初ゴールや初出場の瞬間、どんな気持ちでしたか?

©AFC Toronto

初出場した時は多くの観客の方に来ていただき、とても楽しかったです。いよいよこれから始まるなという気持ちでした。カナダでも少しでも認知され、日本人プレーヤーもなかなかやるな、と思ってもらえるようなプレーを続けていきたいです。
初ゴールはとてもリラックスして試合に入ることができ、良い位置にボールがこぼれてきたので練習の時のイメージでシュートをしました。ゴールに吸い込まれていったので、正直打った本人が1番びっくりしました。日本でもあのようなゴールは決めたことがないのでとても嬉しかったです。

ーマレーシアやカナダで女子サッカーに関わってみて、日本との違いや可能性をどう感じましたか?各国の女子選手たちと接する中で、印象的だった言葉やプレースタイルはありますか?

©TOKYO VERDY

日本との違いはやはりフィジカル面が大きく違います。日本はテクニック面や組織的な動きで賢いチームや選手が多いですが、海外では足が速い選手やフィジカルがとても強い選手が多いです。その環境に適応することが最初はなかなか上手くいかず難しかった部分でもあります。

©AFC Toronto
©AFC Toronto

また監督によっても大きく変わってくる部分なのでサッカーはそこが難しく面白いとあらためて感じています。

「日本人であることが誇り」カナダ生活と、自分を大切にする生き方

©AFC Toronto

ーカナダ・トロントでの暮らしはどうですか?

最初来た時は寒すぎてびっくりしましたが、トロントはとても過ごしやすく気に入っています。カナダ最大の都市なのでダウンタウンに行けば何でも揃いますし、日本食も手に入ります。また多文化なので色々な食材やレストランが多いのがとても良いですね。
物価も日本と大きくは変わらないですし、日本に住んでいた時のような暮らしをしています。
私は自然や田舎がとても好きなのでお休みの日に公園にお散歩へ行ったり、カフェに行きリラックスしています。

ー言葉や文化の違いにぶつかることもあるかと思いますが、自分なりの「乗り越え方」があれば教えてください。

©AFC Toronto

無理をしすぎないことです。「海外で生活している私はすごい!」と自分を褒めてあげて、「生きているだけで偉い!」と言い聞かせて頑張りすぎないようにしています。ネガティブな感情を持っていてもどんどん悪い状況になってしまうだけなので、辛い時は自分の好きなことをして切り替えるようにしています。

ー10代の頃の自分に今、声をかけるとしたらどんな言葉を伝えたいですか?

©AFC Toronto

「一つ一つの言葉や行動を気にしすぎずに毎日を楽しんで!」と声をかけたいです。やっぱり10代の頃の経験や学校生活は戻ってこないのでシンプルにサッカーだけに囚われずに、色々なことにチャレンジして楽しんで欲しいです。

ー将来的に、日本と海外のどちらで自分のキャリアを築いていきたいと考えていますか?

©AFC Toronto

将来のことはまだそこまで考えていないです。だけどカナダへ来て日本のことが好きな人が多かったり、抹茶が好きな人が多かったり、日本人であることをとても誇りを感じます。大まかですが、海外で日本の文化を広めたり、日本に遊びにくる観光客の人たちに少しでも日本の良さを知ってもらえるような活動をしていきたいと考えています。

【取材協力】

J Athletics Canada
「スポーツは武器になる」をモットーに、トロントを拠点にスポーツの教育的価値を大切にしながら、多世代・多国籍が交流できる日本語スポーツコミュニティー。スポーツを通じた人づくり・地域づくりを目指し、子どもからシニアまでがレベルに応じてスポーツを楽しめる場づくりを展開中。

カナダトロントのスポーツコミュニティーイベント
AFC Toronto × Japan Community Outing

夏休み開催予定。
詳しくはJACインスタグラムをフォローして下さい!