People.22 vol.2「自分を成長させて くれる楽しくて厳しい環境」平山ななみさん|カナダで挑戦する若者

私が今、最も楽しんでいると同時に最も苦労しているクラスはMusic Business Practicumである。このクラスは全セメスターを通して行われ、音楽業界で遭遇するのと同じようなネットワークやビジネスの経験を得ることができる。前回のコラムでも述べたが、私はレコード会社のソーシャルメディアマネージャーのポジションを獲得することができた。

基本的な仕事としては、毎週行われる会議に出ることはもちろん、InstagramとTwitter、Facebook、TikTokのSNS運用・管理、コンテンツ戦略などを行っている。私と同じポジションの子がもう一人いるのだが、その子の存在は本当に大きく様々な面で助けてもらっている。その中の一つに投稿のキャプションの書き方がある。私が書くと硬い文章になりがちでネイティブの表現を使いこなせずとても丁寧だが親しみはゼロ、みたいな内容になってしまう。そのため、毎回キャプションを書いた後に確認してもらいアドバイスを貰う。自分が情けなく感じることもあるが、毎回ポジティブな言葉で自分を鼓舞してくれ、私の心の支えになっている。

今まで様々なコンテンツを考えてきたが、その中でもグラミー賞を盛り上げるためのプレゼント企画は多くの人に参加してもらいフォロワーも増えた。内容としては、主要4部門において、ノミネートされている中から誰が受賞するのか予想し、それをコメント欄に書いて最も近かった人にプレゼントを贈るというものだ。ほぼ全員が予想を外し、近い人がいないという、恐れていたことが起きたがなんとか上手くまとめることができた。

この小さいコミュニティーの中でもコミュニケーション面において様々な問題が起き、周りの協力が必要不可欠であることを痛感している。それを乗り越えていくことで、音楽業界のことだけでなく、人との関わり方についても学ぶことができている。「自分の思うこと、やりたいことをチャレンジしていいんだよ。」と背中を押してくれる環境が今ここにあることを当たり前と思わず、少しずつレベルアップしていけたらと思う。実際に社会に出たときには、この経験の間に選択し実行に移した行動の一つ一つを思い出し、それらを大切にしていきたい。