People.19「海外経験を経て起業を経験」岩井隆浩さん|カナダワーホリを超えた今

カナダワーホリを終えて30代を走り抜ける

 私は現在東京で治療院を経営する会社とヘルスケアベンチャーの2社を創業して役員を務めています。山形生まれ東京育ちの私は治療系の資格を取得した後トロントに渡りました。理由は大きく3つ。

英語で治療できるようになりたかった…可能性を高める為には英語で海外のクライアントを担当することが必須と考えていました。私はダンサーの治療を専門にしていたので、どこにいても他人種の治療に入れるチャンスがあります。その時に目の前のチャンスを失いたくなかったのです。

ダンスがもっと上手くなりたかった…トロントには実はコアなダンス通が知るコミュニティーがあるのです。アートが沢山あってアーティストも多いです。そしてたまたま私が好きなダンスカルチャーがそこにありました。その人たちからさらに自分が上手くなれるようにエッセンスを吸収したい。そう思ったのです。

海外の生活を経験したかった…日本だけでなく、海外のどこでも住んでやっていける実力が欲しかったのです。そして日本との違いを知ることで可能性を高めていきたいと考えました。

“なにもないところからのスタート。”

 当時知り合いが居て、夫婦でビザが取れて、鍼灸ができてビジネスチャンスがある。この条件を整理したらカナダのトロントしか残らなかったのです。

“なぜトロントだったのか?”

 新婚旅行でハワイ1週間、ヨーロッパを1ヶ月周りおよそ貯金を使い果たしてトロントに辿り着きました。手に技術があるのでどうにでもなると思っていたところもあったのかもしれませんが、はじめは大変に苦労しました。

 それでも動いていると人は助けてくれるもので、段々と課題をクリアすることで最終的にはおよそ全ての課題は解決していきました。すべての友達とダンス、そして治療技術があったことに感謝です。

 はじめはうまくいかないことがほとんどですが、色んな人に出会い話していくと自分がなにが得意でどんなことができるのか、気がつくようになります。そしてそれを大切にしながら努力した先に自分のストーリーは切り開かれていくものだと学びました。

 今は会社を経営しながらプロジェクトをまわして忙しくしていますが、原点はここにあると確信しています。トロントで出会ったすべての人に感謝しかありません。人生において特別で貴重な時間を得たと思っています。1年間で日本にいる10倍は思い出があるんじゃないかと思うくらいとても濃い1年でした。とても1年間しか住んでいないようには思えません。またいつかトロントに渡り、自分の治療院を現地にも出せないものか?と考えています。いつか実現させます!