People. 14 映像クリエイターTakaomiさん「ワーホリで身につけた”生きるための力”」|カナダワーホリを超えた今

 私は現在、東京でフリーランスの映像クリエイターとして活動しています。トロントでの経験を経て、フリーランスで働くために必要なマインドセットを身に着けることができたと思っています。

 日本の映像専門学校を卒業したものの就職先が見つからず、どうしようかと思っていたのが23歳のころ。海外に長期滞在し、英語を話せるようになって帰ってきたら仕事が見つかるかもしれない、という思いでワーホリを使いカナダに行ったのがきっかけでした。

 カナダに行ってからは「日本での制作経験も乏しく、異国の地で言葉もままらない状態で、自分に何ができるのか?」と悩み苦しみながらも、がむしゃらに映像を作っていました。

 当時はまだインスタグラムが全盛の時代で、映像によるプロモーションは今ほど主流ではなかったのですが、トロントでの日系イベントや日本食レストランを映像で発信するメディアを立ち上げ、精力的に制作を続けました。

ワーホリで身につけた”生きるための力”

 私自身の力不足で、メディアの運営自体は思っていたように行きませんでしたが、その経験で身につけた「1から企画を立てて映像を作り、SNSでの反応を見ながら作り方を修正していく」やり方は、今でも自分の映像制作において芯となる考え方になっています。

日本に帰国してからはNewsPicksやハフポスト、新R25など大手ネットメディアの映像を手がけるようになり、ビジネス書「ハートドリブン」のPR映像はTwitterで100万回再生を突破しベストセラーになるなど、トレンドの流動性が高い時代にも適応できる力が身についたのは、間違いなくカナダでの経験のおかげです。

 「個の時代」の到来と言われて久しい今の世の中ですが、右も左もわからぬ異国の地での挑戦はまさにそのような「個人の力」を試し、そして鍛える絶好の機会。その時には結果がついてこなかったとしても、経験は必ず自分の糧になり、より大きなステージで活躍するチャンスが来ます。もし今、このコラムを読んでいてワーホリを迷っている人がいるなら、臆することなく飛び込んでみればいい。私も今は国内で活動していますが、いずれはまた、何もわからぬ新たな世界に飛び込みたいと思っています。