トンガの海底火山噴火と津波警報令|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第115回】

 日本の沿岸部を襲う津波。東日本大震災津波のように、日本近郊の海域で起こる地震によるものが多いのですが、先日日本から遥か離れた南太平洋のトンガ諸島で発生した海底火山の大規模噴火によって、日本にも津波が押し寄せました。日本の沿岸部の多くに津波注意報が出され、岩手県には津波警報が発令。真冬の真夜中の発令という事で、岩手県の沿岸部の皆さんは避難に大変苦労しました。

避難警報を伝える防災無線スピーカー
避難警報を伝える防災無線スピーカー

 岩手県の真冬の夜の気温は暖かい沿岸部でも氷点下。さらに雪も降ります。当然避難所には事前にストーブはついていません。温かい布団から飛び出して凍える気温の中寒い避難所に行く、という決断は人の心を惑わせます。

 しかし津波警報です。さらに、今回一番大変だったのは、普通、津波警報が出る状況は、かなり大きな地震がその前に体感であり、「やばい」と思って避難警報を見て、避難しなければとなるのが普通です。

 今回はトンガでの海底火山の噴火ですから、日本は全く事前に地震を感じていません。しかし、そんな何も前提がない状態でいきなり「津波警報発令」が出ます。避難指示もでて、いったい何がおこっているの??というのが本音です。

 若い人や情報を得られる人はすぐにトンガの海底火山噴火のものだ、と理解できるのですが、お年寄りや情報が少ない人はすぐには「非難しないと」という気持ちになれません。実際に今回の津波警報で岩手県沿岸部の方々で避難所に避難した割合はたったの4%でした。

 真冬の夜中、地震が事前に起きていないなど、今までと全く違う状況での津波警報でしたので仕方ありませんが、それでもここは東日本大震災津波の悲劇をつい10年前に体験した場所です。そんなところでも、前提条件の違う避難指示や警報にはなかなか対応しきれないのだと痛感しました。

 今回は幸いなことに大きな津波は来ませんでしたが、それでも1メートル程度の津波は押し寄せたとのこと。今回の「避難しなくても大丈夫だったね」という変な成功体験が今後に悪い影響を与えないかとても心配です。

 コロナが日本では収束している時期の出来事でしたが、もしコロナが蔓延している状況ならばさらに避難所に行くのが嫌だ、となる人も出るでしょう。しかし、津波から助かる方法はたった1つ、それは「高台に逃げる」だけです。

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