就職活動に関してネット等では「こうすべき」「すべきでない」といった情報で溢れていますが、もしかしたら採用担当者から見れば選考結果とは関係ない、または誤った情報かもしれません。今回は求職者が勘違いしがちな就活神話をご紹介します。
一番スキルのある候補者が採用される
業務を遂行するためのスキルが重要なのはもちろんですが、候補者の中で一番できる必要があるかといえばNo。企業は社内文化やその他の条件に合う人を探しています。即戦力となる候補者の中に社内文化に合う人がいなければ、ポテンシャル採用も十分ありえるのです。
できるだけ多くの求人に応募すべき
YesともNoとも言えます。可能性を広げるために手当たり次第応募するのも一つですが、採用されること自体がゴールではありません。入社後に後悔しないよう、量より質を重視して自分に合った仕事、会社に応募しましょう。
同じ職種または業界での経験がないと採用されない
求人広告の長いRequirementsリストを見て諦めていませんか?資格の必要な仕事などを除き、多くの会社は同職種、同業界での経験を絶対条件にはしていないようです。ただし、これまでの経験から得たスキルを活かして業務を遂行できることや、違うフィールドに挑戦する意欲をアピールし、採用担当者を納得させる必要があります。
レジュメはユニークで目立つデザインが有利
デザインの仕事でなければこれは誤り。目立つことと良い印象を与えるかどうかは別の話。レイアウトはシンプルで読みやすく、フォントは「Arial」や「Calibri」といった一般的なものが良いでしょう。
面接には30分前に着くと良い
到着が早すぎると逆に悪い印象を与えます。会社を訪問するのは予定時間の5分~10分前が適切。早めに家を出発し、会社の周辺で時間になるまで待ちましょう。
レジュメは1ページでまとめるべき
伝えるべき情報が入りきらないのに無理やり1ページに凝縮する必要はありません。ただし長くても2ページには収まるようにしましょう。
エントリーレベルの仕事で給与交渉はすべきでない
エントリーレベルでの給与交渉には注意が必要ですが、他の似たような求人と比べるなどして待遇が適切でないと思ったなら交渉の余地はあるでしょう。
大卒でないと就職は難しい
職種にもよりますが、最近は大学やカレッジ以外でも必要な知識や技術を習得できる機会があります。学歴ではなくスキルを評価する会社も多くあります。
インターネットでしか求人情報は見つからない
カナダでは知人の紹介やイベント等での出会いから仕事を見つけることもけっこうあります。人脈を広げることで良い仕事に巡り会えるチャンスも増えるでしょう。
デキル社員の特性
近年、採用活動や人事評価において「コンピテンシー(Competency)」が注目されています。コンピテンシーは日本語で「能力、適格性」となりスキルと混同されがちですが、スキルは業務を遂行するのに必要な能力であるのに対し、コンピテンシーは仕事での高い成果に繋がる行動・思考特性のことを指します。
つまり、スキルのある社員が、高い業績を上げるためのコンピテンシーを持ち合わせているとは限らないのです。今、最も求められているコンピテンシー7つを紹介します。
1. 立ち直る力
人間誰でも失敗を経験しますが、原因や誰が悪かったのかといったことを長時間考え込まないようにしたいもの。失敗に理由付けするよりも、解決策に注力し失敗から学ぶことのできる人が求められています。
2. 結果にフォーカスする力
タスクを完璧にこなすことよりも結果を出すこと。
3. 企業家精神
勤め先を自分自身の会社のように考えることで、業務の簡素化や改善のアイディアが活発に出てきます。一般に、企業家精神を持つ人は次の3つの特徴があるとされています。①ポジティブシンキング(努力が結果に繋がると信じている)、②自信と勇気がある(恐れと向き合うモチベーションを見つけられる)、③体系的思考力がある(明確なビジョンがあり、それを達成するためにきびきび働く)。
4. 決断力
ビジネスプロフェッショナルたちは組織にとって最良の決断を正確かつ迅速に下さなければなりません。こういった状況で各々が躊躇せずに考えて行動することが促され、自信やクリエイティビティが向上するというメリットがあります。
5. 共感力
企業で働いていれば社内、社外を問わず周りの人との関係構築は避けて通れません。同僚との良い関係は職場の雰囲気や日々の業務の改善に繋がります。
6. 自己認識力
誰にでも強みと弱みがあり、全てにおいて完璧な人は存在しません。ビジネスプロフェッショナルは自身の限界やモチベーションの源を知っておく必要があります。
7. 交渉や対立の解決能力
交渉は時に複雑化、また長期に渡ることもある難しいプロセス。交渉力の有無は仕事の成果に直結します。