ジャパニーズカレーと聞けば、どこか懐かしい味を思い浮かべる人も多いだろう。だが、その“定番”を、魚屋さんが本気で組み立てるとどうなるのか。
ベースとなるのは、マグロの骨から丁寧に引いた澄んだ出汁。そこに、海老の頭と殻をバターとニンニクでじっくりと炒め、旨みを引き出した濃厚な層を重ねていく。いわゆるアメリケーヌのアプローチを思わせる、奥行きのある設計だ。
さらに、飴色になるまで火を入れた玉ねぎとにんじんが、自然な甘みを加える。そこへ加わるのがホッキ貝。コリッとした食感とともに、海の香りをさりげなく引き上げる。さらに、さつまいもが、やさしい甘みで全体をまとめていく。
のカレーの核にあるのは、和食の料理人・まさとさんの考え方だ。素材を一体化させるのではなく、それぞれを別々に仕込み、最後に一つにして仕上げる。だから、味が濁らない。
出汁の輪郭、海老のコク、貝の食感、野菜の甘み。すべてが順番に立ち上がり、口の中で重なっていく。

最初に感じるのは、やわらかく広がる出汁の印象。続いて、海老の深いコクと香ばしさ。最後に、シーフードそれぞれの甘みと食感が重なり、静かな余韻を残す。
ごろりと入るシーフード。海老、貝、魚。それぞれがしっかりとした存在感を持ちながら、ひと口ごとに違う表情を見せる。魚屋だからこそ手に入る素材。料理人だからこそ引き出せる構成。シーフードの旨みが幾層にも重なった、完成度の高いカレーだ。Taro’s Fishウッドバイン店のランチ・スペシャルメニューとして不定期で提供されている。

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