こんなところも あんなところもイイ!だからカナダが好きなんです!|特集「MY TORONTO 2023」

 突然ですがみなさん、カナダは好きですか?留学、移住、仕事など、さまざまな理由で日本を離れ縁あってカナダで暮らしている私たち。カナダは移民に優しい、暮らしやすいなどポジティブな意見が多いように思います。

 そんなカナダ、実は国際的に人気も評価もかなり高い国なんです。US News & World Reportによる2021年の「世界最高の国ランキング」で、なんと1位の座に輝いています。2022年には3位に順位を落としたものの、依然として世界トップレベルの国であることは間違いありません。

 今回は、カナダの何がすごいの?ということで、カナダが“最高”である証拠を集めてみました。これを見たら、もっとカナダを愛さずにいられない!

1-1.世界最高の国3位 順応性や雇用は世界1位!

 US News & World Reportが毎年発表している「世界最高の国ランキング」。「文化的影響力」、「クオリティ・オブ・ライフ」など10部門での総合スコアを元に順位を決めている。2021年、カナダは堂々の1位を獲得した。特に経済安定性や治安などをみる「クオリティ・オブ・ライフ」と、人権や人種の平等性などを含む「市民の権利」部門でトップの座につき、住みやすい国であることを証明したと言えるだろう。ちなみに同年2位は日本だった。

 2022年のランキングでは1位をスイスに明け渡し3位に転落してしまったカナダだが、トップ3も十分に誇ることができる。また、いくつかの部門では世界一であると評価されていることは説明しておきたい。例えば俊敏さを表すアジリティの1つの指標である「順応性」。変化し続ける環境に素早く順応し進歩し続けられるかという点で世界で唯一100点満点を獲得したことは、国としてかなり魅力的と言える。

また「汚職のなさ」でも見事100点のスコアを出した。実はこのカテゴリーはカナダを含む10カ国が100点、そして99.9点の国も多数いるため、カナダだけが特別良いということにはならない。

それでも国として“クリーン”であることを堂々と証明した。さらに「雇用市場」でもなんと満点を獲得し、同じく満点のドイツと共に世界1位に輝いている。十分な雇用機会と魅力的な職が豊富に市場にあるという点が評価されたようだ。

1-2.フレンドリーさもトップクラスの5位

 惜しくも世界1位とはならなかったが、トップ5に入ったカテゴリーについて紹介しよう。まずはアジリティ部門で3位に選ばれた。先述した「順応性」で100点の評価を受けたことから明白だが、カナダはめまぐるしく変わる環境にもうまく対応することができると評価されている。

次に旅行などに関連した「冒険的な観光資源」部門の「フレンドリー」指標で、他の国と僅差で5位にランクイン。誰に対しても親しみやすい雰囲気があちらこちらで感じられるというのは、カナダを人気国にしている1つの大きなポイントかもしれない。その他、「経済安定性」でも3位の高評価を受けた。

1-3.アンチ差別 人種の平等性3位

 カナダといえばいろんな人種の人が住む、多様性にあふれた社会も魅力の1つだ。「人種の平等性」というカテゴリーにおいて、98.6点とほぼ満点に近いスコアでトップ3に入った。黒人差別問題やアジア人差別など人種差別について世界中で問題になっているが、カナダは世界的に見ると差別が少ない国だと言われている。Statistics Canadaによると、2021年のカナダ人口の約70%が白人、黒人は約4%、アジア人は約17%、ラテン系が約2%を占めた。多様な人種が共存する社会において、例えばブリティッシュ・コロンビア州は2022年6月に「反人種差別データ法」を施行し、人種差別に対処するための法律的アプローチを始めた。オンタリオ州でも数年前から「反人種差別戦略的プラン」を打ち出すなど、国全体で平等な社会をつくることに努めていると言える。

1-4.ほぼ満点! 宗教の自由も2位

 多国籍国家であるということは、それだけ宗教の数も多いということ。そんなカナダは「宗教の自由」というカテゴリーでほぼ満点に近い99.8点で2位になった。Statistics Canadaが2021年に公表したデータによると、カナダ人口の6割以上である63.2%がキリスト教徒である。割合としては少なくなるが、ムスリム教やヒンドゥー教、仏教、ユダヤ教、そしてその他までさまざまな宗教を信仰している人も一定数いる。それぞれの宗教によった料理、イベントなどを尊重する文化が根付いており、自由に宗教を信じることができる。

2.世界で人気者 他国からの評価世界1位

 「世界最高の国」とはまた別に、こちらも嬉しい1位だ。なんと2021年、「世界で最も評価されている国」の座に輝いている。世界の先進国の人気・評判を評価するReputation Instituteによる毎年の調査によるランキングで、カナダはフレンドリーさ、汚職のなさ、政府の活発さ、移民受け入れ、社会的サポートシステムなどのカテゴリーで高評価を獲得。世界に対する大きな貢献度はさほど大きくないというマイナス評価もあったものの、総合的に見て他の国から高い評価を受けている事実は変わらない。2021年だけではなく、2011年から2013年、2015年、2017年にも同じ評価で世界一だったこともあり、カナダは世界的に“最高の国”であると言えるのではないだろうか。

3.さすが移民の国!世界7位の多様性

 カナダが誇れるもの、それは多様性のある社会だと言えるだろう。Rickshaw Travelが2019年に発表したデータを見てみると、世界で最も多様性に富んだ国ランキングで7位にランクインしたカナダ。このデータは「民族多様性」、「移民の数」、「話されている言語数」など8つのカテゴリーを数値化して評価された。移民数でいうと、2021年には人口の約4分の1である23%にあたる830万人以上が移民(永住権者含む)となった(Statistics Canadaによる)。23%という数字は1921年の22.3%を抜き最高の記録であり、G7の中でも最も高い割合だった。

 政府は2025年までに過去最高となる移民数を受け入れる計画を発表しており、ますます国内で多国籍化が進むと考えられる。

 また、カナダで話されている言語数は190以上とみられている。公用語である英語とフランス語の他、移民たちの母国語、そして先住民族の50を超える言語が含まれている。街で聞こえる言語が多様性にあふれているのはカナダの特徴であり、カナダでの暮らしをより楽しいものにしてくれる要素だと言えるだろう。

4.国の将来は明るい!レベルの高い教育人口世界トップ

 教育は国にとって最も重要な要素であるといっても過言ではない。その分野で、カナダが世界一に輝いている部門がある。それは「世界で最も教育水準の高い人口&高等教育を受けた国民の割合が多い国」ランキングだ。

 2022年のOECDレポートによると、カナダは人口の60%が高い教育を受けている。その中でもオンタリオ州にはトロント大学、クイーンズ大学など国際的にも高い評価を受けた教育機関もあるためか、その割合が70%にのぼる。

 我々日本人からすると日本が世界2位であることも誇らしいが、カナダはその日本に7%の差をつけている。OECDによれば、世界平均は39%でカナダよりも20%も低い。世界トップレベルの高い教育を受けることができるカナダは、国として魅力と将来性があると考えることができるだろう。

5.キャリアは世界一のカナダから!人材の宝庫&ビジネスフレンドリー

 続いて経済面からデータを見ていく。「世界最高の国」ランキングを発表しているUS News & World Reportの分析で、「キャリアを始めるのに最適な国」としてカナダが1位に選ばれた(2022年)。良い雇用市場や起業家精神、進歩的な経済が評価された形である。

 また、世界1位にはならなかったものの、fDi Intelligence Global Cities of the Future(Financial Times発行)の報告書の中でトロントは海外直接投資をするのに適した主要都市第4位だった。海外直接投資とは、海外で経営参加や技術提携を目的にする投資のことを指す。

 トロントが選ばれた理由は、スタートアップ企業を支援するビジネスフレンドリーかつ多くのテクノロジー企業がビジネス展開している環境、4000以上のテック系スタートアップと数十万ものテック関連労働者の本拠地である点、教育水準が高く、STEM(科学・技術・工学・数学)分野の卒業生が多数いることから人材の宝庫であることなどが挙げられた。つまり、経済的ポテンシャルを国際的に認められているということになる。

 もともとオンタリオ州自体が移民受け入れとイノベーションの中心地であることなどが評価されており、未来のグローバル都市と呼ばれるほど注目され続けている。

6.女性にもLGBTQにもベストな社会堂々の世界1位

 ジェンダー分野を見ていこう。Global Government Forumの報告書によると、2021年から2022年にかけた女性リーダー指数において、カナダはG20のトップに立った。公務員のトップ層で女性が51.1%占め、G20の中で唯一男女の割合がほぼ同じだった。ちなみにG20の平均は29.3%。10年前に同指数を評価し始めた当初からカナダはすでに45%という高い水準を見せていたが、そこから10年かけて徐々に割合を増やし、ついに50%の壁を超えたという背景がある。一方の日本はどうかというと、平均よりもずっと下、下から2番目の19位(5.3%)という低い水準を見せている。

 ここでLGBTQにも触れておきたい。ゲイ向け旅行ガイドを発行しているSpartacusが毎年発表している「ゲイ旅行指数」によると、2021年に最もLGBTQの人が旅行に行って安心できる国1位に選ばれたのがカナダだった。この指数は「反差別の規制がある」、「同性婚やパートナーシップ性を認めている」、「性転換の権利」などのカテゴリーから、「同性愛が違法」、「死刑」などマイナス面まで17の分野を指数で評価し、総合点で順位を決めている。カナダは反差別の法規制がある点や、クィア(性的マイノリティ)の受け入れ体制を含め十分なLGBTマーケティングがあることなどで高く評価されている。2005年に世界で4番目に同性婚を全国で合法としたり、2017年からはパスポートでF(女性)でもM(男性)でもない「X(エックス、第3の性)」を選択できるようになったり、毎年夏に「Pride Parade」というLGBT文化をたたえるパレードが大々的に開かれたりと、性的マイノリティに寄り添う政策や文化が広がっている。

7.やっぱり安心が一番~トロントが世界2位

 住む上で治安の良さについて考えずにはいられない。特に治安が良いと知られる日本で生まれた私たちだからこそ、治安の良さを重要視する人も多いだろう。The Economist Intelligence Unitによる安全な都市指数に関するレポート(2022年発表)を見てみると、カナダからはトロントが第2位にランクインした。これは5位の東京を抜いて安全度が高いと評価されている。レポートでは、スリなどの被害も確認されてはいるものの、国際的に見るとその割合は少なく、タクシーや公共交通機関を利用した観光ができ非常に安全であると考えられると評価された。1位であるコペンハーゲン(デンマーク)との評価指数の差はわずか0.2であり、世界で最も治安の良い国と言っても間違いではない。

8.いろんな料理が楽しめる世界一豊富な食事はトロントで

 移民の多いカナダでは、多国籍の料理を楽しめるのも一つの楽しみだ。そんなカナダNo.1都市であるトロントが、食の幅の広さと多様性で高い評価を受けている。

 Chefs Plateというデリバリー会社による調査では、世界の各都市でトップ20のレストランを分析したところ、トロントでは20店舗の中になんと12カ国の料理が含まれていた。2位のカイロ(エジプト)とソウル(韓国)はそれぞれ9カ国の料理、ニューヨーク(アメリカ)やホーチミン(ベトナム)など3位の都市は8カ国であり、いかにトロントの12という数字が多様性に富んだ食文化を表した数字であるかがわかるだろう。