実は注目の1本『映画ドラえもん のび太の月面探査記』|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部

実は注目の1本『映画ドラえもん のび太の月面探査記』|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部

(※こちらは2019年3月にTorjaに連載されたものを転記しています。)

 大阪在住の映画好き、みえです。ただの映画ファンですが、映画が好きすぎるあまり、10年くらい前から一観客としてトロント国際映画祭の上映を見に行っています。それが縁で、映画コラムを書かせていただくことになりました。私の好みにまかせ、たぶん多くの人にはどうでもいいような映画のお話をすることになると思いますが、暇つぶし程度にお付き合いいただければと思います。

 さて、映画コラムと言っても何から書こうかなと思ったら、毎年恒例の『映画ドラえもん』が今日から公開されますね。…と、いきなりトロント在住の方を完全に無視した話題ですが、まあ映画に興味のない方でもドラえもんの話なら通じるだろう!ということで、『映画ドラえもん』を選んでみました。

 今春の『映画ドラえもん』は、『のび太の月面探査記』です。昔、月の裏側には文明があると言われていて…というところから、月の裏側を舞台に冒険が繰り広げられます。

 実はこれ、私の注目の1本です。というのも、今年の『映画ドラえもん』では、なんと直木賞作家の辻村深月さんが脚本を書いています。

 辻村深月さんは、ドラえもん好きで知られています。初期の小説『凍りのくじら』なんて、各章のタイトルがひみつ道具の名前になっていて、ドラえもん愛にあふれています。また、この方の小説の多くでは、たくさんの登場人物が仲間同士で活躍し、伏線の張りめぐらされた物語が展開します。この辺が、まさしく『映画ドラえもん』との共通点。『のび太の魔界大冒険』に代表される初期の『映画ドラえもん』の感動を、辻村深月さんなら再現してくれるのではないか?と期待させられます。

 そんなわけで、今年は久しぶりに『映画ドラえもん』を見に行きたいな…と思っています。目下の悩みは、普段映画を一人で見に行く私、親子連れの観客に交じって、不審者と思われないだろうか?ってこと。まあでも、映画コラムを書くことになったのを言い訳に、取材で見に来たフリをしようかな。