レギンス一枚履きはなぜ人気になったのか|特集「カナダの“なぜ”に迫る」

@fringinto
@fringinto

 海外では年齢を問わず、ボトムスにレギンスやヨガパンツだけを履く一枚履きファッションが人気。日本でもレギンスを履いている人はいるけれど、スカートやショートパンツと合わせて履くスタイルが一般的で、一枚履きをしている人は中々いないだろう。

 もちろんトロントでも一枚履きスタイルの人は必ずと言っていいほどみかける。しかし、もう季節は冬、気温もマイナスを下回り、いくら何でも一枚履きでは寒くないのだろうか・・・一枚履きスタイルについての疑問は絶えない。今回は流行りだした理由から、冬でも愛されるその魅力まで、一枚履きスタイルのなぜに迫る。

一枚履きスタイルはカナダから始まった!

 一枚履きスタイルの原点は、バンクーバーに拠点を置くヨガウェアブランド、ルルレモンが発売したヨガパンツだと言われている。ヨガパンツの発売でルルレモンが火を付けたスポーツウェアを日常的に着るスタイルは、アスレチック(Athletic)+レジャー(Leisure)で「アスレジャー」と呼ばれるようになり、今では一過性のファッショントレンドを通り越して、スタンダードなカジュアルウェアとして普及している。

レギンスやヨガパンツはボトムスではない?着用を禁止する学校も…

 美しいデザインではあるけれども、体のラインが強調されたそのスタイルには批判もあったようだ。体にぴったりとフィットしたヨガパンツやレギンスは、お尻や太ももなどのラインがくっきりと出すぎてしまうため、他の人が目のやり場に困るなどの理由でこれまで議論の的になってきた。

 カナダもその例外ではなく、いくつかの学校では、ヨガパンツやレギンスはドレスコードにそぐわない、ボトムス扱いにはならない、などの理由で一枚履きを禁止するところもあった。着用を禁止する学校側に対して、今まで愛用してきた服を着用禁止にされた側の生徒は、自分の好きな服を着ているだけだと主張し、一枚履きスタイルを貫いたり、反対の署名を集ったりするなど学校側に反抗し、ニュースでも取り上げられるほど話題になった。

一枚履きスタイルが愛される理由

 トロントでは、冬でも多くの人が一枚履きスタイルを貫き通している。レギンスの生地の厚さは様々で、冬でも厚い生地のものを選べば十分暖かい。ジーンズよりも暖かいという声もあったほど。通常はスウェットやスニーカーなどのカジュアルな服装と組み合わせることが多いが、シンプルなスタイルゆえにどんな服装でも合うのが特徴。冬ではブーツやダウンといった冬用のアウターと組み合わせて、冬独特のおしゃれを楽しんでいるようにも見える。

 今は世界中に浸透している一枚履きスタイル。その理由は一言で言うと「楽」だからだ。シンプルなのでどんな服にも合うデザイン性、軽くて動きやすい履き心地、そしてどの季節でも使用できる利便性。これらの要素が一枚履きスタイルをただの流行ではなく、広い地域と年代に渡って愛されるスタンダードなファッションにのし上げた。

街中で一枚履きスタイルの魅力について街の声を聞いてみた

Q: レギンスは結構頻繁に着ていますか?レギンスを履くときはどんな服装と合わせることが多いですか?

A: とても頻繁に着ています。冬はブーツと長めのセーターと合わせて着ていることが多いです。スウェットやランニングシューズに合わせて着ることもありますよ。

Q: 冬はレギンス一枚だけだと寒そうですが、レギンスの上には何も着ないのですか?

A: レギンスは結構厚みがあるので寒くないです。レギンスには種類があって、もっと厚みのあるレギンスもあるので、冬でもレギンス一枚で十分なんですよ。

Q: 一枚履きスタイルの魅力とはなんでしょうか、また一枚履きスタイルはトロントで人気だと思いますか?

A: とにかく楽だからです。レギンスの着心地はとても良いし、何より履くときも履いている間も楽なので、冬だけではなくオールシーズンを通して着ています。着心地もそうですが、どんな服装にも合うので服のコーディネートを考えるのもシンプルです。