まもなくやってくる!春の甘~い贈り物「メープルシロップうんちく講座」 |CANADA発 近鉄ツアープランナーのここだけの話 その108

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 カナダを代表するおみやげといえば、メープルシロップを思いつかれるかたが多いのでは?3月~4月に収穫・製造の時期を迎えるこのメープルシロップ、まもなくその甘い季節がやってきますね!今回はこのメープルシロップをよりおいしく召し上がっていただけるように、メープルシロップのうんちくについて少しお話したいと思います!

 メープルシロップは、サトウカエデなどの樹液を濃縮して作られる天然の甘味料ということはよく知られていると思います。実はここカナダがメープルシロップの世界生産量の80%(2014年)をしめています。

 特にカナダ東部での生産が盛んで、ケベック州、オンタリオ州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州が主な生産地となりますが、特にケベック州がカナダ最大の生産地で、実にカナダ全体の生産量の75%(2014年)がこのケベック州産となるのです。

 ケベック州はまさにメープルシロップの世界No1産地と言えるわけですね。ちなみにオンタリオ州は、ケベック州につぐ生産量を誇ります。

 カナダにはメープルの林の維持や整備、カエデの樹液採取から加工から派生品の製造にいたるまで、メープルシロップの生産を管理、規制する法律が多数存在しています。カナダ産のメープルシロップは、厳しい基準をクリアして作られているのです。

 栄養成分の特徴としては、まずカロリーが低い、そして高血圧、脳卒中のリスクを減らす効果のあるカルシウムやカリウムが多い。マンガンについては1日の取得推奨地の100%が含まれる。免疫システムを助ける亜鉛も多い、代謝を助けるリボフラビンなどが多い点が挙げられます。赤ちゃんやシニア世代の方にもやさしい食材なんですよ!

 メープルシロップの原料となる樹液(メープルサップ)は、一年中採取できるわけではありません。なんとこの樹液がとれるのはカナダが寒い寒い冬から春に移り変わる例年3月~4月頃のたった2週間程度しかないのです。

 この採集時期を迎えるにあたり生産者は樹木の太さ、健康状態、成長度合を考慮しながら、樹木に1か所~4箇所の採取口を取り付けます。
 採集口をつける樹木は、樹齢30~40年くらいで、幹の太さが直径20センチ以上のものを選びます。1本のサトウカエデの木からは、年間30~60リットルの樹液が生成されるそうです。

 ちなみにメープルサップとは、サトウカエデの木にあけた穴から流れでる樹液のことです。糖度約3%程度の透明でさらさらした水のような液体なんですよ。

 あつめられたメープルサップは、シュガーシャックに併設された加工場へ運ばれます。そこで樹液を高温で時間をかけて煮詰めていきます。糖度が66%になるまで煮詰めたあと、ろ過して不純物を取り除くとメープルシロップの完成です!1リットルのメープルシロップをつくるのに、なんと40リットルものメープルサップが必要になるそうです。

 次にメープルシロップのグレードとカラークラスについてのうんちくです!
 以前、カナダのカナダ産メープルシロップは独自にNo1~3というグレードと色を基準として5種類のカラークラスで差別化していたのですが、2016年からアメリカ産と同様にグレードと色で4種類に分ける方法にかわりました。それぞれの特徴を理解すればよりメープルシロップをおいしく召し上がっていただけること間違いなし!

<4種類の特徴>

ゴールデン(デリケートテイスト)

 光の透過率75~100%。もっとも色が薄く黄金色。採取シーズンの最初のころに集めた樹液からつくられる。繊細な味わいが特徴。

アンバー(リッチテイスト)

 光の透過率50~74.9%。ゴールデンの次に集められた樹液で作られ、最も流通する種類。

ダーク(ロバストテイスト)

 光の透過率25~49.9%。アンバーより濃い茶色。アンバーのあとに集められた樹液からつくられる。メープルシロップの風味が強い。

ベリーダーク(ストロングテイスト)

 光の透過率0~24.9%。コーヒーのような色、これは採取があとになるほどメープルウォーターの色が濃くなるため。メープルの風味が強く、味わいも濃厚となる。

 今回のメープルシロップのうんちく講座、いかがでしたか。これを機会にメープルシロップの事をもっともっと好きになってもらえると嬉しいです♪

 今年の春は是非トロント近郊のメープルシロップ農園にお出かけになってみてくださいね♪

文: 近鉄インターナショナルエクスプレス(カナダ) 石原