広がるデルタ株とワクチンパスポートの行方
新たな感染拡大の脅威となっているデルタ株。アメリカではここにきて感染者がデルタ株の蔓延により急激に増加しているが、入院者の97%、死者の99%以上がワクチン未接種者だという。
同様にふたたび新規感染者が増加しているフランスでは、感染者急増への対策として医療従事者に対するワクチン接種の義務化と、8月1日からはレストランや映画館入館時などにワクチン接種または新型コロナ陰性の証明書の提示が必要となる新規則が導入される。
カナダでも、デルタ株による感染拡大は最大の懸念であり、医療関係者のワクチン接種義務化や、若年層などのワクチン接種率を上げて行くためにも、レストランや劇場などにおけるワクチンパスポート等の導入を検討すべきという声が高まっている。
クルーズ客船の航行制限を11月1日に解除
カナダ運輸省は、カナダ領海でのクルーズ客船の航行制限を11月1日に解除すると発表した。規制は今年2月の時点で、来年2月28日までクルーズ船と北極圏の遊覧船に関して1年間の禁止とされていたが、ワクチン接種率の上昇や新型コロナウイルスの感染状況が改善しているため、緩和のスケジュールが繰り上げられた。
なお、政府は、追って通知があるまで、国外のクルーズ船でのすべての旅行を避けるように助言している。
カナダ全土で進むワクチン接種。
新型コロナワクチンの接種率が世界で最も高い国に
全土でワクチン接種が進んでいるカナダ、7月中旬から下旬にかけての段階で、新型コロナワクチンの接種率が世界で最も高い国となっている。現在、少なくともワクチン接種を1回終えた人は全人口比で70%を超え、完全なワクチン接種を完了した人は54%に達した。また、12歳以上の完全なワクチン接種者は60%を超えている。
オンタリオ州では、1回の接種完了者が80%に達しており、トロントのワクチン1回目の接種率を見ると、もっとも高いのは18~24歳の層がおよそ93%、続いて25〜29歳の層がおよそ86.2%と高い接種率となっている。
カナダ、旅行者の入国許可へ。米国人は8月9日から、その他の国・地域の人は9月7日からを予定
カナダ連邦政府は 国境措置を更新し、完全なワクチン接種を完了した米国人・永住者の旅行者が8月9日から入国を許可されることを発表した。
他の国・地域の人は、完全なワクチン接種を完了していることと、コロナ感染者数が低くワクチン接種率が増加に向かっていることを前提に9月7日からカナダへの入国が許可されるという。
連邦政府によると、到着前の検査はまだ実施されているが、8月9日の時点で完全なワクチン接種を完了した旅行者に対する検査は廃止され、ランダムな検査プロセスが採用されるという。また、3日間の政府指定ホテル隔離も撤廃される。
一方、米国は現在制限をかけているカナダとの陸路による入国制限を8月21日まで延長するとした。
オンタリオ州 経済再開STEP3へ移行。店内飲食などが再開
州政府は、12歳以上の77%が1回目のワクチンを接種済み、2回目接種も50%を達成していることを受け、7月16日から経済再開のSTEP3に移行した。さらなる規制緩和が進むSTEP3では、
- 店内飲食が認められ、テーブルの人数制限はなし(フィジカルディスタンスの規制はあり)
- 屋内イベントや映画館、会議は、50%もしくは最大1000人までの少ない方
- 美術館、博物館、動物園、カジノ、遊園地などは、屋内は50%まで、屋外は75%まで
- 屋外の集まりは、最大100名まで
- 屋内での集まりは、最大25名まで
- 屋外イベントや屋外コンサートは、75%もしくは最大1万5000人までの少ない方
- 2メートルのフィジカルディスタンスが保たれた全小売店の営業
- インドアスポーツ・フィットネス施設は、収容人数の50%まで


などが認められている。
なお、STEP3は最低21日間継続され、さらなる規制緩和については、12歳以上の80%が少なくとも1回目のワクチン接種を完了し、75%が2回目の接種を完了していること、そして、70%以下の2回接種医療地域がないなどの条件が挙げられている。
メジャーな観光アトラクションが続々オープン!
ついにトロント・ブルージェイズが7月30日にRogers Centreに 22ヶ月ぶりに戻ってくる。また、レゴランドやRipley’s水族館、ナイアガラのカジノなどメジャーな観光アトラクションも7月下旬から続々と営業を再開、CNタワーもオープンとなり、展望レストランのほか、エッジウォークも可能となる。チケットは、1日あたり最大2,500枚を販売する予定で、エッジウォークは1回のウォークにつき3人のゲストに制限されている。
またトロント市内のオンタリオ美術館(AGO)やロイヤルオンタリオ博物館(ROM)も7月下旬に一般公開も始まっている。トロントアイランドは、事前にオンラインでチケットを購入する必要があり、フェリーは最大収容人数の50%で運行されているため、1日あたり5,000枚のチケットの制限がある。