ハイ・デフィニションの大画面で観る歌舞伎がトロントで上映!シネマ歌舞伎

7月16日・17日 TIFF Bell Lightbox 350 King St W

 HDカメラ8台が捉え、高画質シネマ・プロジェクターで映写、6チャンネル音響で再生される、歌舞伎の醍醐味はまさに圧巻そのもの。映画館いっぱいの、生の臨場感と華麗な舞台の魅力が楽しめる。全作品ともに英語字幕付き。

スケジュール

7月16日(土曜日)
– 1:00 pm Cinema Kabuki: 三人吉三
 Three Thieves Named Kichisa
– 4:45 pm Cinema Kabuki: 廓文章
 Kuruwa Bunshō

7月17日(日曜日)
– 1:00 pm Cinema Kabuki: 阿古屋
 Akoya
– 4:00 pm Cinema Kabuki: 女殺油地獄
 Murder in a Hell of Oil

チケット情報

現在発売中・全席指定
オンラインhttps://am.ticketmaster.com/tiff3/buy?filterType=23
電話: 416-599-2033 
または対人で: ライトボックス入場券販売窓口まで
入場券料各上映 25.71ドル(税手数料込)

上映作品

三人吉三 Three Thieves Named Kichisa

世話物串田和美新演出版 / 河竹黙阿弥作 / 1860年初演 / 劇場舞台新演出:串田和美 / 2014年東京渋谷シアター・コクーンでライヴ収録 / シネマ歌舞伎監督:串田和美 / 136分

 予告編: https://www.youtube.com/watch?v=FikN3jxiLxU

 19世紀初めの江戸、大都市の爛熟した文化の最下部には、不良や無法者が蠢いていた。三人の盗人が新年の夜の闇の中で出会い、不思議な共感に導かれて義兄弟の契りを結ぶ。その時三人の誰もが、この出会いは、連綿と続く彼らの運命の糸の皮肉なもつれの、ほんの一部でしかなかった事に気づく術もなかった。三人が顔を合わせるはるか以前に、彼らの人生はもつれ合っていた。運命の網は三人をからめ捕り、ついには死に至らしめる。三人の頼もしい若手歌舞伎俳優、勘九郎・七之助・松也が大暴れ、串田和美の革新的な演出で、古典作品に新たな息吹が与えられる。若者の街、東京渋谷のシアター・コクーンでの実況録画をもとに、串田和美が新たなシネマ歌舞伎版を監督。

廓文章(くるわ ぶんしょう) Love Letters in Pleasure Quarters

上方歌舞伎恋模様 / 近松門左衛門作 / 1732年人形浄瑠璃初演 / 2015年10月東京歌舞伎座でライヴ収録 / 93分

予告編https://www.youtube.com/watch?v=r8-chzGpNJY

 はんなりとした演技に代表される歌舞伎和事芸の神髄を、仁左衛門が伊左衛門役で見せる。腕力も財力もなく、頼りないにもかかわらず、モテモテで、誰からも好かれ、楽しく明るく、繊細でやさしく、無邪気なほどに純粋無垢な色男が、大阪新町の絶世の花魁夕霧と恋仲。しばらく仁左衛門の足が遠のいている間に、夕霧は恋煩いでやつれてしまう。久しぶりの再会に、仁左衛門はすねるは愚痴るはの悪態づく、しかしこれもすべては恋の駆け引き。歌舞伎の黄金コンビ仁左衛門玉三郎の美男美女の邂逅が、義太夫と常磐津の二つの楽曲の掛け合いに乗り、ほとんど舞踊劇化した官能的かつ寓話的な場面に描かれていく。

女殺油地獄(おんなごろし あぶらの じごく)Murder in a Hell of Oil

世話物殺人ドラマ / 出演:幸四郎、猿之助 / 近松門左衛門作 / 1721年人形浄瑠璃初演 / 1909年歌舞伎初演 / 2018年7月大阪松竹座でライヴ収録 / 103分

予告編https://www.youtube.com/watch?v=9WP1hOZjwTU

 元禄文化咲き誇る商都大阪で現実の事件を基に、日本のシェイクスピア、近松門左衛門が描く、ある都会的な消費生活者の破綻。商家の道楽息子が借金返済に窮して陥る、家庭内暴力と金目当ての殺人の濃密な世界に、若手歌舞伎俳優幸四郎・猿之助が、人間国宝仁左衛門の監修を受けて挑戦。油の大桶を次々に引き倒しながらの、血まみれ油まみれの殺し場が、圧巻。

阿古屋(あこや) Akoya

壇浦兜軍記(だんのうら かぶと ぐんき) / 時代物義太夫狂言 / 近松門左衛門作 / 1732年人形浄瑠璃初演 / 2015年10月東京歌舞伎座でライヴ収録 / 93分

予告編https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=GPDeY3nNmSM

 源平合戦の最中、敗軍の将平景清の逃走先が、景清の愛人、京都五条坂の遊女阿古屋に問いただされる。拷問で口を割らせようとする岩永を押さえ、秩父庄司重忠は、阿古屋に三種類の楽器の演奏を求める。心にやましいものがあれば、楽の音に自ずと乱れが生じるとて、景清の行方を知らないと言い張る阿古屋の言葉の真偽が音楽で問われる。琴・三味線・胡弓を役者自身で演奏し、唄も歌う阿古屋は、女形最大の難役。現代歌舞伎女形の最高峰、人間国宝の坂東玉三郎の代表作、絢爛豪華な舞台。