【第33回】財産分与とファイナンシャル・ ステートメント|カナダの国際結婚・エキスパート弁護士に聞く弁護士の選び方

 
 離婚を視野に入れた多くの母親が共同親権への不信感を口にします。「カナダって共同親権がふつうって聞きましたが、うちの場合は私が親権をもつべきです」「これまで子供に全く興味のなかった父親に子育てなんてできるわけがありません」といった具合です。

 そこで今回は、「カナダって共同親権がふつうですか?」という問いにスペシャリスト認定弁護士のケン・ネイソンズが答えてくれました。

答:「カナダでは、特段の理由がない限り共同親権がふつうです」

 では、「特段の理由」とはいったい何なのでしょう。共同親権、面会交流などのキーワードを紹介しながら説明しましょう。

日本とカナダの親権

 子供を持つ夫婦の離婚は、子供たちに大きな変化を与えることになります。

 共同親権への興味が高まっているとはいうものの、日本では未だ単独親権しか認められておらず、「子がどちらの親と暮らすかを決めること=親権者の選択」となっています。

 一方カナダでは、 共同親権がますます一般化しています。

 カナダにおける親権とは「子の選択肢の決定権」です。どの学校に行くか、どんな宗教を選ぶか、どんな医療を受けるか、など、「子に関する重要な決定を下す責任と権利を持つこと」を親権と言います。そしてこの親権は、ほとんどすべての親に与えられています。

面会交流

 日本では、親権を持たない親が子供と交流することを面会交流とよびます。この面会交流は、「月に1度、数時間から半日ほどの時間を子供と過ごすことができる」程度が一般的なようです。

 中には、離婚後、子供との交流を全く持たない親もあります。

 また、再婚した場合には、親権を持つ親の再婚相手を「お父さん」「お母さん」と呼ばせたり、それまで面会を許されていた親に対して「もう会わないでほしい」と伝えたりすることも珍しくはないと聞きます。

 つまり、日本では親権を持つ親の気持次第で、親権を持たない親の面会交流は、いつでも終了してしまうのです。

 一方、カナダでは、親権を与えられなかった数少ない親にも「面会交流」が権利として認められています。

 単独親権を持つ親は、親権を持たない親と子供の面会交流に協力しなければなりません。そしてこれが、単独親権を得ても、もう一方の親の許可なく遠方へ転居することが禁じられている理由なのです。

カナダの共同親権と面会交流権

 ひとくちに「共同親権」と言っても実際にはいくつもの種類があり、それらの違いを知らないと共同親権への理解を深めることは難しいでしょう。

 カナダでは、親権の有無によらず、親が子と触れ合う時間はすべての親に与えられます。日本の「面会交流」に当たる、この親子が共に過ごす時間は、現在では「ペアレンティング・タイム」と呼ばれることが一般的ですが、「アクセス」という言葉も用いられています。

親権の種類とペアレンティング・タイム

 「親権とペレンティング」においては、弁護士のサポートが重要です。ネイソンズ・シーゲル弁護士事務所は、「親権とペレンティング」に関する問題のすべてを日本語でサポートします。

 「親権とペレンティング」をはじめとする家族の問題は、家族法を専門とする2名のエキスパート認定弁護士と日本人有資格者(オンタリオ州公認パラリーガル)が在籍するネイソンズ・シーゲル弁護士事務所にお任せください。

 リモート相談は、次の手順で行っております。

  1. hnoguchi@nathenssiegel.com(野口)宛に相談内容をお知らせください。
  2. 当事者おふたりのフルネームと相談者の写真付きIDをお願いします。
  3. いただいたフルネームから顧客名簿を検索し、相手方が過去に当事務所の顧客でなかったことを確認します(弁護士協会の規定により、相手方が過去の顧客であった場合には相談に応じられません)。
  4. オンライン・ミーティングの日時候補をお知らせします。
  5. 面談日時をお選びいただいた後、オンライン・ミーティング(Zoom)リンクをお送りします。
  6. 初回面談への野口の同席は無料です。面談時に野口から今後の流れを含む詳細を説明します。

(注1)情報提供のための一例です。それぞれの状況や他の条件によって異なる結果となりますのでご注意ください。

ケン・ネイソンズ: B.C.L, LL.B, LL.M(Family Law)

 日本人の国際離婚を多く手掛ける。ていねいに話を聞く姿勢は 移住者女性に好評。ネイソンズ・シーガルLLP設立パートナー。趣味はモデルカー収集。

野口洋美: B.A. M.A.

 ヨーク大学で国際離婚とハーグ条約に関する研究に携わる。国際結婚に関する執筆多数。ネイソンズ・シーガルLLP所属。趣味は日本語ドラマ鑑賞。