【第29回】国際離婚とCOVID-19:リモートで離婚手続!?|カナダの国際結婚・エキスパート弁護士に聞く弁護士の選び方

 COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大に伴うリモートワークで、夫婦が一緒に過ごす時間が増えました。そんな「おうち時間」が夫婦の問題と向き合うことにつながったのでしょうか「コロナ離婚」なるものが増えたと伝えられています。

 コロナ禍において、そんな人生の転機が訪れた時、自身や子供の法的権利を守るにはどうしたらよいのでしょう。いったい、どこで誰に相談したらよいのでしょう。

 そこで今回は、「コロナ禍におけるリモート離婚手続」について「スペシャリスト認定弁護士」のケン・ネイソンズに聞いてみました。
 まず「スペシャリスト認定弁護士」とは何であるかをあらためてご紹介しておきましょう。

スペシャリスト認定弁護士

 オンタリオ州には4万人以上の弁護士がいますが、州の弁護士協会は、厳格な審査を通過した弁護士に「スペシャリスト認定」を与えています。全弁護士の2%以下の700人ほどの認定弁護士は、文字通りの選りすぐりで、他の弁護士や裁判官ら法の専門家たちも一目を置くエキスパート中のエキスパートです。

 このエキスパートの中でも離婚などの家族法を扱う弁護士はひとにぎりです。けれどもスペシャリスト認定弁護士を雇用する費用が、他の弁護士と比べて高額なわけではありません。

 弁護士の料金は、経験年数と事務所の立地条件によって決まります。つまり、経験値とロケーションの似た一般弁護士と同等の料金で、スペシャリスト認定弁護士を雇うことができるのです。

リモート相談と法手続

 エキスパート認定弁護士は、トロント近辺に集中していますが、感染防止のための措置であったリモート相談は、より多くの人々に良質の法律相談を提供することを可能にしました。

 また、ミディエーターを介して当事者同士が協議するミディエーションや、双方の弁護士と当事者の4人が協議するフォーウェイ・ミーティングも、自宅からリモートで参加することができます。
 さらに、オンタリオ州では、裁判所での法手続もオンラインで行われるため当事者への時間的な負担が軽減されました。

 これらのリモート相談や法手続には、Zoomというオンライン・ミーティングが採用されます。特別なアプリがなくとも、ミーティング・ホストからEメールで送られてくるリンクをクリックすることで簡単に参加できます。

日本語で離婚相談

 在宅のまま弁護士のアドバイスを受け、法手続きを進めることができるメリットは、「弁護士への相談」というハードルをずっと低いものに変えました。
 決して歓迎できない感染症ですが、以前は対面で行わなければならなかった面談や法手続に「リモート」という柔軟性が与えられたことは、歓迎せざるをえません。

 オンタリオ州全域のみならず、日本をはじめとする海外からでも、オンタリオ州の家族法問題の相談が可能となったのです。
 国際結婚をはじめとする家族の問題は、家族法を専門とする2名のエキスパート認定弁護士と日本人有資格者(オンタリオ州公認パラリーガル)が在籍するネイソンズ・シーゲル弁護士事務所にお任せください。

 リモート相談は、次の手順で行っております。

  1. hnoguchi@nathenssiegel.com(野口)宛に相談内容をお知らせください。
  2. 当事者おふたりのフルネームと相談者の写真付きIDをお願いします。
  3. いただいたフルネームから顧客名簿を検索し、相手方が過去に当事務所の顧客でなかったことを確認します(弁護士協会の規定により、相手方が過去の顧客であった場合には相談に応じられません)。
  4. オンライン・ミーティングの日時候補をお知らせします。
  5. 面談日時をお選びいただいた後、オンライン・ミーティング(Zoom)リンクをお送りします。
  6. 初回面談への野口の同席は無料です。面談時に野口から今後の流れを含む詳細を説明します。

ケン・ネイソンズ: B.C.L, LL.B, LL.M(Family Law)

 日本人の国際離婚を多く手掛ける。ていねいに話を聞く姿勢は 移住者女性に好評。ネイソンズ・シーガルLLP設立パートナー。趣味はモデルカー収集。

野口洋美: B.A. M.A.

 ヨーク大学で国際離婚とハーグ条約に関する研究に携わる。国際結婚に関する執筆多数。ネイソンズ・シーガルLLP所属。趣味は日本語ドラマ鑑賞。