新移民の不動産購入 照岡敏介さん カナダ在住歴20年 埼玉県さいたま市出身|特集「カナダライフのヒント6人のストーリー」

不動産エージェントとしてこれまで新移民の賃貸や売買、駐在者や長期留学生のための物件探しなどを行ってきた照岡さんは、自身もカナダに移民し結婚や子育てのタイミングで不動産をアップグレードしてきた経験を持つ。

 2001年にカナダに移住し、2004年9月に結婚したトロント近郊ヨークエリアにお住いのトシさん。結婚の同時となる2004年同月にトロントのタウンハウスを初めてを購入。そして7年後にタウンハウスを売却し、一戸建てにアップグレード。新移民として不動産を購入・アップグレードしてきた経験をもとに、今からでも遅くない購入機会に役立つ知恵を教えてもらう。

POINT1.銀行からの住宅ローン融資額

 不動産購入とはいえ、銀行からお金を借りることは簡単では有りません。私が2001年にトロントで生活を始めた時は銀行口座にはある程度のお金が入っていましたが、カナダのクレジットカードは作れず、銀行から言われたのが一定の条件のもとで使用額500ドルのクレジットカードを作れて、利用と返済を繰り返すことで信用を築き上げて行かねばなりませんでした。もちろん期限日に支払いが出来なければ利息がつき、何と理不尽な世の中だと思いました。その後は不動産購入まで順調に良好なクレジットヒストリーが作れたと思います。ベストの融資を受けるのには融資する側が信頼できる返済履歴を築くのが必要だと実感しました。

POINT2.家の選択

 不動産アップグレードの際は、コンドミニアム、タウンハウス、セミデタッチ、デタッチの選択でしたが、小さくても庭がある物件が欲しかったので、その時点で中・高層コンドミニアムの選択は無くなりました。コンドミニアムの共有施設(ジム・視聴室など)は魅力的で建物の維持も管理会社がしてくれるなど様々な利点を感じましたが土地付き物件を選択しました。

 タウンハウスに住んでいた時は毎月の維持費が実生活と必ず結び付くというわけでもなく高く思えましたが、いざ一戸建ての家に住み始めると毎月のように維持費が発生することを痛感しました。15年から 20年に一度は屋根の葺き替え、エアコン・暖房設備の入れ替え、さらには水漏れやドア・窓の修理、業者を呼べば少なくとも数百ドル掛かりますし、庭の手入れや雪かきなど、今となればコンドミニアムの維持費はフェアな価格と感じています。

POINT3.住みたいエリアの選択

 住宅ローンの借り入れ可能額をもとに最初の家を購入した結婚直後は子供も居なかったので通勤の便の良さ、治安の良さ、そして義父母の家から30分以内などを考慮して選択しました。

 冬のことを考えてなるべくTTCの駅の近く、妻や子どもが夜に1人で安心して歩いても帰宅が出来ることなどを中心に、季節の移り変わりが感じられるトレイルまたは公園が近くにある家を探しました。

 子どもがシニア・キンダーガーデンに入る数ヶ月前から予算内の物件があるエリアを検索、その中でも評価の良い公立学校があるエリアを選択して、一戸建て物件を探し始めました。

POINT4.建物の築年数

 物件は新築から築数十年のものまでありますが、私が選んだのは綺麗に維持されている築数十年の物件。キッチンなどに所どころ前オーナーが改装してありましたが、80%はオリジナルの状態でした。子供が地元の学校に行っている間に少しづつ直していこうと思ったものの、仕事と子育てに追われ、春夏秋は庭や家の手入れに時間を取られ予定通りには改築が進まず、手付かずのままに時間が過ぎていきました。今思えば入居前に少しでも改装するべきだったと思う時もあります。

POINT5.間取り

 部屋数やバスルームの数はもちろんの事ですが、家族が多くなるに連れて物が増えるので、収納スペースの量も気にかけながら物件を見ていました。キャンピング用品から子供のスポーツ用具、夏用品、冬用品など日本での生活よりもカナダは物が多く感じるので整理整頓のためにも収納スペースは大事だと考えました。庭にも芝刈り機や除雪機などを収納出来る物置の有無もチェックしていました。 キッチンも冷蔵庫、ストーブ、シンクの位置など動線を見て使いやすいかの確認なども怠りませんでした。

POINT6.住宅ローンの返済

 最初の家を購入してから返済を毎月続け、繰越返済ができる時はして元本を早く少なくすることを目指しました。時には繰越返済より株式投資にお金を回す方が割が良いのではと思ったこともありますが…。タウンハウスから戸建てにアップグレードした時には、それまで繰越返済をしていたので一戸建てを購入できるクレジットヒストリーと融資枠が出来たのだと思います。

照岡敏介さん
カナダ在住歴20年 埼玉県さいたま市出身

カナダの魅力

 カナダでの生活は毎日が大きな空の下で自然に取り囲まれ、人々も温厚で助け合うことが文化的に根付いている国民性があると思います。冬場に田舎道の路肩で行き先を確認していると通りすがりの人が車を止めて「大丈夫?助けが必要?」と声をかけてくれる人や、通りかかるクルマから声をかけてくれるなど何人もの人が心配してくれました。そういった経験をすると、同じことを他の人にするのが普通のことに感じ、自然に助け合うことが身に付くのだと感じました。

 また、カナダは仕事や家族との時間、趣味の時間といったバランスの取れた生活ができやすい環境が整っていると思います。マイナス面は冬場の極寒の日(マイナス20度以下)だけでしょうか。

お気に入りの場所:

カリブ海の海岸

死ぬまでカナダに住みたい?

No 退職後の冬場はカナダではなく、暖かい気候で海に近い場所で過ごしたい。

いまのハッピー度

好きな言葉

Today is a gift. That’s why it’s called the present.