カナダで見つけた恋愛ストーリー|特集「学びは人から。 経験を成長につなげる。」


 恋愛から学ぶことは多い。人は恋をしたり失恋をしたりながら成長するものだ。カナダで見つけたちょっと素敵な恋愛ストーリーを紹介。

ジャスティン・トルドー首相と妻ソフィーの運命的な出会い

 2005年に結婚したトルドー夫妻。2016年に、G7サミットへ参加するために日本を訪問した際は、11周年の結婚記念日を祝うために一日休暇を取り、日本を観光したことが話題になった。

 妻ソフィーは、トルドー首相の弟であるミシェルの同級生であったこともあり、子供の頃から頻繁にトルドー家を訪れていた。しかし、成長するにつれて、2人が会う機会はなくなっていった。二人の再会は、2003年の6月に開かれたメルセデスベンツ・グランプリの仕事。2005年にインタビューを受けた夫妻は、「私たちは笑いあって、僕らの間には絶対、運命的な何かがあると冗談を言い合いました」とこの時のことを振り返っている。

 この運命的な出会いの翌朝、ソフィーはジャスティンへ愛のこもったメールを送ったそうだが、実はジャスティンはこれに返信をしなかったという。その理由は、彼が彼女との関係を発展させるより、仕事や社会的な活動を優先したいと思ったからだそうだ。

 その数か月後、偶然にも街中で二人は再び出会う。ソフィーは、メールを無視されたこともあり、友好的ではあるもののそっけない態度だったが、ジャスティンは彼女の後を追いかけ、電話番号を聞こうとした。その時ソフィーは、「あの時のメールアドレスがまだ残っているなら、連絡先は分かるはずよ」と言ったそう。その後、ジャスティンがデートの誘いをしたことで関係が発展していった。運命的な2人の出会いは、まさに映画のようだ。

「The Michaels」  カナダで最初のゲイカップル

 カナダで最初に同性婚を認められたカップルをご存知だろうか?2003年6月10日に、トロントの最高裁判所がマイケル・レシュナーさんと、マイケル・スタークさんの同性婚を認めた。彼らのその名前から、「The Michaels」の愛称で呼ばれている。

 レシュナーさんは弁護士として働いており、スタークさんはグラフィックデザインの会社に勤めていた。2人は1981年に出会い、それから結婚に至るまで22年間を共に支え合ってきた。2人が出会った頃は、同性カップルの権利を保障するような法律はなかったという。

 その後、レシュナーさんがオンタリオ州政府で働いていた時に、同僚が同性婚の合法化に取り組んでいることを知る。スタークさんと話し合い、2人が結婚に名乗りを上げることで、同性婚の合法化を進めていこうと決めた。彼らの働きかけにより、遂に同性婚がカナダでも認められるようになり、今日のLGBTQ+の人々が生きやすい社会づくりに繋がっている。

コロナ禍に立ち向かえ!
カナダとアメリカの国境で結婚式

 オタワ出身のダヴィナ・フィンさんと、デイヴィット・ヘッツさんは、彼女のホームタウンであるオタワで、カナダとアメリカから約100名の親族関係者を招待し、結婚式を挙げる予定だった。しかし、コロナウイルス感染拡大により計画通りの結婚式があげられなくなってしまった。

 両国に住む家族が安全に結婚式に参加できる方法はないのかと模索したところ、国境沿いで、警備員の監視の元で、結婚式を挙げることにしたという。「Caution」と書かれた黄色のテープが張り巡らされた国境沿いにそれぞれの家族が集まり、2人の結婚を祝福した。国境沿いでは、互いに写真を取り合い、踊りながら素敵な時間を過ごすことが出来たそうだ。

カナダ出身の人気歌手マイケル·ブーブレ
MVに込められたラブストーリー

 ブリティッシュコロンビア州バーナビー出身のマイケル・ブーブレは、カナダで絶大な人気を誇る、グラミー賞受賞歌手だ。彼の「Haven’t met you yet」という曲は、まだ見ぬ運命の恋人への気持ちをポップに歌ったもので、自身のユーチューブチャンネルでは、1億5千万回近く再生されています。そのMVで「まだ出会っていない運命の恋人」役を務めた、ルイサナ・ラピラトさんは、アルゼンチン出身の女優で、マイケルの妻だ。それもそのはず、実はこの曲は彼女のためにマイケルが書いたラブソングだったのだ。

 2人の出会いは、ブエノスアイレスで行われたパーティだった。マイケルは彼女に一目ぼれしたが、ルイサナはボーイフレンドと参加していた。マイケルにとって彼女と付き合うことは不可能に思えたが、マイケルは思わずそのボーイフレンドに、「君の彼女は本当に素敵な人だね」と話しかけたところ、「僕の彼女ではないよ」と衝撃の事実を伝えられた。

 チャンスと思ったマイケルは、パーティー会場を去る時に彼女にこう告げた。「あなたは私の妻になると思う。君がまだ気づいていないだけで」。しかし彼女は、「もちろんあなたは私に妻になって欲しいでしょうね。出会う男性はみんな同じ事を言うから」と返事したそう。

 しかし、その後マイケルの猛アタックの末、晴れて二人は恋人関係となり結婚に至ったそうだ。マイケルは彼女と出会ったことで、「Haven’t met you yet」を作り、ルイサナに出演のオファーをしたのだった。2人のラブストーリーを知った後に聴くと、何倍にも素敵な曲に思えてくる。

オリンピックメダリスト夫婦の絆

 陸上七種競技のカナダ代表だった、ブリアンヌ・タイゼン・イートン選手は、2016年のリオ・オリンピックで銅メダルを獲得するなど、世界大会で数多くのメダルを獲得した有名アスリートだ。彼女はその華麗な経歴だけではなく、夫であるアシュトン・イートンとのラブラブな様子や、互いを支え合う理想の夫婦としての姿でも注目を集めてきた。

 実は、夫のアシュトン・イートン氏は、アメリカの十種競技代表選手で、2012年のロンドン・オリンピックと2016年のリオ・オリンピック金メダルを獲得している。夫婦そろって2016年のリオ大会でメダルを獲得した、スーパーアスリートカップルだ。

 2人の出会いは、オレゴン大学の時。2008年のバレンタインデーに初デートに出かけたそうだが、アシュトンはインタビューで、「すごく緊張したよ。9月に入学してからデートするまでに、5カ月もかかっていたからね」と、この時の心境を明かしている。順調に交際を続け、2013年7月に晴れてゴールイン。選手としても夫婦としても、常に互いに支え合いながら成長し続けてきた。2017年1月3日に、2人はそろって陸上競技からの引退発表をしている。