カナダらしさ溢れる14のアイデア|特集「幸せ時間の過ごし方」

 カナダ発祥のドリンク「シーザーカクテル」や「ロンドン・フォグ」、「Group of Seven」に代表される芸術から文学、そしてアクティビティなどまでカナダらしいコンテンツで幸せ時間を過ごしてみませんか?

1.
身も心も温まるカナダ発祥の「London Fog」で
幸せいっぱいなひと時を。

 カナダ発祥のドリンクとして有名な「ロンドン・フォグ」。アールグレイティーに、バニラシロップとスチームミルクを加えた、優しい味わいの飲み物。カフェには行くと、特に秋冬には必ずといっていいほどロンドン・フォグがメニューにあったりする。

 ところで、ロンドン・フォグは、バンクーバーが発祥だそうだ。1994年にメアリー・ロリアという女性が、大好きだったアールグレイティーに、スチームミルクとバニラを加えたドリンクを考案したことが始まりではないかと言われている。

 今日では、世界中で愛されるロンドン・フォグだが、さまざまな派生ドリンクも生まれている。例えば、アールグレイティーの代わりに、アイリッシュ・ブレックファースト・ティーを使用した、「ダブリン・フォグ」と呼ばれるものや、テキーラの原料として使用されるアガベ(リュウゼツラン)という植物をバニラの代わりに加える「メキシカン・フォグ」などがある。さらには、バニラの代わりにノバスコシア・メープルシロップを使用した「ハリファックス・フォグ」と呼ばれるものも。色々なロンドン・フォグを試してみるもよし、メニューを考案して自分だけのオリジナルロンドン・フォグを作ってみるもよし。幸せ時間をおいしいドリンクと過ごしてみてはいかがだろう。

2.
カナダの絵画といえば 「Group of Seven」。
その魅力を探求。

 みなさんは、1920年から1933年にかけて活躍した、カナダ人芸術家集団のことをご存じだろうか。メンバーは、フランクリン・カーマイケル、ローレン・ハリス、A.Y.ジャクソン、フランツ・ジョンストン、アーサー・リスマー、J.E.H.マクドナルド、フレデリック・ヴァーレイの7名で、今日では「Group of Seven」と呼ばれている。

 女性芸術家として有名なエミリー・カーも彼らと深い親交があったと言われていて、若手芸術家たちに大きな影響を与えたと言われている。シンプルでありながらもダイナミックに描く彼らの独自の手法は、1930年代の前半頃に世界中で人気を博すこととなった。カナダの自然の魅力を、ワイルドかつ色彩豊かに描いた作品の数々は、多くのファンを魅了している。

 彼らの作品は、オタワにあるカナダ国立美術館やトロントのオンタリオ美術館、マクマイケル・カナディアン・アート・コレクションなどで見ることができる。カナダの自然の美しさを再認識できるアートの世界に浸ってみるのはいかがだろう。

3.
カナダ発祥 「シーザーカクテル」
美味しいカクテルは幸せ時間を連れてくる。

 カナダ発祥の国民的なカクテル「シーザー」は、Bloody(血まみれ) Caesarカクテルとも呼ばれている。その名の通り、真っ赤なシーザーカクテルは、ウォッカ、クラムジュース、トマトジュース、スパイス、ウスターソースなどで作られており、もともとは1969年にアルバータ州カルガリーで、ウォルター・チェル氏が考案したと言われている。

 氏は、カルガリーのMarco’sというホテルにあるイタリアンレストランの開店祝いに、新しいカクテルのメニューを開発してほしいと依頼を受け、およそ3ヶ月かけてドリンク作りに取り組む中で、ボンゴレパスタからインスピレーションを得たという。

 ハマグリをすりつぶしクラムジュースを作り、それにトマトジュースとウォッカをミックスしたことで、シーザーカクテルが誕生した。彼はインタビューで、オレガノを隠し味として加えていたことも明かしている。今では、カナダの国民的人気を誇り、年間400万杯がカナダ国内で消費されているそうだ。

4.
カナダの大自然ツリーハウス
非日常の中にこそ幸せ時間を過ごすヒントがある。

 カナダには、大自然を生かしたツリーハウスがたくさんある。雄大な景色に囲まれ、川のせせらぎを聞きながら、大切な家族や友人と過ごす非日常は、幸せ時間を過ごすのにぴったりだろう。

 おすすめなのは、ブリティッシュコロンビア州のバンクーバーアイランドにある、「Free Spirit Spheres」だ。このツリーハウスは、丸い窓がついた大きな球体がロープで木に吊るされていて、一見ツリーハウスとは思えない造り担っている。外見こそ宇宙船の様ですが、室内には木製家具が使用されており、大きな丸窓からは森林を間近に見ることができる。

 また、ケベック州サン=フォスタン=ラック=カレにある、「Les refuges Perches」のツリーハウスも魅力的だ。施設内には、20種類の小屋のツリーハウスが存在し、その中には、川のすぐ上に建てられているものも。いつもと違った非日常の中に、幸せ時間を過ごすヒントがあるかもしれない。

5.
カナダだからこそできる大自然アクティビティ
忘れられない思い出を作ってみる!

 カナダには自然を生かした刺激的なアクティビティが豊富。例えば、ナイアガラの滝で行われている、「Journey Behind the Falls」は、ぜひ一度は行ってみたいアクティビティだ。130年以上前に作られたトンネルを通り、ナイアガラの滝の裏側に行くことができ、レインコートを着て、滝の水しぶきを浴びてみれば、大自然の迫力を全身で味わえる。

 そして、ケベック州のサン=ガブリエル=ド=ヴァル=ガルティエにある、氷のホテルもおすすめ。雪と氷で作られたホテルには、氷のベッドがあり、寝袋で眠りにつく。実は、この氷のホテルは毎年作り直されているので、二度と同じ部屋には泊まれない、なんとも神秘的なホテルだ。宿泊しない場合も、氷のホテルを探検するアクティビティに参加することも可能。

6.
カナダのラブストーリーを鑑賞して幸せチャージ!

 ハリウッドをはじめとする映画やドラマの撮影がカナダの各都市で行われていることは有名だが、その中でもラブストーリーを鑑賞して、幸せをチャージしてみるのはどうだろう?

 例えば、2008年公開の『トワイライト』シリーズは、ヴァンパイアのエドワードと人間の少女ベラの恋愛模様を描いた全5部作とファンタジー映画だ。撮影はバンクーバーの各地で行われた。

 また、2005年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した、『ブロークバック・マウンテン』。全編アルバータ州で撮影され、その美しい景色と俳優陣の圧巻の演技が絶賛された。1963年から1983年までの20年に渡る、惹かれ合う男性2人の姿を描いた作品だ。

 2018年には『好きだった君へのラブレター』(原題:To All the Boys I’ve Loved Before)がNetflixで公開され、すでに三作目が配信されている大人気作品だが、特に、主人公がアジア人だったことでも注目を集めた。この作品も全編バンクーバーで撮影が行われた。映画を楽しんだ後に、実際に撮影場所を訪れてみれば、映画の登場人物の気持ちを味わってキュンキュンするのもたまにはいいだろう。

7.
世界遺産を訪れてみよう!
圧巻の絶景がもたらす幸せの時間

 カナダ各地の世界遺産を訪れて、圧巻の絶景に時間が過ぎるのを忘れてみるのもいかがだろう?カナダには、全20か所の世界遺産があるとされるが、例えば、1979年に世界遺産に登録された、アルバータ州にある州立恐竜公園は一度は訪れてみたい。

 かつてこの地には、35種類の恐竜が生息していたとされるが、その恐竜たちが滅びたあと、さまざまな条件が整い、世界最大の恐竜化石層を生み出した。恐竜がかつて生きていた地を探検し、冒険心をかりたてよう。

 また、1981年に世界文化遺産に認定された、アルバータ州にあるヘッド-スマッシュ-イン・バッファロー・ジャンプも一見の価値ありだ。この場所は、6000年以上前にカナダの先住民族が、狩猟の際にバッファローを追い詰めて、およそ300メートルの崖から落とすための場所だった。崖にはその狩りの際に落ちたバッファローの骨が未だ残されているという。世界遺産を訪れて、数千年前の生き物や先住民たちの暮らしに思いを馳せてみてはどうだろう。

8.
メープルだけじゃない!カナダで愛されるあま~いもの、
スモア・パヌッキー・ナナイモバー

 カナダ×甘いと言えばメープルシロップを思い浮かべる人は多いのでは?!実は国民的に愛される甘いものやスイーツは他にもたくさんある。まずは、日本でもキャンプなどの定番になりつつあるスモアはカナダでも昔から大人気だ。あぶったマシュマロを、グラハムクッキーとチョコレートで挟んだ温かいスイーツは、トロッととろけたマシュマロとクッキーの食感が癖になるおいしさ。

 ほかにもボストンピザが考案したと言われているパヌッキーもおすすめ。パヌッキーとは、パンケーキとクッキーを合わせた造語で、スキレットで焼き上げたパンケーキ生地の上に、アイスクリーム、生クリーム、バナナ、イチゴなどのトッピングを加えて楽しむスイーツだ。

 そして忘れてはいけないのは、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーアイランドの都市ナナイモが発祥のあま~いスイーツ、ナナイモバーだ。濃厚なチョコレートガナッシュとココナッツグラハムクラスの間に、カスタードを挟んだもので、病みつきになる美味しさだ。きっとカナダにはほかにもご当地の絶品スイーツがあるはずなので旅先で見つけてみては?

9.
愛する人と共に生きる
LGBTQ+アクティビストから学ぶ、自分らしく生きる幸せ。

 毎年、全国各地で「LGBTQ+」に対する理解を深めるプライドパレードが開催されているカナダ。2005年7月20日にはカナダ全土で同性婚が合法となり、2017年にはジャスティン・トルドー首相は、カナダ政府がかつて性的少数者を差別していたことを議会で謝罪するなど政府は積極的に彼らの人権尊重に取り組んでいる。

 その中で、多くのLGBTQ+アクティビストたちが自分らしく生きる権利を獲得するために奮闘してきた。例えば、カナダで最初に同性婚したカップルの、マイケル・スタークさんとマイケル・レシュナーさん。同性婚した最初のカップルとして有名になった彼らは、プライドパレードに参加したり、テレビや新聞などのインタビューを受けたりするなど、積極的に「LGBTQ+」について発信している。自分らしく生きる、愛する人と生きるなど、誰もが平等に持つ権利を得ようとしてきた彼らの生き方を学ぶことは、幸せとは何かををもう一度考え直すきっかけになるだろう。

10.
幸せをもたらす魅惑の味
カナダの名作ワインで素敵な時間を分かち合おう

 幸せ時間には、美味しい飲み物が必須!カナダには多くのワイナリーが存在し、美味しいワインが味わえる国としても有名だ。

 1811年にオンタリオ州南部で最初のブドウ園が誕生し、現在では様々な品種のワインが生産されているが、例えば、ナイアガラ半島が原産の、ナイアガラ種から作られるナイアガラワインは、甘口で飲みやすいことが特徴の1つだ。アイスワインも圧倒的な人気を誇り、特にオンタリオ州で生産されるものは、世界で最もおいしいアイスワインの一つとして評価されている。

 アイスワインという名前は、樹木にブドウを残し、マイナス8度の環境で、自然氷結させたブドウから作る手法に由来しているとされる。琥珀色のワインで、濃厚かつ甘口な、芳醇な味が魅力だ。

11.
観戦するもよし、プレーするもよし!
カナダの発祥のスポーツでリフレッシュ!

 スポーツを観戦したり、実際にプレーすることで、心も体をリフレッシュできることもある。カナダ発祥のスポーツといえば、熱狂的な人気を誇るアイスホッケーが一番有名だろう。

 1875年にモントリオールで、初めてアイスホッケーの試合が行われたと言われる。北米のナショナルホッケーリーグ(NHL)には、カナダの7チームが所属しており、2020-21シーズンではモントリーオル・カナディアンズがスタンレーカップに決勝で健闘したのは記憶に新しい。

 また、ラクロスもカナダが発祥のスポーツで国技だということを知らない人も多い。ラクロスは、先住民のアメリカン・インディアンが始めたスティックボールが起源とされる。1834年にケベック州モントリオールにある、先住民カナワク・インディアンがラクロスの試合を行い、それ以降カナダ全土でラクロスの人気が高まっていった。1994年には、カナダナショナルスポーツ法が施行され、夏のナショナルスポーツがラクロス、冬のナショナルスポーツがアイスホッケーと定められた。

12.
時間を忘れて文学の世界に。
カナダのベストセラー小説を読む。

 嫌なことや悩み事を忘れて、小説の世界に没入してみることは幸せ時間を過ごすのにぴったりかも。おすすめは、言わずと知れた世界的ベストセラー『赤毛のアン』。意外にも名前は知っているけど、小説をしっかり読んだことがない人も多いのでは?著者はカナダ人のL.Mモンゴメリーで、1908年に『赤毛のアン』(英語名:Anne of Green Gables)シリーズの出版が始まった。

 物語の主人公は、アン・シャーリー。プリンスエドワード島に住むマリラとマシューは、孤児院から男の子を引き取り、農園を手伝ってもらおうと考えていた。しかし、手違いでアンを引き取ることに。プリンスエドワード島で、生活を始めたアンは、クラスメートのダイアナ、ギルバートなど、個性豊かな登場人物と、ぶつかりながらも豊かな人間関係を築いていく。

 世界で36以上の言語に翻訳されている、『赤毛のアン』シリーズ。アンの成長を見守りながら、時に涙し、笑い、彼女の力強く生き抜く姿に心打たれるのは間違いなし。児童小説ながらも、現代の大人にこそ読んでほしい一冊だ。何かに悩んでいるとき、幸せ時間をみつけたい時こそ、『赤毛のアン』が優しく寄り添ってくれるかもしれない。

13.
パワースポットでエネルギーチャージ!
幸せを掴みに行こう!

 日本でも人気のパワースポット巡り。もちろん、広大なカナダにも多くのパワースポットが存在するが、定番中の定番といえばナイアガラの滝だ。オンタリオ州とアメリカ合衆国ニューヨーク州を隔てる国境沿いに位置しているナイアガラの滝は、言わずと知れた圧巻の景色はもちろんのこと、その滝からあふれ出すマイナスイオンが、体と心に良い影響をもたらし、ストレス軽減や睡眠の質の向上に効果があるとも言われるほどだ。

 ほかにもオンタリオ州のマニトゥーリン島も人気だ。マニトゥーリンとは“神の島”を意味する。ヒューロン湖の北部に位置し、先住民のオジブワ族とオタワ族が崇める神の聖地であるとされる。

 また、神聖な伝説が語り継がれる地を訪れたければ、ユーコン準州にある、トゥームストーン準州立公園もおすすめだ。ここはおよそ2200キロにわたる広大で豊かな自然あふれる場所で、先住民族の文化や狩りの歴史を知ることができる。公園内に残る考古資料は、約8000年前にさかのぼる貴重なものだそう。冬にはオーロラを鑑賞することができ、そびえ立つ山々に囲まれた圧巻の景色と美しいオーロラとのコントラストを体感できれば、きっと神秘的なエネルギーをチャージできるだろう。

14.
新しい発見に出会う!
ユニークな博物館でインスピレーション

 ちょっぴりユニークな博物館を訪れて、新たなインスピレーションを得るのもたまには必要では?!1995年にトロントにオープンしたバータ靴博物館(Bata Shoe Museum)は、トロント大学のセントジョージキャンパスの近くにあり、その名の通り、靴をメインに扱った博物館だ。3階建ての博物館には、世界中の多種多様な靴が展示されている。

 ノバスコシア州ハリファックスにある、大西洋海洋博物館(Maritime Museum of the Atlantic)は、映画『タイタニック』のファンには知られた博物館で、1912年にタイタニック号が沈没した際、ハリファックスの港から救助の船が出されたため、タイタニック号で使用されたデッキチェアや、靴など乗客の遺留品が展示されている。

 アルバータ州のバンフ国立公園内にある、バンフ公園博物館(Banff Park Museum)もおすすめだ。この博物館には、多くの野生動物の剥製が展示されており、巨大なグリズリーの剥製なども展示されている見ごたえ十分となっている。