People. 13 写真家 岡田舞子さん vol.3「トロントに行く前はあんなに息苦しく感じていた 東京での生活も楽しめるようになった」|カナダワーホリを超えた今

 トロントでの生活を終え日本に戻ってから2年が経った。時間の経過の早さに驚きを隠せない。2年の間にはコロナで世界が変わり、海外に行くことも簡単ではなくなった。家からもあまり出ることもなく、生活を制限されることになるなんて誰も思いもしなかったであろう。

 2年間を少し振り返ってみると自身の人生にもいろんなことが起きていた。2年前カナダから帰国した時、運よくイギリスのビザが降り何も考えもせずにイギリスに向かった。でもイギリスでの生活を始めてからすぐにこのままでは何も自分に残らないのではと考えるようになった。ちょうどその頃帰国しなければいけないことが起き、私は心の整理がつかないまま日本に戻った。私の中ではイギリスに戻るか日本に残るかの決断はすごく大きな決断だったと思う。

トロントに行く前はあんなに息苦しく感じていた東京での生活も楽しめるようになった。
それはトロントで生活の楽しみ方を学んだからだと思う

 私は日本で作品を作って生活していくと決め、東京での生活を始めた。すぐに成果が出たわけではないけれど、徐々に仕事も増え、制作もできている。最近では自身の写真作品を発表できる機会も増えた。イギリスでの生活を選ばなかったことを後悔しないために努力をしたと思う。

 トロントに行く前はあんなに息苦しく感じていた東京での生活も楽しめるようになった。それはトロントで生活の楽しみ方を学んだからだと思う。トロントの週末はキラキラして皆が休みを謳歌している。仕事と遊びを上手く分けている人が多いからだろう。そんな生活を今でも恋しく感じる。人生は誰と出会うかで決まるような気がしている。それはどこかにいって出会ってみないとわからないけれど、出会うために動き続けることはすごく重要なのだと思う。

トロントでいろんな人と交流を持てたことによって私は変わることもできたし、この先もトロントでの日々から学んだことを生かして生きていくのだと思う。