ツイッターのフォロワー数5.4万人超 インフルエンサー芳賀勇人さんインタビュー|特集「学びは人から。 経験を成長につなげる。」

投資家に向けに金融市場のヘッドラインニュースを速報する

ツイッター株クラ界隈の有名インフルエンサー
Co-op留学中・CIBCパートタイム
芳賀勇人さん

 2021年に大学を卒業し、現在は、トロントでCo-op留学中の芳賀勇人さん。彼は、カレッジで経営学を学びながらCIBCに勤務し、さらにはサッカーのレフリーも行うなど様々なことに果敢に取り組んでいる。

 そのなかでも、金融市場のヘッドラインニュースを速報するツイッターの活動が投資家の間で話題になり、フォロワー数は5.4万人を突破した。

 一見、オールマイティな印象を受ける彼だが、これまで多くのものを捨ててきたなかで唯一残ったものが今の活動だったという。敷かれたレールの上を歩くのではなく、自分の武器を見つけ、それを磨きつづけるなかで独自の道を作ろうとしている姿に注目してみる。

ー芳賀さんのバックグラウンドについてお伺いします。2014年に大学に進学し、7年間在籍していたとのことですが、学生生活をどのように過ごしていたのですか。

 私は、父と母が教師の家庭に育ったため、幼い頃から自分もそうなるのだと思っていました。そのため、教師を目指して地元の国公立大学へ進学し、英語科を専攻していました。しかし、教師になることに違和感を覚えていた私は、勉強に身が入りませんでした。そこで、以前から興味があった留学を本格的に考え、アメリカの大学へ1年間留学に行くことにしました。最初の半年間は、授業についていくだけで精一杯でしたが、結果として充実した留学生活を過ごすことができたと思っています。そのため、帰国後には日本で逆カルチャーショックを感じてしまいました。そんな中、帰国後の学生生活で何ができるのだろうと考えていた時に簿記と出会いました。

ーなぜ、簿記に興味を持ったのですか。

 色々なものに挑戦する中で、簿記の右と左が常に均衡になっていなければならない点に面白みを感じたからです。また、英語だけ話すことができても意味はなく、プラスアルファで何かがなければ、社会では通用しないと考えています。そのため、英語と簿記に挑戦しました。また、お金がないためにやりたいことができないと感じることが多かったため、お金がお金を生む仕事があれば良いなと思い、金融の道へ進みたいと考えました。

ー大学卒業後、Co-op留学を決めてトロントへ来た理由は何ですか。

 日本で就職することに限界を感じたからです。大学の在籍期間が長かったことが、企業からはマイナスイメージとして捉えられてしまい、日本での就職活動は正直、上手くいきませんでした。そのため、就職するなら履歴書の空白に対して寛容な海外が良いのではと考えるようになりました。そこで、英語と簿記、ツイッターの活動を武器にしてさらに知識とスキルを身につけるため、カレッジで2年間、経営学を学ぼうと決意しました。また、トロントは、バンクーバーに比べて金融のハブになっていると聞いたため、この都市を選びました。

 また、カナダ留学を踏み切ることができたのは、レフリー(審判員)の存在も大きかったです。私は、小学校から高校までずっとサッカーを続けてきて、大学では審判をしていました。審判にもプロが存在していて、私はずっとプロになることを目指してきました。今も審判は、私の中で重要な活動であり、夢です。そのため、海外で試合の審判を経験できることはまたと無いチャンスだと考え、留学を決意しました。現在は、レフリーに登録し、週に1回程度、活動しています。

芳賀さんのトロントライフ

「大学生活の7年とトロントでの7ヶ月選ぶなら、トロントの7ヵ月を選びたい」

トロントでの生活

 トロントに来てからは毎日がとても濃く、充実しています。街の人も治安も良く、生活がしやすいですね。英語の発音も綺麗で、トロントを選んで良かったなと思います。1日のスケジュールとしては、毎朝9時、10時から17時までCIBCで働いた後、カレッジへ向かい、18時過ぎから21時前まで授業を受けます。その後、帰宅し、22時半から深夜にかけてツイッターの活動をしています。これを朝の仕事前にすることもあれば仕事がない日は、空き時間を目一杯使って取り組んでいます。また、USCPA(米国公認会計士)の資格を取得するため、会計の勉強も隙間時間を見つけて取り組んでいます。

カレッジライフ

 カレッジではビジネスアドミニストレーションを専攻しており、経営にまつわる事を幅広く学んでいます。学生の目的や年齢は、千差万別で建築士や会計士など世界中から色々な人が集まっていて飽きることがありません。経営を起点に何か新しいことを起こそうとしている人たちの中で学んでいます。今年の11月に座学が終了するため、その後はCIBCでのパートタイムに注力する予定です。

パートタイムジョブ

 駅の近くにあったCIBCへ口座開設行った時に窓口の人にレジュメを渡してみたところ、それが運良くマネージャーに上がり、働かせてもらえることになりました。業務内容は、小切手やデポジット、海外送金など一般的な銀行の窓口業務をしています。

芳賀さんとツイッター

「SNSは、0→1のフェースが最も大変」

ー個人投資家の間で注目を集めている芳賀さんのヘッドラインニュースですが、今日に至るまでの道のりを教えてください。

 昨年の夏にツイッターを始め、主に日本人の個人投資家向けにヘッドラインニュースを発信するようになりました。SNSは、0→1のフェースが最も大変だといわれています。一般的には、既に多くのフォロワーがいるインフルエンサーの方にリツイートしてもらうことで次第に自分自身も影響力を持ち、インフルエンサーになっていく流れがあります。私の場合もそうでした。昨年の冬ごろにフォロワーが増えはじめ、今ではありがたいことに多くの方にフォローして頂いています。しかし、私は、数字稼ぎが目的でこれを始めたわけではありません。私は、金融の世界に詳しくなりたいという思いと英語の勉強の延長でこの活動を始め、楽しくやっているうちに気がつけば今に至るといった感じです。

ーツイートを拝見していると、日英両方で発信されていますがその理由は何ですか。また、こまめに日々多くの情報を発信されていますが、どのように情報収集をして正確な情報を発信しているのですか。

 正しい情報を伝えるためです。今は、翻訳をアプリで簡単にできてしまう時代だからこそ、私は、そこに穴があると考えています。特に、英語のヘッドラインは省略などもあり、翻訳すると反対の意味になる場合があります。そのため、日英の両方でツイートすることで誤訳を生まないようにしています。また、情報収集に関しては、主にツイッターで一次情報を発信するアカウントのツイートを注視しています。また、CNBCやBloombergを購読して要点を日本語でまとめ、英語のヘッドラインと合わせてツイートするようにしています。総じて、正しい情報を早く簡潔に伝える事を心掛けています。

ーインフルエンサーとして次のステージはどのように考えていますか。

 ツイッターはフォロワー数が10万人を超えると、見えてくる世界も変わってくるのではないかと思います。今の私にはツイッターしか世界とリーチできる接点はないと考えています。これを極め、あとは流れにみをまかせていければと思います。

芳賀さんの原動力と目標

「青天井だから楽しい」

 私のモットーは、自分に限界を決めないことです。金融は、億万長者、レフリーは、ワールドカップとどちらも青天井の世界があり、常に上を見続けることができます。私は、これまで様々なことに挑戦し、そのなかで取捨選択をしながら残ったものに力を注いできました。

 キャリアに関する長期的な目標は、ウォール街の投資銀行で働くか、監査法人で働くことです。中長期的には、来年の11月までにUSCPAを取得することです。

「Don’t judge a book by its cover」

 この言葉には、見かけやパッと見で物事を判断しないという意味があります。私自身、これまでやりたいことや挑戦したいと思ったことに関して両親から頭ごなしに否定されることはありませんでした。両親は、いつも私の話を聞いてくれ、背中を押してくれる存在でした。

 その結果、私は、自分の好きなことをして生きることができています。そのため、私も両親のように懐が広く、聞き上手で否定しない人になりたいです。また、これをしたいと言っている人を後押しできるようなウェルカミングでアクセクティブな人を目指しています。

ー芳賀さんと同年代の人の中には、夢が見つからない、これからキャリアをどう描いていこうか、今のままでいいのかなど「自分自身のこれから」について考え、悶々としている人たちが多くいます。そのなかで諦めずに何かを探し求めている人が海外へ来るケースが多いことも事実です。最後に、自分自身と向き合い、今、海外へ大きな一歩を踏み出した方々へ向けてメッセージをお願いします。

「求めることよりも捨てることのほうが大切」

 世の中は、できることや情報に溢れています。大抵のことは、やりたいという意志と行動力さえあれば、挑戦することが可能です。だからこそ、やれるだけやってそこから捨てるものを捨て、最終的に残ったものを大切にしてみる。それが、自分が好きで続けられるものだと思います。

「いかに捨てるか。捨てて、捨ててそこに何が残っているか」

 私自身、バランスの揃った五角形でなくていいと思っています。綺麗な五角形よりも、見たことないくらいに尖った角のある鋭利な三角形のほうがいいです。そのように私は、何かに突出した尖った人になりたいと思っています。過去を見ても仕方ありません。今、持っているもので勝負するしかありません。外れるだけはずれて、ひたすら尖って、僕はそんな人間です。