東日本大震災以来の大きな地震がふたたび|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第117回】

 ロシアのウクライナ侵攻はこの原稿を書いている4月はじめの時点でまだ続いています。世界が平和であることが、どれだけ「あたりまえ」ではなく「尊い」ことかを実感している今日この頃です。

 日本は新型コロナ・オミクロンによる第6波の影響で1月から蔓延防止等重点措置が出ていましたが、無事に3月21日をもって、日本全国で解除になりました。しかし、オミクロンの威力はすさまじく、岩手県でも収束には程遠く、連日200人から300人の陽性者がいまだに出ています。それでも岩手県は少ない方です。

 3月には東日本大震災の余震かと思うような大きな地震が東北を襲いました。しかも1週間で2回も。1回目の宮城県沖を震源とする地震で東北新幹線が脱線、けが人は新幹線では出ませんでしたが、他で死者を出すほどでした。津波は来ませんでしたが、かなり大きな地震でした。

 私の蔵は、どちらの地震も震度5近かったですが、蔵の被害はおかげさまでありませんでした。しかし宮城県北の酒蔵や酒販店さん、そして福島では瓶がたくさん割れるなどの被害が出ました。そんな中で一番大きな被害は東北新幹線の脱線です。4月20日まで約1か月の間は東北新幹線は部分運航しかできなくなり、青森県、岩手県、宮城県、福島県の一部の人は東京へ新幹線でいけなくなりました。3月末から4月はじめは新生活がはじまり、引っ越しも多い時期です。うちの社員の子供も進学で上京でしたが、新幹線が使えず、夜行バスも満席で親が車で600㎞走って東京へ連れて行ったそうです。あらためて新幹線のありがたさを感じています。

東北新幹線
東北新幹線

 今回の大きな地震2回は、東日本大震災以来の大きさで、福島県の太平洋側では長い間停電も続きました。未だに復旧していない地区もあるそうです。そして今回の地震で東北の火力発電所が全て止まりました。そこに季節外れの寒さも入り、首都圏では電力状況がひっ迫して、強い節電の要請が出たほどです。もう少しでブラックアウトするほどのひっ迫状況だったそうです。

 こうなると、原発へ頼らずに電力を得ようとすると、ロシアの問題のように資源大国でトラブルがあれば一気に電力供給が危なくなる、ということを日本人は身をもって体感しました。自然の力だけでの発電は理想的なのかもしれませんが、実際にこのような危機を体感すると、原発での電力発電の重要さも感じます。なかなか悩むところです。

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