空振りではなく、「素振り」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第110回】

空振りではなく、「素振り」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第110回】

 先月の東京2020オリンピックに続き、東京2020パラリンピックが開催されました。オリンピックが始まるとき以上に日本は新型コロナの感染が爆発的に増えている時期で、パラリンピックの開催は危ぶまれましたが、何とか開催にこぎつけました。開催にあたり新型コロナの影響を受ければ重症化してしまう可能性が高い方がパラリンピックの方が多いと思われますので、くれぐれもオリンピック以上に安心・安全なパラリンピックになることを願っていました。そんなパラリンピックですが、前半でオリンピック同様、金メダルをはじめとする多数のメダルの受賞になりました。

 私の蔵のある岩手県二戸市からもパラリンピックのゴールボールの種目に欠端瑛子選手が出場しました。欠端選手は二戸市出身で、お兄さんが元プロ野球選手ということもあり、二戸市民はみんな応援していました。

 今年の夏はいつもの夏とは違い、気候がとても変動的で、8月はじめまでは、酷暑に近かったのですが、8月に入ると一気に気温が下がり、岩手県は寒いくらいで、雨も多くて、一時期は稲に深刻な問題が出るのではないかと心配しましたが、何とか無事でした。

 今年は雨の多い年で、静岡県熱海市の豪雨災害を筆頭に、8月前半も九州から西日本で多くの雨の被害が出ました。自治体はここ最近は避難指示を出来るだけ出すようにしているようで、それがたいしたことなかったときは「空振り」と言われてしまうのですが、それは空振りではなく、私は「素振り」だと思っています。

 空振りは残念な感じですが、「素振り」は本番に向けての大事な練習でもあります。避難指示が出て避難しても、たいしたことがなければそれはそれでとても良いことであり、避難したことが残念だったとか思わずに、良い練習になったと思えば残念な気持ちも薄まります。ですから、ぜひ自治体には「素振り」をするイメージで、危ないと思ったらすぐに避難指示を出していただきたいと思っています。

 それでも日本は田舎になればなるほど、この避難指示を軽く見る傾向もあり、実際に避難したのは数十人だったという地域もありました。このくらいは大丈夫、と経験値で大雨などを見ていると、現代の大雨はまさに数十年に一度のレベルの大雨になることもあり、経験値で測定できないことの方がはるかに大きいと思いますので、出来るだけ過信せずに迷ったら避難しましょう。東日本大震災でもこの過去の経験からの過信で津波にさらわれた人がたくさんいました。ここまでは津波は来ないという思い込みは本当に怖いものです。

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