『禁酒法』を思わせるような規制|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第107回】

『禁酒法』を思わせるような規制|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第107回】

 東日本大震災から踏み出した次の10年、日本は世界と同じく、新型コロナウィルスの被害に悩まされています。さらに、今年になってから 震度5以上の地震が頻繁に発生しています。日本のゴールデンウィーク中の5月1日にも宮城を震源とする大きな地震がおきました。緊急地震速報が鳴り響き、大きな揺れを岩手も感じました。

 このコロナの時代に、東日本大震災のような大規模な災害がおきたら、当然、避難所へ避難となります。しかし、この避難所、コロナ前の設営が出来ません。密にならないように、空間を取りながらの避難所設営となりますし、パーテーションなどの新たな設備も必要になります。これをちょっと考えると、コロナ前の避難所はまさに「密」でした。あのような状況にならないように避難所設営するには、今の3倍近い避難所を確保する必要があると思います。

 はたして、それは確保できているのでしょうか。避難してくる人も密になるのですが、それ以上に設営する人はもっと密になります。ボランティアも、炊き出しも密になりますし、何よりも炊き出しは1つの大きな鍋から取り分けて配るようなシステムは、今後はあまりにも感染リスクがあり、出来ないのではないかと思われます。そうなると、お弁当頼みになりますが、お弁当をつくる工場が被災してしまったらお手上げです。避難所は何か月も先を考える場所では無いので、数日をどうやって生きながらえるかを考える場所であり、そうするとコロナに罹患するとか、しないとかまで考えるのは難しいのかもしれません。

 もともととんでもない大人数が集う避難所です。そこに大きな人数制限をすれば、避難所の運営自体が成り立たなくなります。ましてや、コロナで医療関係者がその治療に奔走しているときに、避難所が開設されるような大災害がおきたら、それこそ医療関係者は全く足りずに救える命を救えないことの方が多くなるでしょう。一番いいのは、コロナが収束するまで大きな災害が来ないことなのですが、それは神のみぞ知るところで、人はいつ大災害がおきても対応できるように準備をしなければいけません。

 避難所でコロナの感染がおきれば間違いなく大規模クラスターになります。そこからコロナを持ち帰った人が家庭感染、職場感染して、被災地は災害の被害とコロナの被害の二重の苦悩を抱えることが目に見えています。コロナが収束してからだと、こういった事を考えられないのですから、コロナの今、真剣にコロナ時代の避難所の在り方を考えるべきだと思っています。

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Ozawa Canada Inc

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