東日本大震災 10年|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第104回】

東日本大震災 10年|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第104回】

 2010年3月11日。今から10年前。東日本大震災発災。あれから10年、私の感覚では「あっという間」でした。しかし、これは「私の感覚」であり、実際に大きな津波被害を受けていまだに生活再建が震災前より遅れている人や大事な家族を亡くした方にとって感じ方は全く違うのかと思っています。

 思い起こせばあの日も寒かった。自分が生きる人生でこれほど大きな震災を体験するなんて想像もしていませんでした。あの日から私たちは一歩でも前に進めていますか?あの日よりも良いまちに出来ましたか?今でも葛藤する毎日です。

 新型コロナウィルスの影響もあり、震災から10年の節目の年は、予定通りなら様々な復興関連の事業報告や今後の東日本の在り方などのディスカッション、そして日本中、世界中の方々に祈りを捧げていただける機会の場を用意する予定でした。しかし、それはほとんど全てを規模縮小、もしくは中止せざるを得ませんでした。

 10年経過すれば、人の記憶も風化します。だからこそ、10年の節目で再度東日本大震災の被害に寄り添っていただき、そこから新たな防災意識を日本全国、そして世界が高める場だと思っていました。新型コロナウィルスの影響さえなければ、と毎日残念に思っています。

 そんな中でも、地元の新聞である岩手日報は震災から10年の節目を機に、次の5つの生活再建の提言をまとめています。

  • 1. 最後の一人まで寄り添う支援を
  • 2. 避難所の質向上と早期解消を
  • 3. 「仮設」確保へ事前の準備を
  • 4. 5年以内の再建へ制度設備を
  • 5. 遠隔避難者の把握をしっかりと

 どれも全て大切な事ですが、私はこの中から4番目の「5年以内の再建へ制度設備を」が最も大事だと考えています。建物の再建はすぐに出来たとしても、心の再建には時間がかかります。今まではそれを制度が無いので創りながら対応してきましたが、後手になることが多く、東日本大震災を機会に様々な制度設備を今整えることで、今後日本各地で起こりえる災害に対応できるのだと思っています。

 震災で亡くなった人は戻ってきません。だけどその失った命に報いるためにも生き残った私たちが次の震災でどれだけ被害を軽減できるか、経験から導く新たな制度や設備を整える知恵を集めて未来に向けて進まなければいけません。

 地球の大きな時間軸の中では10年などほんの一瞬だそうです。先日も大きな地震があり、東日本大震災の余震と言われました。世界中からたくさんの支援に心から感謝をし、この先の10年をまた歩み始めていきます。

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