陽はまた昇る。|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第101回】

陽はまた昇る。|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第101回】

 日本では安倍前総理の突然の辞任によって、新しく菅政権が誕生しました。日本酒の世界も新型コロナウイルスの影響で、飲食店さんの消費がまだ戻らない中、各蔵必死にこの苦境を乗り越えようとしています。新政権誕生により、新型コロナウイルスの報道も少なくなり、また日本は100万人のうちの死者数も世界でダントツに少ない事もあり、新規感染者は横ばいが続きますが、死者が少ないので、コロナと共存する社会を迎えつつあります。

 政府の経済対策の一環として、Go Toトラベル事業もはじまりました。「コロナが終息していないのに、旅行とかおかしい」という方々も多くいます。確かにその通りなのですが、コロナが終息するのがいつなのか、明日なのか1年先なのか10年先なのか、誰にもわかりません。その間に経済がボロボロの日本は企業が生き残ることがかなり難しくなります。特に航空会社などは日本だけではありませんが、世界各地で大変な状況になっています。もちろん日本も2020年東京オリンピックに向けて、外国への路線拡大を進めていた関係もあり、全日空などはとても大きな赤字幅になっています。飲食産業も大変ですが、これは旅行産業にも結び付いているものでもあり、人が動かないと間違いなく飲食は伴いませんし、そうなると私たち日本酒も飲食店での売り上げを回復することが難しくなります。

 しかし、経済をあまりにも重視すると感染者の拡大が増えるのも当たり前。欧州やアメリカでは第2波とか第3波とか言われるほど、大規模な感染拡大が起こっているのも事実です。日本人は手洗い、うがい、マスクに関して日常的に受け入れていること、また家の中では靴での生活ではなく、靴を脱いで生活することなども含め、抗ウイルスに対する生活様式が今までの歴史で出来ていたことも感染拡大に歯止めをかけているのだと思います。油断はせずに、しっかりと感染防止対策をして、どんな未来が来るかわかりませんが、生活してきたいと思います。

 東日本大震災からもうすぐ10年の節目の年になります。政府は追悼式など大掛かりなものはやらない方向に進める方針のようです。それは仕方ないかと思いますが、心だけは東日本大震災の被災地から離れないように、それだけは切に願いたいとおもいます。来年3月の10周忌を迎え、そこから東日本大震災の事はトーンダウンしていくのだと覚悟していても、まだ行方不明の方々もたくさんいますし、遺族の方々はさらにつらい気持ちも持っていると思います。復興の格差も出てきています。私たち岩手の人間も、東日本大震災を忘れないようにこれからも生活していきたいです。あれは、沿岸部でのみおこったことではなく、日本全体にとって大変な災害だったと後世に伝えるために。

オンタリオ取扱い代理店:
Ozawa Canada Inc

現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。

南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp