TOEICが大学入試で使えるようになるって本当?|かおる先生のプチTOEICセミナー

TOEICが大学入試で使えるようになるって本当?|かおる先生のプチTOEICセミナー

※こちらの記事は2019年3月にTorjaに掲載されたものを転記したものです。

 2020年の日本の教育改革では、英語教育が大きな改革の一つに掲げられ、4技能(聞く、読む、話す、書く)を重視する教育に変わろうとしています。大学入試においても、4技能評価、民間資格・検定試験の活用が始まり、TOEICの受験利用も認められます。

Q もうすぐTOEICも大学入試で使えるようになるのですか?

Aはい、2020年度の大学入試からTOEICも英語試験に利用することができます。

「共通テスト」の英語試験に、TOEICの提出が可能に

 2020年からセンター試験が「大学入学共通テスト」というものに代わり、その英語試験にTOEICを含む7つの民間試験の結果を利用することができるようになります(注1)。TOEICには高校生にとって馴染みのないビジネス表現や内容を含みますが、TOEFLやIELTSのようなアカデミック英語試験に比べると比較的易しく、勉強しやすいというメリットがあります。また、受験料も5,725円(税込、日本での受験)と他の試験よりも安い上に、ほぼ毎月、全国の会場で開催されていて利便性が高いため、受験する生徒は今後増えると思われます。

高校卒業時に目指したいTOEICのレベルとは?

 共通テストにTOEICを利用するとして、一体どれくらいのスコアが求められているのでしょうか。文科省の方針として、高校卒業時の生徒の英語力を「CEFR(注2)のA2~B1レベル以上を目指す」としています。これをTOEICに照らし合わせると、625点~1,555点です。注意したいのは、この点数はTOEICリスニング&リーディング(L&R)テスト単独ではなく、スピーキング&ライティング(S&W)テストも合わせた点数だということです(注3)。

TOEIC S&Wテストも今後主流に!?就活への影響は?

 2024年度以降の共通テストの英語試験は、資格・検定試験に一本化する方針が打ち出されています。これにより、英語の「聞く、読む、話す、書く」の4技能を測ることが可能になります。TOEICの場合、これまで日本で主流だったものはL&Rテストでしたが、入試においてはS&Wテストは必須となります。こうした英語教育改革の流れを受け、就職活動などの場面においても今後、期待される英語力のあり方が変わってくることは十分に予想されます。これまで、就職活動でS&Wテストが求められることはほとんどありませんでしたが、今回S&Wテストが大学受験の必須試験に加わったことで、近い将来、L&RテストとあわせてS&Wテストのスコアを要求する企業が増えてくるかもしれません。

注1: 共通テストに民間試験として利用可能な試験は、ケンブリッジ英語検定、TOEFL、IELTS、TOEIC、GTEC、TEAP、実用英語技能検定(英検)の7種。大学受験年度の4~12月に受検した2回までの結果を利用できる。 
注2: CEFR(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment:外国語の学習、教授、評価 のためのヨーロッパ共通参照枠)。 注3: TOEIC L&R/ TOEIC S&Wについては、TOEIC S&Wのスコアを2.5倍にして合算したスコアで判定。