第27回 それでも長期投資ならきっと救われるはず|みらいのカナダ株式投資大作戦

第27回 それでも長期投資ならきっと救われるはず|みらいのカナダ株式投資大作戦

 こんにちは!みらいあせっとです!今回は2022年のカナダ市場や米国市場の話題を紹介します。

 記事執筆時点(2022年9月時点)で米国株もカナダ株も数か月近い低迷を続けています。米国株は年初来から株価の下落が続き、最高値から約20%の下落

 一方、カナダ株(S&Pトロント総合指数)は4月までは持ちこたえたものの、その後は停滞が続いています。

 「このまま投資し続けていいのかな」と不安を感じるような、そんな状況が続けていますよね。

 ですが、わたし個人は「この停滞状況が長く続いたとしても、やがて終わりを迎え、その後は新たな株高が始まる」と考えています。言い換えれば、今の停滞は投資する上でのチャンスになる。そう思いつつ、投資を続けています。
 というお話をこれから紹介していきますね。

今、なぜ株価が上がらないの?

 株価が上がらない理由の1つにアメリカやカナダなど、世界各国の金融政策の影響が挙げられます。というのも、日本を除く先進各国は現在の過剰とも言えるインフレ(物価高)を抑えるために金融引き締め(利上げ)を歴史的なスピードで進めています。

 カナダは最近の物価はどうですか?少し前に比べ物の値上がりがキツイなどと感じていませんか?

 過剰なインフレは社会を壊す恐れがあります。極端な例を挙げれば、かつてハイパーインフレでの社会不安がドイツに独裁政権を生んだように。
 そのため、「過剰なインフレを抑えなければいけない」というのが現在の各国の方針です。

 ちなみにカナダは2022年7月に1%の利上げを行っています。これは日本やアメリカなど主要7か国(G7)が直近で行った利上げで初めての水準です。

 ところで、金融引き締めの副作用が株価への影響です。金融引き締めは、巡り巡って企業業績にも影響するからです。
 2022年以降の相場の神経質な展開は、カナダやアメリカなど各国の中央銀行の方針が影響しています。金融引き締めの目途がつかないうちは、まだしばらく停滞が続くのでは?と個人的には思っています。

それでも長期投資ならきっと救われる

 といろいろ不安の募る時期ではありますが、今投資を続けることで、将来きっと大きな収益につながるとわたしは考えています。

 実は過去にも世界的に高いインフレ率が続いた時期がありました。それが1970年代から1980年代前半の頃です。
 この時、アメリカでは10年以上株価が低迷し続け、「株式市場は死んだ(The Death of Equities)」とさえ言われました。アメリカと一心同体のカナダ市場も年単位の長期低迷が続きました。

 しかし、わたしたちは知っています。現在のアメリカやカナダ市場の株価は1980年代の株価よりもはるかに高いことを。
 1980年代の高いインフレ率も最終的に抑えられ、再びアメリカやカナダ、そして世界の株価は上昇し始めたのです。

 個人的にはコロナ感染症が始まった2020年から「別の世界に迷い込んだのでは?」と錯覚したりします。パンデミックに戦争にとちょっと悪い話が多いなって。
 しかし、一方でコロナのワクチンをはじめ、今もなお新しい技術が生まれているのを忘れてはいけないですよね。

 遠い将来から振り返れば、現在は良い買い場に見える。わたしはそう信じています。

1980年代のインフレ抑制後に起きたこと

 ところで、1980年代の世界的なインフレが抑制された後、ある経済大国で一大バブル相場が生じました。
 どこの国だと思いますか?そうです、日本です

 当時、アメリカはインフレ対策の副作用としてドル高が進み、国内産業の空洞化や貿易赤字が社会問題になりました。そこで、ドル高を抑えるために日本を含む先進各国の為替介入が行われました(プラザ合意)。

 為替介入の結果、日本円は円高となり、産業への悪影響が懸念されます。その円高対策として行われた金融緩和策(公定歩合引き下げ)がバブル相場のきっかけとされています。

 実は、2022年現在の米ドルはITバブル以降でもっとも強くなっています。これは1980年代同様にインフレ対策が原因です。
 もしかしたら、この停滞の先にある相場は、「リーマンショック以降の巨大IT企業が独り勝ちする米国株」とは全く違うものかもしれませんね。