第25回 株安時にこそ狙いたい 「ワイドモート」銘柄|みらいのカナダ株式投資大作戦

第25回 株安時にこそ狙いたい 「ワイドモート」銘柄|みらいのカナダ株式投資大作戦

 こんにちは!みらいあせっとです!2022年は株価がパッとしない、そんな相場が続きますね。あなたの資産形成の状況はいかがでしょうか?

 日本では、3月以降の急激な円安と、それに伴う輸入品の値上がりが大きな話題になっています。世界は株安なのに、円安で円換算の株価が上がってしまい、外国株を安く買えないというじれったい状況が続いています。

 さて、今回は「ワイドモート(経済的な堀)」の話題を紹介します。

 現在のような株安時は優良企業の株式を安く買うのに適したタイミング。その中でも特に長期投資に向いている優良株を探す考え方の1つとして、「ワイドモート」を活用しようというお話です。以下、一緒にみていきましょう!

そもそもワイドモート(経済的な堀)とは

 ワイドモートとは、世界的なブランド力を持っている、または法律的な制限があるなどの理由で、他社の参入障壁が高いビジネスを指します。また、そういったビジネスを行う企業のことを「ワイドモート銘柄」と呼びます。

 他社の参入障壁の高いビジネスを手掛ける企業は、長期にわたって高い利益を上げる可能性が高いです。そのため、わたしたち投資家にとっても、長期間にわたって利益をもたらしてくれるでしょう。

 さて、米国株投資家として、SNSでも有名な広瀬隆雄氏の記事によると、ワイドモート銘柄の条件に以下の7つの項目を挙げています。

1. 普通の企業以上に儲かっていること
2. 事業規模がバカでかいこと
3. 市場占有率が圧倒的であること
4. ロー・コスト体質であること
5. 有名なブランドを持っていること
6. ネットワーク効果があること
7. ユーザーや顧客にとって乗り換えコストが大きいこと

 基本的には、特定の分野で圧倒的な強さを持つ企業がワイドモート銘柄と言えそうです。

 ところで、書籍「千年投資の公理」では、ワイドモートとして勘違いされやすい項目に「素晴らしい製品」「優れた経営陣」などが挙げられています。

 わたしたちはついつい、SNSで目立つような派手な新商品、発言力のある経営者、時代の先端を作るような成長企業に注意を向けてしまいます。が、ワイドモート銘柄は必ずしも、そういう企業ではない、というわけですね。

具体的にはどんな企業?

 さて、肝心なところですね。「ワイドモート銘柄って具体的にどの企業?」先ほど引用した書籍「千年投資の公理」によれば、ワイドモートはそもそも、業種ごとに優位性を作りやすい業界、優位性を作りにくい業界があるとされます。書籍の記述を参考に、カナダ株式で、ワイドモート銘柄が存在しやすい業種を考えてみると、例えば以下のようなセクターが当てはまりそうです。

 一例を挙げると、エネルギーパイプラインは堀を持ちやすい事業です。パイプラインの設置は法的な認可が必要で、加えて設置コストも莫大ですから、他社が容易には参入できないためです。

 ということは、この業種での大企業「Enbridge」「TC Energy」はワイドモート銘柄と言えます。

 また、金融も規制で守られた業界ですから、「Toronto-Dominion Bank」「Royal Bank of Canada」なども堀を持つ銘柄と言えそうです。

 ちなみにネット上では、鉄道株の「Canadian Pacific Railway」「Canadian National Railway」をワイドモート銘柄に挙げる記事も見かけます。たしかに両社とも参入障壁の高いビジネスを有していますね。

逆にワイドモートを持ちにくい企業は?

 「千年投資の公理」によれば、ワイドモートを持ちにくいセクターの1つ「素材セクター」です(ただ、「Nutrien」は堀を持つとの見方もあります)。

 カナダ株式の場合、例えば金鉱株は全体的にワイドモートを持つとは言いがたい業種かもしれません。金鉱株は業務内容の差別化が図りにくく(せいぜいコスト勝負)、保有する鉱山の品位で業績も決まってしまうためです。

 また、(素材セクターではありませんが)大麻株も堀を持ちにくい業種のように思います。そもそも赤字企業が多く、堀以前の話ですけど。笑

まとめ

 というわけで、今回はワイドモート銘柄の話題を紹介しました。もし、ワイドモート銘柄でポートフォリオを作るきわにはならば、複数の銘柄を選び、十分に分散させながら、長期運用していくのがオススメです。

 記事を書いていたら、わたしもカナダ株のワイドモートポートフォリオが作りたくなってきました!