第12回 カナダの金鉱株投資で一発逆転!?|みらいのカナダ株式投資大作戦

第12回 カナダの金鉱株投資で一発逆転!?|みらいのカナダ株式投資大作戦

今回は金鉱株の話題を紹介します。
 金鉱株ってどんな印象を持ちますか?わたし個人はちょっと怪しいというか、桃太郎電鉄(桃鉄)の「隠し金山」のイメージが強くて、「普段は赤字だけど当たると大儲け」みたいな、そんな印象を持っていました(笑)。

 日本にある金鉱株は「住友金属鉱山」だけです。日本は、どちらかといえば半導体ゴミからゴールドやその他金属を回収する都市鉱山株や、海外の金鉱山の権益だけを取得する商社株が主体で、金鉱株にはなじみのない市場です。

 一方、小規模な企業から大規模な企業まで、様々な金鉱関連企業が乱立しているのがカナダの株式市場です。カナダならではの株式として、知っておくと役に立つ・・・かもしれません。以下、一緒にみていきましょう!

金鉱株とは?

 金鉱株とは、金鉱山からゴールド(純金)を採掘する企業の株式のことです。2020年にバフェットが買ったことで有名になったBarrick Goldがカナダの代表的な金鉱株です。

 地質学的に特定の条件が整うと、純金やその他の貴重な金属が農集する地帯(鉱床)ができる場合があります。金鉱株はそのような鉱床地帯を探査し、掘削を行って、採掘された岩石から純金を取り出して売却し、収益を得ています。

 米国上場の金鉱株ETF「GDX」を見ると、時価総額の43.19%がカナダの企業です(2021年5月末時点)。同様により小規模な金鉱株に投資できるETF「GDXJ」を見ても、時価総額の48.17%がやはりカナダの企業です。

 カナダには全部で何社の金鉱関連企業があるのでしょうね?

 ちなみに、自社で鉱山を持たず、資金提供する代わりに権利を買うタイプの企業もあります。カナダ企業の中ではFranco Nevadaが有名です。

金鉱株に投資して利益を得るには

 一般に、株式市場で金鉱株が話題になるのはゴールドの価格が値上がりした時です。ゴールドの価格が値上がりすると、企業業績も良くなるからです。2020年3月のコロナショック後の相場では、ゴールドの価格上昇に伴い、金鉱株にも注目が集まりました。

金鉱株を理解するために、「ギアリング効果」という言葉が役立ちます。

 一般に、金鉱株の採掘コストは「AISC(All-In Sustaining Costs)」という数値で示されます。AISCとは鉱山の探査から採掘、閉山までにかかるコストを求めたもので、人件費などの変動しにくいコストも含んでいます。

 一方、金鉱株の売り上げはゴールドの相場とともに変動します。その変動が金鉱株で大きなリターンを生む秘密です。ちょっと計算してみましょう。

 例えば、AISCが1000ドルの鉱山があり、採掘されたゴールドを1500ドルで売れるとします。するとこの鉱山の利益は500ドルです。

 しかし、ここでゴールドの価格が2000ドルに値上がりしたとします。すると、鉱山の利益は1000ドルになり、2倍にも増えてしまいます。

 この「コストはほぼ変わらないが、売上高が変動し、利益が急激に増大すること」がギアリング効果です。

 ゴールド値上がり時に金鉱株が話題になりやすい理由は、利益が急激に増えることで株価が大きく上昇しやすいからです。そのため、金鉱株の相場にうまく乗れれば、大きなリターンを生み出せる可能性があります。

投資上の注意点

 ギアリング効果は下落相場で不利に働きます。ゴールドの値下がりに伴い、急激に業績が悪くなるためです。

 このような特徴もあって、金鉱株はいつも値動きの大きい投資です。安定的な運用を志す投資家には向いていません。

まとめ

 今回はカナダの金鉱株について紹介しました。

 長期の分散投資を考えた時には金鉱株よりもゴールドそのものに投資したほうが良いです。バフェットは「ゴールドは配当を生まないから」との理由でゴールドそのものへの投資を避けましたが、過去の実績では金鉱株よりゴールドのほうが優秀でした。

 そのため、金鉱株を買うならば短期の値上がりに賭ける投資が向いています。

 筆者が調べたところでは、だいたい2年より短ければ金鉱株の期待値が高く、それ以上はゴールドの期待値が高いという結果でした。

 これからゴールドが値上がりするかはわかりませんが、上昇しそうだと思った時には、資産の一部を金鉱株に割り振ると大きな利益を得られるかもしれませんね。