株式投資への第一歩 みりさん カナダ在住5年|特集「カナダライフのヒント6人のストーリー」

株式投資への第一歩 みりさん カナダ在住5年|特集「カナダライフのヒント6人のストーリー」

2015年10月に学生ビザでカナダに来たみりさん。半年間英語の勉強をした後、ワーホリ制度で1年間滞在。その後、働いていた会社でワークビザを取得し、昨年10月に永住権を取得した。未曾有のパンデミックによって休職を余儀なくされたのを機に投資の勉強をはじめた。現在ではカナダ株だけでなく、仮想通貨などをトレードしているみりさんに投資の魅力を語ってもらった。

一歩を踏み出してわかったこと

POINT 1.「カナダ株は高配当株が多いので、カナダに投資することで毎月配当金がもらえること」

 日本で働いていたころは、お金はすべて地元の地方銀行の預金口座に入れていたのですが、そこから得られるキャッシュフロー(利子)は半年に一度「8円」だけでした(笑)。

 カナダで貯金をはじめて、BMOのSavings Builder Accountという少し利率がいい口座にお金を入れるようになって、毎月50ドルほどもらえるようになりました。

 今はコロナショックで金利が下がって、受け取れるお金も少なくなってしまいましたが、それでも日本と比べると高い利子に喜んでいました。

 しかし、投資をはじめるようになって高配当投資をはじめると、毎月入ってくるお金がもっと増えました。今は平均して配当を毎月180ドルほど得ています。

 カナダは高配当銘柄が多い「金融(銀行)」「エネルギー(オイル)」の2セクターが全体の40%ほどを占めています。

 移民もどんどん受け入れていて、人口増加による経済成長も見込めるので、キャッシュフローを増やしたい私としてはなかなか良い投資先だと考えています。

POINT 2.「TFSA・RRSPといった税金面で有利な制度があること」

 私なりにざっくり言うと、TFSAは投資による利益に対して税金がほぼかからない特別な口座、RRSPは税金の計算をするとき、入金した分の金額を収入から引いて所得税が減らせるというメリットがある特別な口座というかんじです。こういった口座は日本にもNISA、iDeCoがありますが、こうした税金面で有利な制度があると、投資も始めやすいですよね。銀行のSavings Accountからもらった利子に対してはきっちり税金を取られますが、TFSA内でもらったカナダ株からの配当金には税金がかからないのもうれしいポイントです。

こころの開放

POINT 3.「自由な時間が増えたこと」

 東京で働いていたころは平日は「仕事だけで1日がおわる」という感じでした。仕事から帰ったら、ご飯作って食べて、お風呂はいって、すこしテレビを見たらもう寝ないと!という日々で、あっという間に時間が過ぎていたように思います。

 一方カナダでは、仕事の拘束時間がかなり短くなりました。その結果、仕事後の自由時間が大幅に増えて、永住権をとるためのIELTS対策や、お金の勉強に取り組むことができました。今はその時間に副業をしたり、銘柄のリサーチをしたり、ブログを書いたりと好きなことをしています。大きな公園やビーチが近くにあるので、1時間ほど散歩にいくこともあります。日本にいたころの生活と比べると、かなりゆったりと過ごせていると思います。

いつも散歩しているイングリッシュベイ
いつも散歩しているイングリッシュベイ

POINT 4.「カナダで投資をはじめて、お金に対する心配が減った」

 日本で働いていたころは「悲しいほどに給料がすくない」→「遊びたい・買い物したいからお金使う」→「クレジットカードの支払いが心配」→「当然貯金できない」という感じで「やばい。カードの支払いもうすぐだ。お金足りないかも…」とよく心配していました。

 当時大学院生だった元カレに「千円貸して」と頼んで、「社会人なんだからお金の管理くらいきちんとしてよ!」と激怒され、とんでもなく情けない気持ちになった悲しい思い出です。若かったことと、周りの人に恵まれて、さいわい楽しく暮らしてはいましたが、マネーリテラシーのかけらもないライフスタイルでしたね。

 カナダに来て働き出してからは、貯金ができるようになり、投資をはじめて、お金の勉強と実践もするようになったことで、そういった心配をすることがなくなりました。

 今こうやってお金のことで精神的に不安定にならずに過ごせるのはとても幸せなことだと思います。

向上心と気づき

POINT 5.「経済、世の中の仕組みをすこーし理解できるようになった」

 大学は文学部だったのですが、主に飲み会とバイトに明け暮れていたので「経済」については全く勉強することがありませんでした。物価指数?こようとうけい?ニュースで聞いたことある!けど、何かは知らない。「インフレ」は中学で習ったからなんとなくわかる!というレベルだったのですが、今は「金融緩和」とはなんぞや、「政策金利が下がるとどうなるか」といったことがわかるようになってきました。

 「資本主義」というシステムの中ではお金はどういう風に流れて、どういう風に増えていくのか。誰が得をするのか。といったことが少しずつ見えてきたかんじです。まだまだ勉強中ですが、世の中の仕組みを知っていくのはおもしろいです。

POINT 6.「いろんな価値観があること、人それぞれでいいことを知って、自分にとって豊かな人生って何かを考えられた」

 バンクーバーでさまざまな国の人と出会ったことで、たくさんの新しい価値観にふれ、自分の中で多くの発見がありました。たとえば、ブラジル人の友人は家族や友だちとのつながりをとても大事にしていて、いつもブラジルにいる家族とやりとりをしていて、私にとっては衝撃でした。それまでは家族と何ヶ月も連絡を取らないことがあったのですが「私ももっと家族とのつながりを大事にしたい」と思って、こまめに連絡をとるようになりました。

 また、仕事を1年休んで世界一周していたスイス人の友人は、私が「お金をめちゃくちゃ使ってるけど、途中で資金がなくなったらどうするの?」と聞いたら、「お金がなくなったらスイスに帰ってまた働けばいいからー!とにかく世界中のいろんなものが見たいし、今日を楽しむことが一番大事なの」と言っていてスーパーポジティブでした。強いなー。それくらい大胆に考えられたら人生楽しそうだなと思いました。

 それって投資に関係あるの?と思われたかもしれませんが、投資を始めるにあたって「投資をする目的・理由、自分にとって大事な価値観は何か」を考えることは重要です。

 「私が投資をする目的」ってなんだろう?「自分にとって豊かな人生」ってなんだろう?ということを考えたとき、カナダで体験したことは大きく影響していると思います。

 日本にいたころの私は「好きなだけ洋服やバッグを買うため!」とか答えていたと思うので、いろいろな経験を積んで人生について少し深く考えられるようになったのは良かったなと思ってます。

みりさん
出身地: 福岡

カナダのここが評価できる!

 労働環境は日本で働いていたころと比べると、とてもいいと思います。勤務時間が短くなったのに、給与水準が高いため収入が増えました。森やビーチが近くにあるので、すぐに自然を楽しむことができるのは精神衛生上とてもうれしい点です。

 夏は湿気がまったくない気持ちのいい晴天がつづくので住むにあたってとてもいい気候だと思います。冬は雨ばかりで苦手ですが…室内はあたたかいので、そこは良い点です。

お気に入りの場所:

イングリッシュベイ
 いつも散歩していて癒されるから。

Duffin’s Donuts
 Duffin’sのサンドはボリュームがあって安くておいしい。旅行の前にいつも立ち寄るので、Duffin’s Donutsにいくとワクワクします。

ブリュワリーのパティオ
 夏のバンクーバーで外でビール=最高です!

死ぬまでカナダに住みたい?

No。日本が大好きなのと、他の国にも住みたいから。

いまのハッピー度

好きな言葉

千里の道も一歩から

私の人生こんな風になれば良いな

 旅行が好きなのと、冬のバンクーバーが苦手なので、春・秋は日本、夏はバンクーバー、冬はハワイかどこかの国、というノマドライフを送れたらいいなーと思っています。その生活費の一部分をカナダ株等からの配当でまかなえたら最&高です。