今日は特定の例を挙げながら私の見解をお話し、このようなことが起こらないようにするにはどうしたらいいか、お話します。
知らなかった事実
お付き合いをしている期間にお互いのことを深く理解できていた、と思っても、実際にはそうでないこともあるようです。弊社にて家族移民(結婚、Common-law)における移民申請のコンサルテーションを受けた方で、過去「衝撃の事実」と反応された具体例をご紹介します。
● 離婚したと聞いていたが、実際にはしていない
● 過去12ヶ月以上同棲していたCommon-lawがいた
● 過去のパートナーとの子供の有無
● 前妻との間にいる子供の養育費滞納
● 過去の犯罪歴
● 破産歴
● Income Tax(確定申告)をしておらず、税金を納めていない
● 収入が無い
● 収入額が聞いていた事実と違う
● 収入はあるが、別人のSIN番号を借りて収入を得ている
● 職種が聞いていたものと違う
● カナダ政府より金銭的に援助を受けていた期間があった
● カナダ政府に虚偽の事実を申告して、以前のパートナーと共に移民権を取得した
上記どれもがお相手の方にとってはショッキングな事実であったようです。中にはこれらを知ったことが原因で関係を解消し、日本にご帰国された方もいらっしゃいました。
内容によってはお客様のショックの度合いがあまりにも強く、私からお客様にかける言葉が見つからないこともありますが、申請者が女性の場合同じ女性として「今この事実が分かって良かったのではないかと、ポジティブに考えてみて下さい」とお伝えしています。
申請準備をしている間に発覚するよりも、これらの事実を予め知った上でそれでもカナダ政府に移民申請をしたいのか否か、判断する機会ができると思うのです。
ただお客様によっては、過去「コンサルテーション中に述べられた事実と、実際にご提出頂いた書類の内容に矛盾が発生する」ことがありました。
例えばスポンサーの方が私とのコンサルテーション中に、「毎年Income Taxはしっかりとファイリングしています」や「年間の収入はXXXXドルです」とおっしゃったにも関わらず、いざ移民申請の準備に入った途端、書類をご提出下さいとリクエストすると「○年からIncome Taxのファイリングはしていないので税金を納めていない」や「収入はあまり無く、親族に援助してもらっている」など、新しい事実が次々と発覚したこともありました。
「見栄」を張ってしまう気持ちはわかりますが、これでは私も正確な法的アドバイスをすることができません。また私に対する質問に嘘をついたことや、相手にも嘘をついていたことが明るみに出たことで、お二人の関係が崩れてしまったケースも残念ながらありました。
コンサルテーションを依頼する前に知っておくべきこと
私はカナダ政府公認コンサルタントとして、お客様の守秘義務を遂行しなければなりません。従ってどのコンサルテーションを始める前にも「今日は個人的なことを沢山お伺いするかと思いますが、守秘義務がございますのでご安心なさって下さい」と最初にお伝えしています。
配偶者カテゴリーにおける家族移民申請をご希望の場合、私にとってのお客様は二人、つまり主申請者とスポンサーとなりますので、どちらかお一人ではなく、ご両人のバックグランドを正確に把握してから法的アドバイスをする必要があります。従って不都合なことであっても、正確なアドバイスを受けるためには(お客様は私に)事実に基づいた情報を包み隠さずお話して頂く必要があるとお考え下さい。
お互いのことを熟知していると思っても、意外と把握していないこともあるかもしれません。念の為、前途した「具体例」についてお相手の方と確認し合ってから、コンサルテーションに申し込むことも一つの手ではないかと思います。またコンサルテーションは個人的なことを話し合う場ですので、心から信頼できる方に依頼することをお勧め致します。