Proxy Marriage|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

Proxy Marriage|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
 COVID-19が原因でパンデミックに陥ってから、既に1年9ヶ月が経ちました。この間、お客様からご相談頂く内容についても少しずつ変化が見られるようになりました。今月は最近になってご相談が増えてきている、「Proxy Marriage」という言葉について詳しくお話します。

ご相談内容

 本年後半より、特殊な状況におけるSponsorship移民申請のご相談を受けるようになりました。その例を幾つか挙げたいと思います。

● パンデミックでカナダ人の婚約者と離れ離れになってしまった。渡航規制が原因で彼が日本に入国できないこと、ワクチン未摂取で私がカナダへ渡航できないため、カナダ在住の彼に婚姻届けに署名してもらってから日本へ郵送してもらい、私が日本で婚姻届を役所に提出し、正式に受理されて結婚が成立した。
● 日本・カナダではない国にて現在カナダ人のパートナーと居住しているが、その国では外国人同士がその国の方法で結婚することを禁じられているため、私達はその国に居住しているまま、日本在住の親族(代理人)に依頼して、役所へ婚姻届を提出してもらい、受理されて結婚が正式に認められた。

 この2つのご相談を読んで、既にお気付きになった方もいるのではないかと思います。いずれのケースも「二人あるいはどちらかが不在である状態で」日本において結婚が成立しているということです。

日本では認められるが

 たとえ日本では代理人による婚姻届の提出が認められていたとしても、このような方法にてカナダ人或いはPR保持者と結婚された場合、カナダの法律上「Proxy Marriage」、すなわち不在結婚とみなされ、Sponsorship(結婚カテゴリー)におけるPR申請の権利を自動的に剥奪されるということを重々承知していて下さい。

 この状況を避けるためには、まずしっかりと移民法におけるProxy Marriageの定義を理解している必要があります。

□ 結婚する当事者のうち、双方、或いは一人が結婚時に不在であった場合
□ 電話、Fax、Internet(Skype、Zoom、FaceTime)等を通して結婚が執り行われた場合
□ 代理人が結婚届を提出して受理された場合

 但しこの定義に該当しない(すなわちProxy Marriageとみなされない)場合は以下となります。

□ カナダ人が軍隊に所属しており、結婚時に出席することが困難であったと認められた場合
□ 2015年6月11日以前にSponsorship申請を行った場合

解決策

 残念ながら、法律は法律です。プロに相談しても、法律を変えることはできないということをご理解下さい。従ってこの定義に該当する方は結婚の定義を満たさないため、Sponsorship申請(結婚)はできないこととなります。これを踏まえた上で、少し視点を変えて考えられることをお勧めします。

 通常、この状況に陥っているお客様からご相談頂いた場合には、やはり結婚のカテゴリーでSponsorship申請は不可能であるため、そのお二人が移民法における「Common-law」の定義を満たしているかということを精査します。ご相談頂いた時点では残念ながらCommon-lawの定義を満たしていない場合、将来的にSponsorship申請をCommon-lawカップルとしてするためには、具体的にどのようなタイムラインで、どのような準備をしていかなければならないかということをしっかりとプランニングします。

Proxy Marriageであったということを知らずにSponsorship申請してしまった場合

 自分で移民申請の準備をし、Sponsorship(結婚カテゴリー)申請を済ませたが、気になって調べたところProxy Marriageであったということが判明した。これからどうなるのか、というお問い合わせを頂いたことがあります。この場合、起こりうるシナリオは下記2つとお考え下さい。

● Proxy Marriageであると判明した時点で、IRCCのオフィサーが「Common-lawの定義を満たしているか否か」という審査を開始する。定義を満たしている可能性があると判断された場合、関連書類(特定のフォームやその他Common-lawであるということを証明する様々な書類)を追加書類として提出要求される。書類を全て提出し、晴れてCommon-lawの定義をを満たしていると認められた場合、PR承認の可能性が出てくる。
● Refusal

事前に調べる・相談すること

 Proxy Marriageに限らず、移民法には「移民申請自体ができなくなってしまう程の」致命的な条項が存在します。不安に思うことがあった場合には必ず行動に移す前に下調べ、或いは移民弁護士・政府公認移民コンサルタント等のプロフェッショナルに相談し、法的アドバイスを受けることを強くお勧めします。