Common-law(事実婚)としての移民申請について|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

Common-law(事実婚)としての移民申請について|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
 2020年3月にパンデミックに陥ってから、1年半が経ちました。オンタリオ州はロックダウンに幾度もなったためとても長く感じられたのではないかと思います。人々の生活が大きく変わってしまいましたが、この間、お客様からいただくご相談内容も随分と大きな変化が見られました。

 ご相談の数が一番増えたのは、カナダ人、或いはPR保持者とのCommon-law(事実婚)としての移民申請についてでした。オンタリオ州においてロックダウンが幾度も行われたこと、日本もオリンピック・パラリンピックで感染者数が増加していることを考慮した上で日本へ帰国されることを一時的に断念し、パートナーと継続してカナダで同棲するということを強いられた方が沢山いらっしゃることがその原因のようです。

 今月はそのような方々に注意発起という意味も含め、Common-lawについてお話します。

Common-lawとしての定義

 このトピックについて語るためには、まずCommon-law(事実婚)の定義を熟知している必要があります。カナダ移民局のウェブサイトには基本的な条件のみ記述されていますが、実は1999年にカナダ最高裁判所は「Common-lawの定義」を詳しく定めました。その内容は「二人が移民申請日から遡って1年以上同棲しており、性的関係にあるということだけではなく、お互いの間に一定のレベルの愛情があるかということである。そのレベルを調べるためには次の7項目を二人の現状と照らし合わせるべきである」というものでした。

  • 同居しているか(例:寝起きを共にしているかなど)
  • 性的で、個人的な態度をとっているか(例:恋人への貞節、お互いへの気持ちなど)
  • 尽くし、助け合っているか(例:家事を分担しているなど)
  • 公で自分たちをどう表しているか(例:家族や友人の前でカップルとして態度を示しているかなど)
  • 経済的なサポート(例:金銭的に助け合っているか、資産を共有しているかなど)
  • 子供(例:子供に対する態度や接し方など、該当する場合)
  • 公的にカップルとして認識されているか

 つまり前述において概ね該当しており、1年以上同棲している場合は、本人たちに自覚がなくても、そして本人たちが正式にCommon-lawであると法的に書面で記していなくても、既にCommon-lawとなっている場合があることを知っておいて下さい。

現状

 弊社にSponsorship移民申請についてご相談される方のうち、沢山の方が「1年近く同棲している」或いは「既に数年同棲している」のでCommon-law枠で移民申請をしたいという希望を持っているが、申請できるかが分からない、という状況の方がほとんどのようです。それではということでコンサルテーションをさせていただき、お二人に詳細(お付き合いの期間や同棲の期間、現時点で既に集めている書類の種類など)について質問していくうちに、ご回答によって直ぐに申請可能なケースであるか否かということを判断しています。

お話させていただく方々のうち、9割がCommon-lawとして移民申請をするためには、(カナダ移民局のウェブサイトに記載されている書類、或いはそれ以外の書類について)、お手元に書類を揃えておらず、政府が定めるCommon-lawとしての定義をしっかりと満たしていますということを証明できない状態にあります。その場合には別のカテゴリーを提案させていただくか、或いは今後12ヶ月かけてしっかりと私の指示に従って書類集めを行っていただくという経過を経て完璧なパッケージを準備し、申請しています。

可能な限り早い段階でのプランニングを

 ではこの「12ヶ月以上同棲したが、移民申請するための書類が揃っていない状況」に陥ってしまうことを避けるためには、どうしたら良いのでしょうか。ベストは「もしかすると将来Common-lawとして申請するかもしれない」と感じた時点(可能であればお二人がお引越しをし、同棲を開始する直前)にスポンサーの方と二人でコンサルテーションを受けることです。お互いの法的責任を理解し、その後12ヶ月かけて書類の準備をするかしないか、或いはその時点で準備をしていなくてもその後関係が深まった時に準備をし始めるか、ということが一番の理想とお考え下さい。

 弊社では、コンサルテーションは必ず2人で受けられることが必須ですとお伝えしています。一人で私の説明を受けられた場合、言語の壁などが原因でもう一方の方に法的責任の詳細や、カテゴリーの違い等、詳しいアドバイスが伝わらなかったことが過去に多々あったことがその原因です。これはいつも呼びかけていることなのですが、是非オープンな気持ちで、コンサルテーションを受けてみて下さい。