2021年11月の新型コロナウイルス関連お役立ち情報|新企会「海外在留邦人・日系人の生活・ビジネス基盤強化事業」企画

2021年11月の新型コロナウイルス関連お役立ち情報|新企会「海外在留邦人・日系人の生活・ビジネス基盤強化事業」企画

経済正常化への見通しも立ち、日常を取り戻し始めているトロント。夏以降はまだまだお互いに様子を見つつではあったが、10月のサンクスギビングでは親しい友人や家族などと、久々に集まったという方も多いのではないだろうか?補助金の終了や国境のオープン、そして、国内でのワクチン証明など、様々な整備が進んでいる。11月に知っておきたい変更について確認してみよう。

※2021年10月後半に多くのアップデートが発表されました。最新情報はカナダ政府サイトを確認ください。

州内での生活について

ON州在住者へのQRコード付きワクチン証明書

 10月18日以降、2回のワクチン接種を終えたオンタリオ州民は、QRコード付きのワクチン証明書がダウンロードできるようになった。ワクチン接種証明のチェックの義務があるビジネスや施設などは、オンタリオ州の発行する「Verify Ontario」というアプリを使って、このQRコードをスキャンすることで、チェックにかける時間を短縮させることができる。

【個人向け】

 Verify Ontarioはビジネス向けの確認アプリで、個人はアプリなどのダウンロードは不要。オンタリオ州のウェブサイトで【Proof of COVID-19 vaccination】という項目から、証明書のダウンロードができる。2回目の接種から14日以上待つ必要があるので注意。

 ダウンロードの待ち時間は10月18日時点では5分程度。ゲージが画面に表示され、自分の番が来ると自動的に入力画面になる。ヘルスカードの裏表にある番号の入力が必要となるため、手元に用意しておこう。

 導入以後も、既存の(QRコードのついていない)ワクチン証明は、引き続き有効な接種証明として使用できる。

【ビジネス向け】 

 アプリの使用には、インターネットアクセスがあり、カメラ機能がついているアンドロイドデバイスが必要だ。店内掲示用のポスターなどもオンタリオ州政府サイトでダウンロードできる。BC州・QC州・Yukon準州のQRコードにも対応している。
(10月18日時点)

▶ウェブサイト https://covid-19.ontario.ca/verify

3度目の接種/ブースターショットについて

 接種後14日以上経ってから感染が確認されるブレイクスルー感染。せっかく2度目のワクチンを取得したにも関わらず、時間が経つと効果が薄れるため3度目の接種をしなければいけないかもしれないと聞いてガッカリした方も多いはずだ。ただ、現在の規制の中では、2度目の接種完了者をFully-vaccinatedと定義し、3度目(3rd shot)までは必須とはされていない。誤解を避けるため、Booster Shotと記載されることもある。

 オンタリオ州は、カナダの州の中では最も早く8月には3回目接種を認めたが、介護施設の入居者など感染リスクの高い方を対象としている。現状では、アルバータ州は75歳以上の居住者、そして、マニトバ州ではヘルスケアワーカーを対象として3回目接種を行うなど、他州でも同様、あくまで追加措置だ。また、混合接種で、他国への渡航のために同一のワクチン接種の証明が必要な場合などにも特別措置として3回目接種は可能とされる。

カナダ国内・国外の旅行について

11/8、アメリカ国境のオープンへ(10月中旬発表)

 アメリカは11月8日より、2回目のワクチン接種が済んだカナダ人の、Non-essentialな目的での空路・陸路そしてフェリーでの入国を認めると発表した。入国審査官の求めがあればワクチンの接種証明の提示が必要。ただし、空路での入国者は、引き続きフライト3日以内に受けた陰性証明も併せて必要なので注意。カナダは、入国方法に限らず、引き続き全ての旅行者に対し、陰性証明の提示を必須としている(カナダーアメリカ間の国境は、パンデミック直後の2020年3月より19ヶ月もの間クローズとなっており、カナダ側は8月前半にはアメリカ側に対し国境をオープンしていた)。

 1度目と2度目で異なるワクチンの接種を受けた混合接種者については、混合接種の安全性を訴えるカナダ政府とアメリカ政府の間では協議が続いていた。10月15日、CDCはアメリカ食品医薬品局、またはWHOが認めたものであれば、認めるとした。証明書の様式などの詳細については、追ってアメリカ疾病予防管理センター(CDC)よりアップデートがあるとされており、10月21日までの国境の規制も、これら詳細の決定に至るまで延長される見込み。

フェデラル(カナダ国内共通)のワクチンパスポートについて

ウェブサイト内のサンプル。オンタリオ州民は10月18日より同様の書類がダウンロードできるようになっている。
▲ウェブサイト内のサンプル。オンタリオ州民は10月18日より同様の書類がダウンロードできるようになっている。

 兼ねてより、準備が進められていたカナダとしての共通のワクチンパスポートシステムについて、10月21日にトルドー首相がカナダ国内のすべての州/準州との合意に至ったと詳細を発表し、カナダ政府のウェブサイトもアップデートされた。

 フェデラルのウェブサイトからでも、オンタリオ州民は最終的に、前項のオンタリオ州のページに誘導される。こちらでダウンロードするQRコード付きの書類は、カナダ国内のすべての州ならびに、海外旅行、そしてカナダに戻る際のArriveCANへの登録に使用できる。とは言え、カナダとしては、Non-essentialトラベルを推奨してはいないこと、そして、当然のことだがワクチン証明それ自体は目的国の入国を保証するわけではない点は注意が必要だ。証明書や陰性証明など目的地の入国基準は別途、自分で調べる必要がある。

▶ウェブサイト https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/canadian-covid-19-proof-vaccination.html

旅行者に対する要件

 10月30日より、以下の旅行をする12歳以上の旅行者は、ワクチンの接種が義務となった。まだワクチン接種を受けていなくて、日本への帰国を希望している一時滞在者(留学生や一時企就労者など)は注意が必要だ。

1. 国内・国外のカナダの各空港から出発する旅行者
2. VIAやRocky Montaineerなどの鉄道での旅行者
3. クルーズなど、24時間以上の船での旅行者

 ワクチン接種を一部完了している場合は、11月30日までは移行期間として、搭乗の72時間以内に取得した陰性証明書の提示で搭乗が認められる。以降は、緊急の移動などよほどの場合でなけれ例外は認められないとされている。
 同時に、違反者や、虚偽の情報を提示した者に対し、厳格な違反規定も定められている。

1. 個人(旅行者もしくは従業員)に対し、1つの違反につき最大5,000ドルの罰金。事業者は、1つの違反につき最大25,000ドルの罰金。
2. 鉄道会社は1つの違反(または1日)につき、最大250,000ドルの罰金。
3. 個人(旅行者もしくは従業員)、事業者ともに、1つの違反(または1日)につき最大25,000ドルの罰金。

 また、同様にこれら連保政府が監督する、移動・旅行業に従事する従業員は全てワクチン接種が義務となっている。

各種補助金の延長

 10月23日までが期限となっている個人向け・ビジネス向けの補助金は、全部で5種類あった。10月21日にカナダ政府はこれらの一部終了と変更を発表。

【個人向け】
 
●The Canada Recovery Benefit(CRB)→Canada Worker Lockdown Benefitへ。ロックダウンで影響を受けた労働者に300ドル/週、2022年5月7日まで。

●The Canada Recovery Sickness Benefit(CRSB)、The Canada Recovery Caregiver Benefit(CRCB)→双方、2022年5月7日まで延長。総受給可能期間が2週間分追加。

【ビジネス向け】
 
●The Canada Emergency Rent Subsidy(CERS)、The Canada Emergency Wage Subsidy (CEWS)の2つは、10月23日(土)にて終了。
 新たに10月24日(日)より、次の2つのプログラムに置き換わる予定。

●Tourism and Hospitality Recovery Program…ホテル・ツアー催行会社・旅行会社・レストランなどの、Wage(賃金)とRent(家賃)に対し最大75%までの補助

●Hardest Hit Business Recovery Program…その他損失の大きかったビジネスの、Wage(賃金)とRent(家賃)に対し最大50%までの補助

 発表ではこのプログラムはまず11月20日まで、その後、法制化されれば2022年5月7日まで(最大7月2日まで)を予定している。続けて、ロックダウンを強いられたビジネスに対するロックダウンサポートも2022年3月13日までと発表されている。申請方法などの詳細は追って発表される。