ロシアが2月24日にウクライナへの侵攻を開始してから数か月が経ちました。トロント大学では、ウクライナ侵攻で影響を受けている学生に対して経済的また精神的サポートを提供しています。
トロント大学Vice-president InternationalのJoseph Wong氏は「トロント大学は急ピッチで、ウクライナでの戦争によって人道的危機を受けている学生や研究者達に対して学費援助等のサポートを開始しました」と述べています。
また、「私たちは、学生たちが戦争や紛争などで将来を損なわれることのないようにサポートを続けています。そして、私はすべての学生にサポートが必要であれば教務課へ連絡するよう呼び掛けています」と述べています。
経済的支援に加え、トロント大学St. Georgeキャンパスでは、ウクライナ侵攻で影響を受けている現役大学生や研究者へのメンタルヘルスのサポートを最優先に行っています。
1.Scholars-at-Risk プログラム
Scholars-at-Risk プログラムは、1999年に政治的紛争や戦争等からすべての研究者をサポートする目的で作られました。このプログラムでは、シリア、アフガニスタン、ジャマイカからの研究者たちをサポートして来ました。
今回、トロント大学に入学が決まっているウクライナ人学生を対象に最高100万ドルの奨学金を計画しています。このプログラムでは、ウクライナ侵攻で影響を受けている学生に対して4年間で一人当たり年間1万ドルを授業料等に充てることが出来ます。
2.ウクライナ人留学生へのサマープログラム
トロント大学Mississaugaキャンパス(UTM)では、ウクライナの大学生を対象としたサマープログラムを開催しています。このプログラムでは、ウクライナ侵攻で影響を受けている学生に対して授業料は無料で、寮や往復の旅費などもカバーされるそうです。
3.トロント大学とウクライナとの絆
トロント大学は以前から沢山のウクライナ人留学生、研究者や教育関係者を受け入れてきた歴史があります。2019年にはトロント大学がUkraine Reform Conferenceを主催し、ウクライナの将来についての国際サミットを開催しました。ウクライナのゼレンスキー大統領とカナダのトルドー首相が参加しました。